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(12)第二次インド・スリランカ遠征の始まり~インド中南部の仏跡と仏教聖地スリランカ巡礼の旅

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(12)第二次インド・スリランカ遠征の始まり~インド中南部の仏跡と仏教聖地スリランカ巡礼の旅

インドから帰国した私はすぐに次の旅の準備に取り掛かった。何せ次の旅の出発まであと2か月ほどしか残っていない。

あまりにもショッキングなインドの洗礼を受けた私は、すでにインド食がトラウマになっていた。そのため次の旅ではできる限りの食糧を持ち込み、現地の食べ物を極力食べないことに決めた。そしてコーヒーやハーブティーなど、普段飲み慣れているティーバックも大量に持参することにした。

食は元気の源。ここを何とかせねば一か月のインド・スリランカ遠征は不可能だ。何せ私は最初のインドで4日目にして倒れている。そんな私がこの長期のインド滞在に耐えられるか、これは非常に重要な問題だったのである。

こういうわけで食や体調管理に細心の注意を払いながら、私は本筋の旅のルートに関しても再検討することとなった。

当初はデリーからスタートしてカジュラーホー、サーンチー、ムンバイ、アジャンタ、エローラとインドを南下し、そこからスリランカに10日ほど滞在して帰国という予定だった。あわせて20日にも満たないほどの日程である。

しかし帰国後スリランカの勉強を急ピッチで進めるにあたり、私はこの国の仏教の歴史があまりに面白いことに気づいてしまった。一回目のインドに出発する前からスリランカについての本はいくつか読んでいたのだが、帰国してから読んだ本はそれこそ私の仏教観を揺るがすほどの衝撃だった。

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仏教国スリランカを知るためのおすすめ本一覧~仏教・歴史・文学など、知られざる魅力をご紹介! 私はスリランカの仏教を学び、衝撃を受けっぱなしでした。まさかと思うことがどんどん出てきます。私の仏教観を根底から覆したと言ってもよいでしょう。

こちらの「仏教国スリランカを知るためのおすすめ本一覧~仏教・歴史・文学など、知られざる魅力をご紹介!」の記事でもそれらの本を紹介しているが、こうなってしまうと「もっとスリランカを知りたい!」という思いを抑えることができなくなってしまった。私はスリランカでの滞在を丸3週間に増やし、スリランカをほぼ一周する形の旅程を考えたのである。

ここからの旅行記で語られるスリランカにはきっと皆さんも驚くことだろう。インドとはまた違う衝撃がこの国にはあったのである。ぜひご期待頂きたい。

もちろん、今回のインドも非常に刺激的で興味深い場所揃いであった。特に一番最初に訪れたカジュラーホーの彫刻群には私も衝撃を受けた。やはりインドのヒンドゥー文化の水準は並外れたものがある。そのことをまざまざと感じた体験だった。

カジュラーホーのカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院 Wikipediaより

そして上の写真にもあるアジャンタ、エローラの両仏教遺跡にも大きな感銘を受けた。特にエローラの仏教彫刻にはまさに痺れた!その部屋に入った瞬間私の身体をビリビリビリっと電流が流れたかのようだった。あの衝撃は今も忘れられない。このインド訪問も実に刺激的な体験となった。

というわけで、ここからいよいよ私のインド訪問は本格的な始まりを迎える。次の記事ではそんな私の第二次インド遠征に対する意気込みとインド再上陸後の私についてお話ししていきたい。

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【インド・スリランカ仏跡紀行】の目次・おすすめ記事一覧ページはこちら↓

※以下、この旅行記で参考にしたインド・スリランカの参考書をまとめた記事になります。ぜひご参照ください。

「インドの歴史・宗教・文化について知るのにおすすめの参考書一覧」
「インド仏教をもっと知りたい方へのおすすめ本一覧」
「仏教国スリランカを知るためのおすすめ本一覧」

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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