キリスト教

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(19)ベルニーニ『ダヴィデ』~ベルニーニの驚異の集中力とミケランジェロの『ダヴィデ』との比較

私もボルゲーゼ美術館でベルニーニの魔術に引き込まれた一人です。専門家の石鍋真澄が述べるように、ダヴィデの視線の先には明らかにゴリアテがいます。そして今にも石を投げんとしているのが伝わってきます。その瞬間を私達は目撃しているのです。ベルニーニの彫刻は私たちの現実世界を吹き飛ばしてファンタジー、物語空間に強制的に引き込んでしまいます。この物語性、メッセージ性がベルニーニの真骨頂。20代前半にして彼はその域に到達していたのでした。恐るべき早熟の天才と言えるでしょう。

メンデル産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 メンデル』~メンデルの法則で有名なチェコ・ブルノの修道士メンデルのおすすめ伝記!

メンデルといえばエンドウマメの交配実験が有名ですよね。私もそんな「メンデルの法則」のイメージがあったものの、いざメンデルがどんな時代に生きてどのような生涯を送ったのかはほとんど何も知りませんでした。

この伝記を通してメンデルの生涯や当時の時代背景を知れたのはとても興味深かったです。これは面白い伝記です。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(13)関係者以外立入禁止のバチカン市国内部を特別に見学!サン・ピエトロ大聖堂の貴重な裏側も!

バチカン市国といえば世界最小の国家として有名です。その中にはサン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館という言わずもがなの大建築がありますが、バチカン市国には国家としての機構も当然あります。銀行や郵便局、裁判所などなど様々な施設が領内に存在します。ただ、大聖堂や美術館以外のエリアは関係者以外は立ち入り禁止のため、それらを目にすることは一般観光客にはできません。

ですが、なんと!そこに私は入場できることになったのでした!

この記事ではそんな私の体験をお伝えします。普段見ることのできないバチカンの姿を皆さんにご紹介します。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(12)マデルノの聖セシリア像に感動!~サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂の傑作彫刻をご紹介

マデルノは天才か・・・!私はこの像の前で凍り付いてしまいました。何が私をここまで惹きつけるのかはわかりません。ですがただただこの像に釘付けになってしまいました。

ローマにはベルニーニやミケランジェロなどの優れた彫刻が数多あります。ですが今回のローマ滞在で私が最も衝撃を受けたのはこの『聖セシリアの殉教』でした。時間の都合上一回しかこの聖堂を訪れることができなかったのが心残りで仕方ありません。もう一度でいいからこの像を見たいと、この記事を書いている今も胸が苦しくなります。

あまりに素晴らしい作品です!ローマで最もおすすめしたい彫刻の筆頭です!

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(11)美しすぎるサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂を訪ねて~現存するローマ最古のバシリカ様式と聖母信仰

サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂は単なる古の歴史建造物としてではなく、今も生きた信仰の場として大切にされています。

私もここに足を踏み入れた瞬間驚きで一瞬息が止まってしまいました。こんなに美しい場所だとは想像もしていませんでした。整然とした列柱、聖堂内のシンプルな構造、さらに天井や柱の上の四角い装飾にいたるまで非常に美しいです。

この聖堂はテルミニ駅からかなり近いです。来ようと思えばアクセスは容易なのでローマ滞在の折にはぜひ訪れてみてほしい場所です。非常に素晴らしい聖堂なのは間違いありません。

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(10)サン・カリストのカタコンベを訪ねて~カタコンベの歴史と死と祈りの街としてのローマを考える

「ローマは死の思い出に満ち満ちている」 「実際、ローマは墓の都市だといっていいだろう。そしてキリスト教も「死の宗教」であり、「死への勝利の宗教」である。」 キリスト教の街ローマを考える上でやはり「墓」という存在は大きな意味を持ちます。 サン・ピエトロ大聖堂もそもそもの始まりは聖ペテロの墓です。 ローマという街は墓を中心として発展を続けてきた歴史があります。この記事ではそんな「墓の都市」ローマについて考えていきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(9)サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ聖堂~かつてキリスト教ローマの政治の中心だった巨大な教会を訪ねて

私たちはローマ・カトリックといえばバチカンのサン・ピエトロ大聖堂を思い浮かべてしまいますが、実は中世までローマ・カトリックの政治の中心はこのラテラノ大聖堂だったのでした。しかもここはローマで一番最初に建てられた大聖堂でもあります。

白を基調とした聖堂、柱から突き出てくる彫刻達。正面の中央祭壇や天井の茶色がかった色彩と基調色たる白とのコントラストが非常に美しく、私は一瞬でこの聖堂に惚れ込んでしまいました。

この教会は建築家ボッロミーニの天才ぶりを感じられる教会だと思います。ローマ観光の中心地からは少し離れていますが一見の価値がある素晴らしい教会です。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(6)パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを一望!サン・ピエトロ大聖堂の大理石はここからやって来た!?

私はこの旅に出る前、古代ローマの栄枯盛衰の物語にそれこそどっぷりはまってしまい、様々な本を読むことになりました。

カエサル、キケロー、ブルータス、アウグストゥス、アントニウス、クレオパトラ、セネカ、カリギュラ、ネロ、トラヤヌス、ハドリアヌス、マルクス・アウレリウス・・・歴史に名を残す錚々たる人物達がここに生きていたのだ。なんと浪漫溢れることだろう!

やはりローマに来たらフォロ・ロマーノは必須だ。ローマに来たならここに来なければならない。

2000年前の驚異の繁栄とその崩壊は歴史ファンでなくともそのスケールの大きさに圧倒されることでしょう。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(5)古代ローマの象徴コロッセオとゲーテ・アンデルセン~文人たちを魅了した浪漫溢れるその姿とは

ローマ観光の定番中の定番のコロッセオでありますが、やはりここは面白い。その巨大な姿による圧倒的な視覚効果はもちろん、歴史的な背景も非常に興味深いです。

現代でこそ発掘と保全が進み今のような姿となっていますが、実は19世紀後半までのコロッセオは草の生い茂る牧歌的な姿をしていました。

そして私はこの巨大なコロッセオを眺めながらゲーテの巨人ぶりに圧倒されるほかありませんでした。私はこのコロッセオでゲーテの偉大さを改めて思い知ることになりました。ゲーテ、ゲーテ、ゲーテ!やはりあなたは恐るべき超人だ!私はあなたにひれ伏すしかない。

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(4)ミケランジェロが設計したカンピドーリオ~フォロ・ロマーノを一望するローマの象徴的建造物

『「すべての道はローマに通じる」というのはあまりに有名な言葉だが、ローマのどこに通じるのかというと、それはこのカンピドーリオなのである』

漠然と知っていた言葉の背景を知れるのはやはり面白い。

そういう意味でも古代ローマを学ぶのであるならばまずはここからスタートすべきという石鍋真澄の言葉は非常に納得できるものがあります。

そして何と言ってもやはり注目したいのが、現在のカンピドーリオがミケランジェロの設計だという点です。この記事ではそんなカンピドーリオについて見ていきます。