ナチス

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレント『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』概要と感想~ホロコーストはなぜ起こってしまったのか。人間の闇に迫る一冊

この本はアーレントの有名な「悪の陳腐さ」という言葉が生まれた作品になります。

アーレントはこの作品でナチスのホロコーストにおける恐るべき殺人システムの背景を考察します。

アイヒマンは極悪人ではなく、どこにでもいそうな人間であった。これが世界中を震撼させることになり、同時に激しい論争を引き起こすことになりました。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレントの「悪の陳腐さ」は免罪符になりうるのか~権力の歯車ならば罪は許される?ジェノサイドを考える

アーレントの「悪の陳腐さ」は罪を逃れるための免罪符になってはいないだろうか。これがふとスレブレニツァやルワンダの虐殺を学ぶ過程で私が感じてしまった疑問でした。加害者たちは「仕方がなかった」と自分の行動の責任を考えようとはしません。ですがそれではたしてよいのでしょうか。そのことをこの記事で今一度考えてみました。

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

ティモシー・スナイダー『暴政-20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』~世界的な歴史家が説く読書のすすめ

私たちは歴史から学ばなければなりません。そのために実際に何から始めればよいのか、それをこの本ではアドバイスしてくれます。

この記事ではその中でも私が気になったひとつ、「自分の言葉を大切にしよう」という章を紹介したいと思います。そこでは読書の意義について語られており、私の中で一番印象に残った箇所でもありました

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

トニー・ジャット『20世紀を考える』~悲惨な歴史を繰り返さないために私たちは何をすべきか

戦前、戦中、戦後ヨーロッパの歴史の大家である二人の対談は非常に興味深いものでありました。聴き手と受け手の化学反応とはこういうことなのだなということを感じました。圧倒的なレベルの知識人同士が本気で世界について語り合う。それがこの作品です。この二人の織りなす対談にとにかく圧倒される読書になります。

ニーチェとドストエフスキー

マッキンタイアー『エリーザベト・ニーチェ ニーチェをナチに売り渡した女』~ニーチェには恐るべき妹がいた!前代未聞の衝撃!

この本は凄まじいです。衝撃的です。

「嘘でしょ!?」と思わずにはいられない驚くべき事実の連発です。

世界がいかにニーチェを受容していったのかを調べようと思い手に取ったこの本でしたが、想像をはるかに超える面白さでした。

ニーチェ自身も規格外の存在でしたがその妹もとてつもない人物でした。彼女は夫とともに南米パラグアイの奥地に純粋アーリア人の村を作り、そこの支配者として君臨し、村人たちを騙し続けていました。しかもニーチェ発狂後は彼の著作や手紙を改竄し、自分の都合のいいように「偉大な哲学者ニーチェ」を作り上げ、最後にはナチスに加担することになります。

この本はそんな恐るべきニーチェの妹の生涯を通してニーチェの人物像もあぶり出していくという作品となっています。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

親鸞の悪人正機説への疑問~「スターリンやヒトラーのような悪人にも往生(救い)はあるのか」という問いについて考えてみた

私はTwitterをしています。Twitterではこちらのブログで投稿した記事の紹介や、世界一周記や日々の何気ないことをつぶやいたりしております。

最近はスターリンやヒトラーについての記事の更新を続けていますが、その中でとある質問を頂きました。

この記事ではその質問を通して私なりに思うことを記してみました。

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

ソ連や全体主義との恐るべき共通点ーカラマーゾフとのつながりも「『異端審問 大国スペインを蝕んだ恐怖支配』を読む」記事一覧

中世スペインの異端審問は過去の遺物ではなく、現代につながる人間の本質的な問題であることをこの本で学びました。

これまで学んできたレーニン、スターリンのソ連や独ソ戦と非常に強いつながりを感じました。

そしてこの本の面白い所は所々で著者の思いが吐露されていて、単なるデータの羅列には終わらない点にあります。読み応え抜群です。読んでいて本当に面白い本でした。 この本はとてもおすすめです。ぜひ皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

ソ連兵は何を信じ、なぜ戦い続けたのか~「独ソ戦に学ぶ」記事一覧

この本では一人一人の兵士がどんな状況に置かれ、なぜ戦い続けたかが明らかにされます。

彼ら一人一人は私たちと変わらぬ普通の人間です。

人は何にでもなりうる可能性がある。置かれた状況によっては人はいとも簡単に残虐な行為をすることができる。自分が善人だと思っていても、何をしでかすかわからない。そのことをこの本で考えさせられます。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

ソ連とナチスの虐殺の歴史を学ぶために~「独ソ戦・ホロコーストに学ぶ」記事一覧

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』という作品は本当に衝撃的な一冊でした。

自分がいかに何も知らなかったかということを思い知らされました。私たちが習う世界の歴史では見えない事実がこの本にはあります。そしてそうした見えない事実こそ、私たちが真に学ぶべき事柄であるように思えます。

混乱を極める現代において、暗い歴史を学ぶことはたしかにつらいことかもしれません。ですが、だからこそこうした歴史をくり返さないためにも苦しくとも学ぶ意味があるのではないかと思います。

ぜひ、これらの記事を読んで頂けたら嬉しく思います。

独ソ戦~ソ連とナチスの絶滅戦争

独ソ戦のおすすめ参考書16冊一覧~今だからこそ学びたい独ソ戦

この記事では独ソ戦を学ぶのにおすすめな参考書を紹介していきます。

独ソ戦は戦争の本質をこれ以上ないほど私たちの目の前に突き付けます。

なぜ戦争は起きたのか。戦争は人間をどう変えてしまうのか。虐殺はなぜ起こるのかということを学ぶのに独ソ戦は驚くべき示唆を与えてくれます。私自身、独ソ戦を学び非常に驚かされましたし、戦争に対する恐怖を感じました。これまで感じていた恐怖とはまた違った恐怖です。ドラマや映画、ドキュメンタリーで見た「被害者的な恐怖」ではなく、「戦争そのものへの恐怖」です。

それぞれの記事でより詳しく本の紹介をしていますので、興味のある方はぜひ記事の方もご参照ください。