ロシアの歴史・文化に学ぶ

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

木村汎『プーチン 人間的考察』~プーチン大統領とはいかなる人物か、その経歴や特徴を知るのにおすすめの大著

この作品では彼の幼少期からKGB時代、ペテルブルク、モスクワでの官僚時代、大統領時代とじっくりとその道筋を見ていきます。ニュースではなかなか知ることのないプーチン大統領の姿を知ることができます。

また、プーチン大統領の政治のキーポイントとなる彼のメンタリティーについての分析も非常に興味深いです。

プーチン大統領とはいかなる人物かということを学ぶのにぜひぜひおすすめしたい作品です。

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真野森作『ルポ プーチンの戦争』概要と感想~現地取材から見えてくるウクライナ情勢とは

真野森作『ルポ プーチンの戦争』概要と感想~おすすめ本!現地取材から見えてくるウクライナ情勢とは 今回ご紹介するのは2018年に筑摩書房より発行された真野森作著『ルポ プーチンの戦争「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか』…

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トビー・ドッジ『イラク戦争は民主主義をもたらしたのか』~ロシアのウクライナ侵攻を考えるためにも

この本はイラク侵攻後のイラク情勢について書かれた本なので、なぜイラク戦争が起きたのか、そしてその経過についてはほとんど書かれていません。イラク戦争そのものについて学ぶのならば他の本を読むのをおすすめします。ですが、武力侵攻の後にいかなることが起こりうるのかということを考えるのには非常に参考になる作品です。

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中村哲『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』~中村医師のアフガンでの活動を知るのにおすすめ!

前回の記事で紹介した『アフガニスタンの診療所から』は1993年に刊行された作品で、今回紹介する『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』はそこから20年を経た中村医師の作品になります。

『アフガニスタンの診療所から』では中村医師がアフガニスタンで診療を始めたきっかけや現地の医療活動について語られていましたが、今作の『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』は上の本紹介にありますように、干ばつに襲われたアフガンに井戸を掘り、用水路を建設する中村医師の活動を知ることができます。

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中村哲『アフガニスタンの診療所から』あらすじと感想~今こそ読みたい名著!ソ連のアフガン侵攻とその後の悲惨な現実を学ぶために

この本は今こそ読むべき名著中の名著です。

文庫本で200ページほどというコンパクトなサイズですので、気負わずに手に取ることができますので、ぜひぜひおすすめしたい作品です。

ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに読んだこの作品でしたが、強烈な印象を残した読書になりました。

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R・ブレースウェート『アフガン侵攻1979-89 ソ連の軍事介入と撤退』~ソ連崩壊の要因ともなった泥沼の軍事侵攻

1979年に始まったソ連のアフガン侵攻。

泥沼化したこの戦争はソ連崩壊の要因となった出来事として知られていますが、この本ではそんなアフガン侵攻の経緯をかなり詳しく知れる作品となっています。

現在ロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、かつてのアフガン侵攻のことを学ぶことは大きな示唆を与えてくれるのではないでしょうか。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

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D・E・ホフマン『死神の報復 レーガンとゴルバチョフの軍拡競争』~冷戦末期の核・生物兵器競争の戦慄の事実を学ぶのにおすすめ

この作品は冷戦末期のソ連とアメリカの軍拡競争、そしてソ連の生物兵器開発をめぐるノンフィクションです。

この本も強烈です。

米ソ核軍拡競争の最終段階とも言えるゴルバチョフ、レーガンの外交交渉は読んでいて非常に緊迫したものを感じました。さすがピュリツァー賞受賞作品。読ませます。語りに引き込まれてしまいました。

大国間の駆け引きを目の当たりにできる名著です。冷戦末期からソ連崩壊への時代背景を知るのにもおすすめの作品です。

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W・トーブマン『ゴルバチョフ その人生と時代』~ゴルバチョフのペレストロイカとは。その生涯とソ連崩壊の時代背景を学ぶのにおすすめの伝記!

この本ではゴルバチョフが生まれた1931年からソ連崩壊後まで、その時代背景と共にゴルバチョフの謎に満ちた生涯を辿っていきます。

ゴルバチョフ自身の生涯も非常に興味深いものなのですが、この本でやはりありがたいのはソ連の時代背景を知れる点にあります。特にソ連が崩壊に向かっていく流れは読んでいて頭を抱えたくなるほどの混迷ぶりでした。ソ連がいかに出口のない迷路に迷い込んでいたかがわかります。

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M・ラリュエル『ファシズムとロシア』~ファシスト、非ナチ化という言説はなぜ繰り返されるのか。ロシアは欧州の何に反発しているのか

私がこの本を読もうと思ったのは、プーチン大統領がウクライナに対して「非ナチ化のために我々は戦っている」という旨の発言があったからでした。正直、その言葉を初めて聞いたときは全く意味がわかりませんでした。なぜプーチンにとってウクライナと戦うことが非ナチ化なのか、私にはどうしてもわからなかったのです。

というわけで手に取ったこの本でしたが、これがなかなか興味深く、「なるほど」と思えることが満載の一冊でした。

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P・ポマランツェフ『プーチンのユートピア―21世紀ロシアとプロパガンダ』~メディアを掌握し、情報統制するプーチン政権の実態とは

この本も衝撃的でした。

プーチン政権がいかにメディアを掌握し、国民に対して情報を統制しているかがよくわかります。

著者はテレビプロデューサーとして実際にロシアのメディア業界を体感し、その実態をこの本で記しています。

ロシアのテレビ業界に働く人々の雰囲気や、プーチンから厳しく監視されているメディア業界の緊張感がこの本で感じられます。まさにプロパガンダの最前線。よくこんな本を出せたなと驚くばかりです。