産業革命

紅茶のふる里スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

鈴木睦子『スリランカ 紅茶のふる里』~セイロンティーの歴史や現在の農園生活や経営事情を知れるおすすめ本!

これまで現代スリランカに関しては内戦や民族対立の面から見ることが多かった私にとってこの本は一種の解毒剤のようなものとなりました。

様々な困難がありながらも少しずつ状況を良くしようと生きている人たちがいる。そしてその成果が少しずつ目に見えるようになってきたということが本書には記されています。

もちろん、これで万事解決、バラ色の未来が待っているというわけではありません。ですがそれでも希望はあるのだということをこの本で感じられました。

スリランカの紅茶についてももっと興味が湧くようになりました。現地で飲めるのがものすごく楽しみです。

パヴロフ産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 パヴロフ』「条件反射」やパヴロフの犬で有名なロシアの偉大な科学者のおすすめ伝記!

「条件反射」や「パブロフの犬」といえば現代の脳科学や神経の研究とも直結してくる内容です。ですのでもっと最近のものであったり、イギリスやドイツ辺りで研究されていたものとすっかり思い込んでいました。

それがまさか19世紀のロシアだったとは!

ドストエフスキーやトルストイが科学をほとんど感じさせない心理的、宗教的著作を描いていたまさにその時、パヴロフが科学的研究に勤しんでいた・・・

これはロシア文学のことだけを考えていると、正直なかなかイメージできないものがありました。そういう意味でこの伝記は当時のロシアを科学といういつもとは違った切り口から見ることができたありがたい作品でありました。

ベル産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 グラハム・ベル』~電話を発明した偉大な科学者のおすすめ伝記!

グラハム・ベルは1876年の電話機の発明で有名な発明家です。

なんと、ベルは1847年生まれということで、あのトーマス・エジソンと同い年です。

しかも二人は電信機の開発をめぐってバチバチのライバル関係でもありました。同い年の二人がアメリカでしのぎを削っていたのかと思うと歴史の面白さを感じました。

また、前回の記事ではエジソンが若き頃読書家だったということをお話ししましたが、やはりこのベルもそうでした。ベルもシェイクスピアを暗記するまで読み、そこからたくさんの本を読み漁ることになります。

エジソンもシェイクスピアを読んでいましたが、やはり欧米人にとってシェイクスピアがいかに巨大な存在だったかということを感じさせられます。

エジソン産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 エジソン』アメリカの天才発明家エジソンのおすすめ伝記!読書家エジソンの一面も

この作品は誰もがその名を知る発明家トーマス・エジソンの伝記になります。

エジソンは学校にほとんど通っていません。ですが彼は猛烈な読書家でディケンズやシェイクスピア、『レ・ミゼラブル』など様々な文学作品に親しみその想像力を耕していたのでありました。

この伝記ではそんなエジソンの波乱万丈の生涯を知ることができます。エジソンについては名前は知っていてもいざどんな時代に生きてどんな生涯を送ったかはほとんど知らなかったので、この本は非常に興味深いものがありました。

メンデル産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 メンデル』~メンデルの法則で有名なチェコ・ブルノの修道士メンデルのおすすめ伝記!

メンデルといえばエンドウマメの交配実験が有名ですよね。私もそんな「メンデルの法則」のイメージがあったものの、いざメンデルがどんな時代に生きてどのような生涯を送ったのかはほとんど何も知りませんでした。

この伝記を通してメンデルの生涯や当時の時代背景を知れたのはとても興味深かったです。これは面白い伝記です。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 コペルニクス』~地動説を唱えたコペルニクスの生涯を知るのにおすすめの伝記!

コペルニクスといえば「地動説」を唱えた人物として有名です。「コペルニクス的転回」という言葉があるほど世界の常識を覆した偉人中の偉人です。

ですがこの人物に関してはその名や地動説については知ってはいたものの、いざこの人物がどのような人物でどんな生涯を送っていたのかについてはほとんど知りませんでした。

そんな私にとってこの『オックスフォード 科学の肖像』シリーズの伝記は非常にありがたいものがありました。

そしてこの伝記の特徴として、偉人が生きた時代背景も大切にしているという点があります。

コンパクトな伝記ながら時代背景も見せてくれるのは非常にありがたかったです。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

近藤俊太郎『親鸞とマルクス主義 闘争・イデオロギー・普遍性 』~ 真宗教団とマルクス主義の関わりを知るのにおすすめの参考書

この本の中で「マルクス主義にも宗教的なところがあるのではないか」という指摘がなされるのですが、まさにこのことこそ当ブログでもずっと考え続けてきたことであります。

マルクス主義にも宗教的側面があるのではないかと私が考えていたことと、この本で語られていることがリンクしていくようで非常に興味深く読ませて頂きました。

私はどちらかというと真宗教団の研究からマルクスへ向かうのではなく、マルクスそのものやその思想背景、時代背景から宗教へと向かって行ったのでこの本のアプローチとはちょうど反対向きということになると思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

R・セイラー『行動経済学の逆襲』概要と感想~従来の経済学と行動経済学は何が違うのかを知るのにおすすめの作品

すべてを合理的に考え、数式によって経済を理解し、実際にそれを適用しようとしてもそううまくはいきません。もしそれが可能なら経済はもっとうまく回せるはずではないか。うまくいかないならばそもそも前提からして間違っていたのかもしれない。

ということで著者の長年の研究と行動経済学者のグループが辿った道のりを知ることができます。

これまで私がブログで更新してきましたマルクスについて考える上でも非常に興味深い視点を与えてくれました。これはありがたい作品でした。

インド思想と文化、歴史

サティシュ・クマール『君あり、故に我あり』~ジャイナ教の視点から見た共存共生の人生哲学とは

サティシュ・クマールの思想は世界を様々なつながりから見ていく広い視野が特徴です。これは読んで頂ければすぐにわかると思います。決して難しいことは書かれていません。むしろその読みやすさに驚くと思います。ですだだからといってその教えが浅くて軽いものだということは決してありません。その教えの深さに思わず頭が下がるほどになることは間違いありません。

これはものすごい名著です。ぜひおすすめしたい1冊です。