マルクス

パヴロフ産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 パヴロフ』「条件反射」やパヴロフの犬で有名なロシアの偉大な科学者のおすすめ伝記!

「条件反射」や「パブロフの犬」といえば現代の脳科学や神経の研究とも直結してくる内容です。ですのでもっと最近のものであったり、イギリスやドイツ辺りで研究されていたものとすっかり思い込んでいました。

それがまさか19世紀のロシアだったとは!

ドストエフスキーやトルストイが科学をほとんど感じさせない心理的、宗教的著作を描いていたまさにその時、パヴロフが科学的研究に勤しんでいた・・・

これはロシア文学のことだけを考えていると、正直なかなかイメージできないものがありました。そういう意味でこの伝記は当時のロシアを科学といういつもとは違った切り口から見ることができたありがたい作品でありました。

エジソン産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 エジソン』アメリカの天才発明家エジソンのおすすめ伝記!読書家エジソンの一面も

この作品は誰もがその名を知る発明家トーマス・エジソンの伝記になります。

エジソンは学校にほとんど通っていません。ですが彼は猛烈な読書家でディケンズやシェイクスピア、『レ・ミゼラブル』など様々な文学作品に親しみその想像力を耕していたのでありました。

この伝記ではそんなエジソンの波乱万丈の生涯を知ることができます。エジソンについては名前は知っていてもいざどんな時代に生きてどんな生涯を送ったかはほとんど知らなかったので、この本は非常に興味深いものがありました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 ファラデー』~電気文明の基礎を作った19世紀初頭のイギリス人天才科学者のおすすめ伝記

ファラデーは1791年にロンドンで生まれた科学者です。

ファラデーといえば、理系の科目が苦手だった私でも「ファラデーの法則」という言葉をなんとなく覚えていました。

ですが科学界のビックネームというイメージがあったものの、この人物がどの時代に生き、どんな生涯を送ったのかということは全く知りませんでした。

そんな私にとってこの伝記は驚きの連続でした。

19世紀イギリスの雰囲気も知れるこの伝記は私にとってもありがたいものがありました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

A・ワーナー『写真で見るヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』~ホームズ人気の秘密や時代背景も知れるおすすめ本!

この本ではシャーロック・ホームズの魅力や「なぜこんなにも人気になったのか」ということが余すことなく説かれています。たくさんの写真や資料と共に解説されるので読みやすさ、イメージのしやすさも抜群です。

マルクスの生きた時代背景を知るために元々手に取ったこの本ですが、その狙い通りヴィクトリア朝後期のイギリスの社会情勢を知る上でも非常に役に立ちました。

これはぜひぜひおすすめしたい作品です!

名作の宝庫・シェイクスピア

扇田昭彦『日本の現代演劇』~戦後日本と演劇の流れをリンクして学べるおすすめ参考書

この本では1960年代に始まった小劇場運動からバブル経済を経た90年代の演劇までその歴史の流れを概観することができます。

特に思想の吹き荒れた安保闘争、学生紛争時代における演劇界には強い関心があったのでこのことについて詳しく知ることができたのは非常にありがたいものがありました。

そしてこの本を読んでいてとにかく感じたのは演劇人たちの熱気です。しかも並大抵の熱気ではなく、それこそ「すべてを賭けて戦う」という恐るべき本気さ・・・

時代の空気感と演劇の関係を重ねながら学べる本書は非常に興味深い作品でした。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(29)最愛の子アリョーシャの急死と『カラマーゾフの兄弟』のつながり~子煩悩の父としてのドストエフスキー

前回の記事では愛妻家ドストエフスキーの姿をご紹介しました。

そして今回の記事では父親としてのドストエフスキーを紹介して私の旅行記の締めくくりとしたい。

愛妻家ドストエフスキー、子煩悩の父ドストエフスキー。

妻と歩んだドストエフスキーを知る上で絶対に欠かせないエピソードをこれから皆さんにお話ししていきます。

子を愛したドストエフスキーということを知った上で『カラマーゾフの兄弟』を読めば読者の皆さんの心の中にきっとまた何か違うものが芽生えるのではないかと私は信じています。

名作の宝庫・シェイクスピア

岩淵達治『ブレヒト 人と思想64』~われわれはシェイクスピアを変えられる。もしわれわれがシェイクスピアを変えられるなら

この本はドイツの劇作家ブレヒトの生涯や時代背景、思想をコンパクトに知れるおすすめの作品です。

私がこの本を手に取ったのはシェイクスピアがきっかけでしたが、「演劇と時代背景」について考えることができたのは大きな収穫だったなと思います。

当時の演劇界の空気感を知れるこの本はとてもおすすめです。私も1ページ1ページ興味津々で読みました。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

名作の宝庫・シェイクスピア

バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』~蜷川幸雄が座右の書とした名著!

蜷川さんの人生やその言葉を通して私も今たくさんのことを学ばせて頂いています。その蜷川さんが「座右の書」と呼ぶバフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』。これがどんな本なのかやはり気になります!そして実際に読みながら感じたことをある意味率直に書いてみたのが今回の記事です。率直過ぎたかもしれませんがどうかご容赦ください。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(17)共産主義、社会主義革命家を批判したドストエフスキー~ジュネーブでの国際平和会議の実態とは

前回の記事ではジュネーブでのドストエフスキー夫妻の仲睦まじい姿をご紹介しましたが、今回の記事ではドストエフスキーという人物を考える上で非常に重要なポイントをお話ししていきます。

ドストエフスキーのジュネーブ滞在は共産主義、社会主義に対する彼の反論が生まれる契機となりました。

ここでの体験があったからこそ後の『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』に繋がっていったと考えると、やはりドストエフスキー夫妻の西欧旅行の持つ意味の大きさというのは計り知れないものがあると私は思います。