目次
連載「ユゴーの原作『レ・ミゼラブル』を読む」
皆さんこんにちは、錦識寺の上田隆弘です。
さて、すでに当ブログでは現在『親鸞伝~悩み多き英雄の偉大なる生涯』、『カラマーゾフを読む』の2つの連載が始まっていますが、ここでさらにもう1つの連載を始めていきたいと思います。
それが「ユゴーの原作『レ・ミゼラブル』を読む」になります。
『レ・ミゼラブル』といえば日本でも大人気のミュージカルとして有名な作品です。私もミュージカルが大好きで何度も観劇し、その度に号泣しています。
さて、そんな『レ・ミゼラブル』でありますが、私がこの作品と出会ったのは何を隠そう、ロシアの文豪ドストエフスキーがきっかけでした。
私は2019年から2023年にかけて「親鸞とドストエフスキー」をテーマに研究を続けていたのでありますが、このドストエフスキーが愛してやまなかった作品こそこの『レ・ミゼラブル』だったのです。
あわせて読みたい
ドストエフスキーも愛した『レ・ミゼラブル』 レミゼとドストエフスキーの深い関係
ドストエフスキーは10代の頃からユゴーを愛読していました。
ロシアの上流階級や文化人はフランス語を話すのが当たり前でしたので、ドストエフスキーも原文でユゴーの作品に親しんでいました。
その時に読まれていた日本でもメジャーな作品は『ノートル=ダム・ド・パリ』や『死刑囚最後の日』などの小説です。
そんな大好きな作家ユゴーの話題の新作『レ・ミゼラブル』が1862年にブリュッセルとパリで発売されます。
ちょうどその時にヨーロッパに来ていたドストエフスキーがその作品を見つけた時の喜びはいかほどだったでしょうか!
詳しくは上の記事でお話ししていますのでこれ以上は述べませんが、私にとっての『レ・ミゼラブル』はまず、「あのドストエフスキーが愛した作品」であったのです。
そしてそれはやがて「私の大好きなミュージカル作品」となり、今や「私のインドのテーマソング」となっています。
ーインドのテーマソング?
そうなのです。
私は2024年にインドの仏教遺跡を巡る旅に出たのですが、その時にひたすら聴いていたのがレミゼのサントラだったのです。
あわせて読みたい
インド仏跡巡りへ出発~ブッダの足跡を訪ねる旅。三島に呼ばれた私の最後の旅へ
2024年2月上旬より始まった私の最後の旅・・・・
これが私の仏教や宗教を巡る旅の終着点になります。この記事ではそんな私の思いやこの旅についてお話ししていきます。
インドの仏跡はとにかく広大なエリアに点在しています。そのため車での移動時間が1日10時間以上の日が何日もありました。5、6時間で済んだ日は「今日は移動が少なくて助かったな」と思ったものです。
そしてそんな車中でひたすら聴いていたのがこのレミゼだったのです。
Amazon商品紹介ページより
このサントラはストーリーの展開に沿って曲が配置されていて、ほとんどミュージカルそのものを見ているかのように音楽を聴くことができます。
つまり、私は車中でインドの風景を見ながらひたすらレミゼの世界に浸り続けていたのです。
こういうわけで、今や私にとってレミゼはインド旅のテーマソングと化してしまったのでありました。
ただ、そこはさすがはレミゼです。単なるBGMでは終わりません。
やはりレミゼは偉大なる物語です。その音楽を通してありありとジャン・ヴァルジャンの人生を追体験することになります。インドという異国の地でその生涯に思いを馳せた体験は私にとっても忘れられないものとなりました。
そして今、私は「カラマーゾフを読む」という記事を当ブログで連載していますが、実は原稿自体はすでに全て書き終えています。記事総数は90を超える大部になってしまいましたが、この連載によってより深く作品と向き合えたのは間違いありません。「親鸞とドストエフスキー」研究をしてきた中で、改めてその核である『カラマーゾフ』をじっくり読めたのは実にありがたい機会でありました。
で、あるならば、レミゼもぜひやってみたい。ドストエフスキーも愛したこの小説を今一度しっかりと読み直したい。
そんな思いが私の中に生まれてきたのでありました。
今回の連載もコンセプトは至ってシンプルです。私の中でぐっと来た部分をただひたすら書き出し、思うことを述べていくだけです。
私がこうした記事を書こうと思ったのは以前当ブログでも紹介したウナムーノの『ドン・キホーテとサンチョの生涯』がきっかけです。
あわせて読みたい
ウナムーノ『ドン・キホーテとサンチョの生涯』あらすじと感想~ドン・キホーテ愛溢れる名著!読めば元...
