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風車の町カンポ・デ・クリプターナを散策~ドン・キホーテの舞台を歩く! スペイン編⑧

目次

絶景!ドン・キホーテの舞台~風車の町、カンポ・デ・クリプターナ 僧侶上田隆弘の世界一周記―スペイン編⑧

クエンカで一泊した翌日、ぼくは次なる目的地カンポ・デ・クリプターナへと向かう。

カンポ・デ・クリプターナはクエンカと同じくドン・キホーテで有名なラ・マンチャ地方にある町。

この町で最も有名なのが丘の上に立つ風車の景色だ。

そしてその風車こそドン・キホーテが巨人と間違えて突進していくという有名なシーンのモデルになったと言われているのだ。

ドン・キホーテ好きにはたまらないスポットがこのカンポ・デ・クリプターナなのである。

マドリード アトーチャ駅

カンポ・デ・クリプターナへは一旦クエンカからマドリードへ戻り、そこから乗り換えが必要。

クエンカからマドリードへは1時間ほど。

そしてマドリードからカンポ・デ・クリプターナへは在来線を利用し、2時間ほどで到着できる。

車窓からはラ・マンチャの平原を望むことがことができる。

快速の止まるアルカサル・デ・サンファン駅で各駅停車に乗り換え。

この隣の駅がカンポ・デ・クリプターナ駅だ。

車窓からはすでに丘の上に立つ風車の一群を見ることができた。

期待が高まる。

カンポ・デ・クリプターナ駅に到着。

ローカルな駅。

改札もなければ駅員さんもいなかった。

外に出て、改めて駅舎を見てみる。

タクシーも1台も止まっていない。きっと電話しないと来てくれないパターンなのだろう。

本当にここで大丈夫なのかと少し不安になるほどのローカル感。

もしかしてここには観光客はほとんど来ないのではないだろうか・・・?

ドン・キホーテの風車という観光の目玉があるはずなのになぜこんなに閑散としているのか、とても不思議な気分になった。

駅から宿まで歩く。

ぼくは夕焼けの風車を見たかったので風車のすぐそばにある宿を予約していた。

駅から30分ほど歩けば着くとのこと。

人っ子一人もいない道を歩いて行く。

なぜこんなにも人がいない?なぜこんなに静かなのだろう・・・

若干の不安を引きずりながらも黙々と進んでいく。

しばらく歩くとようやく町らしくなってくる。

やっと人とすれ違えるようになってきた。やはり人がいるとほっとする。

どうやらこの辺りがこの町の中心部のようだ。商店街のようになっていた。

商店街を抜けるとそこからは丘に向かって一気に坂道を上っていく。

ようやく宿に到着。

宿はこの写真左の建物。

ここから徒歩5分ほどで風車の丘に行くことができる。

すでにこの写真でも風車の羽部分を見ることができる。

さて、いざ風車の丘へ。

白い壁と青いラインの入った家々の間を進んで行く。

家々の間を抜けるといきなり開けた土地が目の前に現れてくる。

ここがドン・キホーテで有名な風車の丘。

想像していたよりもはるかに雄大な景色。

緩やかに傾斜した丘に緑の絨毯が敷き詰められているかのよう。

風車の向こう側には何も視界を遮るものはない。

どこまでも広がっていくかのようなラマンチャの大地。

風車そのものよりも、ここに広がるラマンチャの丘の景色に驚いた。

ぼくはドン・キホーテが大好きだ。

今回の旅にもkindleに入れて旅のお供にしている。

ドン・キホーテが巨人と信じ込み突撃した風車。

先にも述べたが、それは目の前にあるこの風車群をモデルにしている。

風車から離れて、丘をぶらぶら歩く。

そしてドン・キホーテが愛馬ロシナンテに跨り歩いたであろう道を歩く。

ドン・キホーテがここで「かのやんごとなき騎士アマディス・デ・ガウラは~」などと従士サンチョ・パンサに話しかけながら歩いている姿を想像すると胸が熱くなる。(ドン・キホーテが愛してやまないアマディス・デ・ガウラについては「モンタルボ『アマディス・デ・ガウラ』あらすじと感想~ドン・キホーテを狂わせた騎士道物語の傑作!」の記事を参照頂きたい)

物語の世界に入り込んでしまったような気分だ。

ふと風車を眺めていて気付く。

たしかにこの風車。巨人に見えなくもない。

羽の中心が頭で、長い右手を上から叩きつけようとしているかのように見えてくる。

たしかにこれは風車だけれども、巨人とも解釈しうるもののようにも思えてきた。

ぼくはドン・キホーテの世界に影響されすぎなのだろうか。

さて、何はともあれこの風車の丘は想像していたよりもはるかに素晴らしい場所だった。

この後はいよいよぼくのカンポ・デ・クリプターナ最大のお目当て、夕日の風車の丘を堪能する。

次の記事では夕日に輝く風車の丘を紹介していきたい。

続く

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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