ローマ

ドストエフスキー論

ドリーニン編『スースロワの日記―ドストエフスキーの恋人』~ドストエフスキーのローマ滞在について知るためにも

私がこの本で注目したのはドストエフスキーのローマ滞在についてでした。

この旅で二人はパリ→バーデン・バーデン→ジュネーブ→トリノ→ジェノア→リヴォルノ→ローマ→ナポリ→リヴォルノ→トリノ→ベルリンを巡ります。

ドストエフスキーはこの旅の中でローマに立ち寄り、サンピエトロ大聖堂やコロッセオを見物しています。

ドストエフスキーがローマで何をしていたのか、スースロワとどんなやり取りをしていたのかもこの本で知ることができます。もちろん、限られた情報ではありますが貴重な情報であることに変わりはありません。

私にとってはローマとドストエフスキーを知る上で非常にありがたい1冊でした。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

南里空海 野町和嘉『ヴァチカン ローマ法王、祈りの時』~ヨハネ・パウロ2世やヴァチカンの貴重な写真が満載の一冊!

この作品では通常なかなか見ることも取材することもかなわない貴重なヴァチカンの写真を見ることができます。

私もヴァチカンについてはこれまで様々な本を読んできましたが、「祈りの時」に特化して儀式の最中の模様を取材しているこの本は非常に貴重なものだと思います。私にとってもこの作品はとてもありがたいものとなりました。

また、この作品ではヨハネ・パウロ二世の生涯についてもまとめられていて、彼がいかに突出した存在だったかがよくわかります。

解説もとてもわかりやすく、ヴァチカンやヨハネ・パウロ二世についての入門書としてもこの本は優れていると思います。

名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『コリオレイナス』あらすじと感想~古代ローマを舞台に民主主義の弱点とポピュリズムを描いた政治劇

この作品は紀元前519年頃に生まれた男の物語ですが、あまりに現代的すぎる問題を提起していることに驚愕するしかありません。

シェイクスピアはやはり化け物です。

この作品を読んで今を生きる私たち自身のことを思い浮かべない人はおそらくいないと思います。

ローマは知れば知るほど奥が深い。

そしてその中でもやはり思うのは「あれほどの繁栄を誇ったローマも、ついには滅びてしまったのだ」ということです。

シェイクスピア最後の悲劇作品はやはりとてつもない重みがありました。現代を生きる私たちにとってもこの作品は大きな意味を持つ作品だと思います。

名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』あらすじと感想~古代ローマを舞台にした初期の隠れた名作!『リア王』とのつながりも

『タイタス・アンドロニカス』はシェイクスピアの初期の作品です。つまり彼にとっての最初の古代ローマの劇が本作品になります。

主人公はタイトルにもなっている勇将タイタス・アンドロニカス。彼はローマのために命を懸けて戦い、忠実に国家に仕えてきた人物でした。

しかしお人よしのタイタスのある軽率な判断が全ての悲劇の始まりになります。

これまで地位も名誉もあった人間がよからぬ人間に権力を与えてしまったがゆえに起きる悲劇。

これはあの『リア王』を連想してしまいます。『リア王』もまさに娘たちの甘言を簡単に信じ込んでしまった老王の悲劇から始まりました。この作品は初期にして後期悲劇の片鱗が見える隠れた名作です

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

モンテーニュ『旅日記』~『エセー』で有名な16世紀フランス人思想家のイタリア紀行!16世紀末のローマを知れる貴重な文献

今の美しいバチカン周辺の街並みは実は17世紀に入ってからの都市改造、さらにはベルニーニの設計によるものが大きいです。ですのでそれ以前に訪れたモンテーニュは今では到底見ることのできない、かつてのバチカンを見ていたことになります。フォロ・ロマーノも現在のように発掘されず、野ざらし、いや、土に埋まったままの状態でした。

そんな私たちが思い浮かべるようなローマとはまったく違った世界を見たモンテーニュの貴重な言葉を聞けるのが本書になります。

ローマやバチカンのことを知るのに非常に興味深い内容が満載の素晴らしい作品でした。やはりモンテーニュ恐るべしです。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

