ロシア文学

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

富樫耕介『コーカサスの紛争』~チェチェン、ナゴルノ・カラバフ、ジョージアにおける紛争とロシアについて知るのにおすすめ

「本書は、コーカサス地域の理解にしか役に立たないのではなく、現在の国際社会において様々な地域で出現している民族や国家をめぐる問題を理解する際にも役立つことを目指している。(「はじめに」より)」

まさにこの作品は複雑なコーカサス情勢を学ぶことで「他の地域の紛争を見る眼」も養うことができる参考書です。

しかもコーカサス地方の紛争はどれもロシアと関わりの深い紛争です。

ロシア・ウクライナ戦争を考える上でも新たな視点を授けてくれるおすすめの参考書です

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

W・シャブウォフスキ『踊る熊たち 冷戦後の体制転換にもがく人々』~旧共産圏の人々に突然訪れた自由。自由は重荷なのか。

この本は旧共産圏のブルガリアに伝わる「踊る熊」をテーマに、旧共産圏に生きる人々の生活に迫る作品です。

この本もすごいです・・・!

ロシアに関する本は山ほどあれど、旧共産圏のその後に関する本というのはそもそもかなり貴重です。

しかも、その地に伝わってきた「熊の踊り」というのがまさに旧共産圏から「自由」への移行劇を絶妙に象徴しています。

「踊る熊」を通して私たち自身のあり方も問われる衝撃の作品です。これは名著です。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

O・ファイジズ『ナターシャの踊り ロシア文化史』~ロシアの文化・精神性の成り立ちに迫るおすすめ参考書!

ロシア的な精神とは何なのかということを学ぶのに最高の一冊!。

文化がいかにして出来上がっていくかということを考えさせられます。

私個人としては、この本を読んで特に印象に残ったのはオプチナ修道院についての記述です。

この修道院は晩年のドストエフスキーが訪れた、ロシアのとても名高い修道院で、あのトルストイも何度も足を運んでいます。

この本はドストエフスキーのキリスト教理解を学ぶ上でも非常に重要な視点を与えてくれます。

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

モンテフィオーリ『ロマノフ朝史1613-1918』~ロシアロマノフ王朝の歴史を学ぶのに最高の1冊!

私にとってはモンテフィオーリは絶大な信頼を寄せうる歴史家なのですが、今作も安定のモンテフィオーリクオリティーでした。「素晴らしい」の一言です。

ロマノフ王朝の始まりからいかにしてロシアが拡大し、力を増していったのかをドラマチックにテンポよく学ぶことができます。

それぞれの皇帝ごとに章立ても進んでいくので時代の流れもとてもわかりやすいです。

ロシアという国がどんな歴史を経て今に繋がっているかを学ぶのにこの本は最適です。

ドストエフスキーとフロイトの父親殺し

『カラマーゾフの兄弟』はなぜ難しい?何をテーマに書かれ、どのような背景で書かれたのか~ドストエフスキーがこの小説で伝えたかったこととは

この記事では実際に『カラマーゾフの兄弟』が書かれた背景とはどのようなものだったのかをお話していきます。

「難しい」「読みにくい」と言われることの多いこの作品ですが、なぜそのように感じてしまうのか、その理由にも迫っていきます。

この作品の背景を知ると、『カラマーゾフの兄弟』がまた違って見えてきます。カラマーゾフは面白い!!ぜひおすすめしたい記事です!

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

『レーピンとロシア近代画家の煌めき』~ドストエフスキーも生きたロシア19世紀絵画のおすすめガイドブック

この本は19世紀ロシアを代表する画家レーピンを中心に、この時代のロシア絵画界の全体像を眺めることができるおすすめのガイドブックです。

そしてこの本のありがたいのは当時のロシアの時代背景も知れる点です。これらの画家がどのような社会に生き、何を求めて絵を描き続けたのか、闘い続けたのかを知ることができます。とてもおすすめな1冊です!

イギリス・ドイツ文学と歴史・文化

横山三四郎『ロスチャイルド家』~陰謀論ではないロスチャイルドの歴史を知るのにおすすめ!

ロスチャイルドといえばよく陰謀論が語られます。一概にそれらを否定するわけではありませんが世に出ているロスチャイルドの本や記事がほとんどが陰謀論的なものなのではないかというほどです。

ですがそんな中この本は陰謀論的ではなく歴史的にどのような過程を経てこの一族が力を得てきたかが語られる、とてもありがたい参考書となっています

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

ひのまどか『プロコフィエフ―音楽は誰のために?』~ソ連の天才音楽家の苦悩と生涯を知るのにおすすめの伝記!

ソ連抑圧時代を音楽家の視点から描き出したひのまどかさんの筆には驚くしかありません。ただ単に歴史的な事実を並べるだけではなく、物語として鮮明にその過酷な人生が語られています。人物と共に時代背景まで知ることができる「伝記の利点」がこれ以上ないというほど輝いています。ひのまどかさんの著作には読む度に驚かされます。

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』あらすじと感想~ソ連の強制収容所の実態を告発

この作品は第二次世界大戦後のソ連の強制収容所を舞台にした作品です。ソルジェニーツィンはこの作品を通してソ連の現実そのものを描写しようとしました。

ソルジェニーツィンはソ連生まれの作家でノーベル文学賞作家であります。今回ご紹介する『イワン・デニーソヴィチの一日』はその代表作であり、『収容所群島』でも有名です。

ニーチェとドストエフスキー

ニーチェおすすめ作品7選と解説記事一覧~ニーチェは面白い!哲学だけではなくその人生、人柄にも注目です

ニーチェの哲学書と言えばとにかく難解なイメージがあるかもしれませんが、それでもなお現代まで多くの人に愛され続けているのも事実です。難解なだけでなく、やはりそこに何か読者の心を打つような強いメッセージがあるからこそ多くの人に読まれ続けているのだと思います。

今回はそんなニーチェの哲学書の中でも私がおすすめしたい7つの作品とニーチェに関する興味深い解説をまとめた記事をいくつか紹介していきます。