私はこの作品を読んで感激しました。「こんなに『ドン・キホーテ』を読み込み、熱き思いを語る人がいるんだ!」と胸が熱くなりました。「愛」そのものですね!それが伝わってくるんです!これはすごい作品です。
この作品は『ドン・キホーテ』ファン必読の名著中の名著です。
タイトルにも書きましたが、この作品は読めば元気が湧いてくる名著です。現代日本においてもこの作品は圧倒的に大きな意味があると私は信じています。私はこれからも折に触れてこの本を読み返していきたいなと強く感じています。それほどこの作品のパワーはすさまじいです。
南欧のキルケゴールと呼ばれたスペインの思想家ウナムーノの『ドン・キホーテ』愛は半端ではありません。この本を読んでいるとウナムーノがいかに深く作品を読み込み、そこから大きな力を得ているかがひしひしと伝わってきます。まさに究極のファンブックと言える作品でありましょう。
私もウナムーノのように愛する作品について自由に、熱く語りたい。僭越ながらそんなことを思ったのでありました。
では、次の記事より本編を始めていきたいと思います。
続く
関連記事
あわせて読みたい
『レ・ミゼラブル』おすすめ解説本一覧~レミゼをもっと楽しみたい方へ
原作もミュージカルもとにかく面白い!そして知れば知るほどレミゼを好きになっていく。それを感じた日々でした。
ここで紹介した本はどれもレミゼファンにおすすめしたい素晴らしい参考書です。
あわせて読みたい
『レ・ミゼラブル』解説記事一覧~キャラクターや時代背景などレミゼをもっと知りたい方へおすすめ!
この記事ではこれまで紹介してきた「レミゼをもっと楽しむためのお役立ち記事」をまとめています。
私はレミゼが大好きです。ぜひその素晴らしさが広まることを願っています。
あわせて読みたい
長編小説と読書の3つのメリット~今こそ名作を読もう!『レ・ミゼラブル』を読んで感じたこと
皆さんは長編小説と言えばどのようなイメージが浮かんできますか?
古典。難しい。長い。つまらない。読むのが大変・・・などなど、あまりいいイメージが湧いてこないかもしれません。
特に一昔前の有名な作家の古典となると、それは余計強まるのではないでしょうか。
ですが今回レミゼを読み終わってみて、長編小説ならではのいいところがたくさんあることを改めて感じました。
この記事では普段敬遠されがちな長編小説のメリットと効能を考えていきたいと思います。
あわせて読みたい
ユゴー『レ・ミゼラブル』あらすじと感想~ミュージカルでも有名なフランス文学の最高傑作!
『レ・ミゼラブル』は分量も多く、原作はほとんど読まれていない作品ではあるのですが、基本的には難しい読み物ではなく、わかりやすすぎるほど善玉悪玉がはっきりしていて、なおかつ物語そのものもすこぶる面白い作品です。
しかも単に「面白過ぎる」だけではありません。この作品にはユゴーのありったけが詰まっています。つまり、ものすごく深い作品でもあります。私もこの作品のことを学ぶにつれその奥深さには驚愕するしかありませんでした。
ぜひミュージカルファンの方にも原作をおすすめしたいです
あわせて読みたい
ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』あらすじと感想~ユゴーの原作との比較
ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』解説とキャスト、あらすじ 原作の『レ・ミゼラブル』を読み終わった私は早速その勢いのままにミュージカル映画版の『レ・ミゼラブル...
あわせて読みたい
ジャヴェールこそ『レ・ミゼラブル』のもう一人の主人公である!愛すべき悪役ジャヴェールを考える
私にとって、『レ・ミゼラブル』で最も印象に残った人物がこのジャヴェールです。
このキャラクターの持つ強烈な個性がなんとも愛おしい。
たしかに悪役なのですがなぜか憎みきれない。
そんな魅力がこの男にはあります。
この記事ではそんな「もう一人の主人公」ジャヴェールについてお話ししていきます。