ソ連

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(59)マルクス『ゴータ綱領批判』概要と宿敵ラッサールとの対決

マルクス・エンゲルスの強敵はバクーニンだけではありませんでした。

バクーニンは「マルクスの共産主義が独裁的な国家権威主義になることを見抜いていた」非常に危険な存在で、マルクス・エンゲルスが利用しようとしていたインターナショナルを消滅させた難敵でした。

今回紹介するラッサールもそれに劣らず彼らにとって厄介な敵なのでありました。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『イワンのばかとそのふたりの兄弟』あらすじと感想~戦争反対、非暴力を素朴な民話に託して語るトルストイ

一般的には『イワンのばか』という名で有名なトルストイのこの作品ですが、正式には『イワンのばかとそのふたりの兄弟』が正式な名前となっています。

この作品にはトルストイ思想がこれでもかと詰まっています。しかもそれが素朴に、わかりやすく表現されています。非常に読みやすい作品です。

ロシアによるウクライナ侵攻で揺れる今だからこそ重要な作品だと思います。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『わが信仰はいずれにありや』概要と感想~トルストイの真理探究とその結末にニーチェを感じる

私はトルストイのこの作品を読み始めてすぐ、うっすらとではありますがニーチェ的なものを感じました。

そしてそのうっすらとした予感は確信へと変わることなります。

トルストイはこの作品で教会を批判し、自身の信仰、思想を開陳していきます。

私はそれらトルストイの言葉に、自らの理性によって真理を掴み、それにより自己完成を目ざさんとするニーチェ的な感性を感じたのでありました。

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(58)マルクスの共産主義が独裁的な国家権威主義になることを見抜いていたバクーニン

マルクス・エンゲルスの最強のライバル、バクーニン。

彼が単に人を惹きつけるだけの存在だったら、マルクス・エンゲルスの政治力にかかれば簡単に失脚させることはできたでしょう。敵をこき下ろし、誹謗中傷、政治的策略を使って孤立させることなど、これまで何度となくやってきたことです。

しかし、真の脅威はバクーニンがマルクス・エンゲルスの思想における決定的な弱点を見抜いていたことにありました。バクーニンは彼らの思想の行く先を正確に見抜いていたのです。その鋭さたるや驚愕するしかありません。

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(57)マルクスの娘婿で『怠ける権利』の著者ポール・ラファルグと資産家エンゲルスの奇妙な関係とは

マルクスの娘婿ポール・ラファルグ。

彼は『怠ける権利』という本を執筆し、その作品で労働を拒絶し、高貴で神聖な怠ける権利を主張しています。そしてこの本はマルクス主義者に大きな影響を与えたことでも知られていますが、そのラファルグ本人がどのような生活をしていたかをこの記事では見ていきます。

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トルストイ『人はなんで生きるか』あらすじと感想~素朴な人間愛が込められたトルストイ民話の代表作

トルストイはこの作品で「人はなんで生きるか」を探究していきます。

そしてその大きな柱となるのが「愛」です。

この作品は民話を題材にしていることもあり、非常に素朴です。ですがこれがとにかく味わい深い!

この作品は「民衆自身の言葉で、民衆自身の表現で、単純に、簡素に、わかり易くをモットーに努力した」というトルストイの渾身の一作です。まさにその通りの作品となっています。

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トルストイ『要約福音書』概要と感想~福音書から奇跡を排したトルストイ流の聖書理解とは

この作品は聖書に書かれているイエスの生涯をトルストイ流に再構成したものになります。

この作品の特徴は何と言っても「キリストの言説と伝えられるものであっても、近代人にとって不合理と認められ、抵抗を感じさせるような奇蹟や神秘の部分は除去されて」いる点にあります。

この作品ではイエスが病人を治したり、水の上に浮かんだり、死者を蘇らせたりというエピソードがカットされています。キリスト教にとって最も重要な教義のひとつである「イエスの復活」ですらカットする徹底ぶりです。

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(56)経営者を引退したエンゲルス、今度は証券投資家に。矛盾は続く・・・

エンゲルスは経営者を引退した手切れ金を、持ち前のビジネス感覚を利用してさらに増やしていました。 彼は今度は証券取引人として莫大な利益を得ることになったのです。 つまり「矛盾は、工場を辞めた最後の日で終わったわけではなかった」のです。ブルジョワを激しく非難しながらそのブルジョワそのものであるエンゲルス。 エンゲルスはこの矛盾に対してどのように考えていたのでしょうか。彼はこのことに対し驚くべき言葉を語ることになります

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(55)ロンドンでの政治活動で大活躍のエンゲルス~リージェンツ・パーク・ロードの大ラマ僧

エンゲルスの優秀さについてはこれまでもお話ししましたが、マンチェスターでの家業を辞めてロンドンに来てからはその力がさらに遺憾なく発揮されていたのでありました。

エンゲルスは自邸の書斎を拠点に今やヨーロッパ中の社会主義者の動向に目を向け、動かすようになっていたのでした。

やはりエンゲルスの実務能力はずば抜けています。

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(54)1869年、会社を辞めるエンゲルス~長年望んでいた搾取者の立場からの解放

エンゲルスはおよそ20年勤めたマンチェスターの父の会社を1869年に辞めることになります。

最初は通信員として就職したエンゲルスですがすでに父も亡くなり、今や彼はエルメン&エンゲルス商会の共同経営者の地位にありました。

いよいよ自由の身になったエンゲルス。

彼はマルクスの近くに住み、政治活動をするためにロンドンへと旅立ったのでありました。

エンゲルスの再出発です。彼の活躍はここからいよいよ大きくなっていくのでした。