アンデルセン『即興詩人』あらすじと感想~アンデルセンのイタリア旅行から生まれた出世作。森鴎外の翻訳でも有名

「デビュー作にはその作家のすべてがある」とよく言われますよね。

私は彼の童話を読んだ後にこの『即興詩人』を読んだわけですが、「あぁ、アンデルセンらしいな~!」と何度も唸ることになりました。それほどこの作品はアンデルセンの作家人生に大きな影響を与えています。

そしてこの『即興詩人』は何より、彼のイタリア紀行がもとになって生まれた作品です。「イタリア紀行」といえばゲーテの『イタリア紀行』が有名ですが、まさにアンデルセンもこの永遠の都ローマやフィレンツェなどから多大なインスピレーションを受けていたのでした。

ローマやイタリアの魅力がこれでもかと詰まったおすすめの作品です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

『地球の歩き方ローマ2018~19』~驚きの網羅ぶり!あまりの満足感に紹介せずにはいられない!

私はこの『ローマ』版を買う前にすでに『イタリア』版を買っていました。

ですがローマを学べば学ぶほど行きたい場所が増えてきました。しかもベルニーニや文学ゆかりの地となるとかなりマニアックな場所も出てきます。そうなると『イタリア』版では対応しきれません。

そこで改めて『ローマ』版を買って見てみるとそれらマニアックな場所もばっちり収録されているではありませんか!

地図もしっかり細かい所まで掲載されていますし、解説も充実しています。これは素晴らしい!

私はこれまで当ブログで様々な本を紹介してきましたが、まさか『地球の歩き方』を紹介する日が来ようとは!(笑)

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

石鍋真澄『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』~美術、歴史、宗教、全てを網羅した最強のローマガイドブック!

この本は最高です!

ローマの魅力を堪能するのにこれほど優れた作品は存在しないのではないでしょうか!それほど素晴らしい作品です。

「本書によってローマの魅力を会得した読者は、熱い旅心を呼び覚まされるにちがいない。」

まさにこれです!この本を読むとものすごくローマに行きたくなります!

この本は終始わくわくする名解説を楽しむことができます。

その深さ、広さには驚くしかありません。漠然と見えていたローマの景色が変わること請け合いです。

最強のローマガイドブック、ここに極まりたり!!

ぜひぜひおすすめしたい逸品です!

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

石鍋真澄『サン・ピエトロ大聖堂』~美の殿堂の歴史とその魅力をもっと知るためにおすすめの参考書

サン・ピエトロ大聖堂はその歴史を知らずとも圧倒される驚異の建築です。

ですがその歴史や観るべきポイントを知ることでその魅力をもっと味わうことができます。

私も2019年に訪れた時はただただそのスケールと美しさに圧倒され、じっくり味わうどころではありませんでした。予習する時間もなかなか取れず、帰国してから「もっと予習してから行きたかったな」と悔いが残ったものでした。

ですので次に行くときはしっかり勉強してから向かおうと心に決めたのでした。

そんな私にとって最高の参考書となったのがこの作品でした。

ものすごく面白い作品です。ぜひおすすめしたい一冊です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

トマス・ア・ケンピス『キリストにならいて』~修道士の精神生活に巨大な影響!驚きの力強さ!ベルニーニも愛読した作品

世界中で聖書についで最もよく読まれた書物とされるのが本書です。

「おこないなさい、今おこなうのだ」

「その機会をもってるうちに、滅びない富を積み上げなさい。」

なんと力強い言葉でしょうか・・・!私はこの言葉を読んで鳥肌が立ちました。

この作品の持つ力強さには衝撃しかありません。この本がこれだけ世界に影響を与えたのもわかる気がします。ここまで力強さを感じる本はなかなかありません。

ベルニーニとのつながりから読んだこの作品でしたが素晴らしい読書になりました。僧侶としても非常に刺激を受けた作品でした。