エンゲルス

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

松永俊男『チャールズ・ダーウィンの生涯 進化論を生んだジェントルマンの世界』~ダーウィンの生涯とマルサス・マルクスの関係とは

ダーウィンと『種の起源』という名は誰もが知っています。

しかし彼がどんな生涯を歩み、どんな時代を生きていたかということはほとんど知られていないのではないでしょうか。かく言う私もその一人でした。

この本はものすごく面白いです。ぜひとも知られざるダーウィンの姿を目の当たりにしてください。

ダーウィンその人や『種の起源』、そしてヴィクトリア朝イギリスの文化を知る上でもこの本は非常におすすめです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ダーウィン『種の起源』概要と感想~世界の思想・世界観を一変させた「進化論」。マルクスとの関係も

この作品は科学的な本なので当然と言えば当然なのですが、物語的な、読者を惹き込むような語りはほとんどありません。とにかく淡々と言葉が並べられていくのみです。

ですがこうした淡々とした難解な文章の中に時折現れる「自然淘汰」「闘争」「進化」「自然選択」という強力な言葉たち。

これらの言葉たちがこの膨大で難解な書物の「要約」として独り歩きしていくことになります。

私にとって、この本が世界を席巻した理由に思いを馳せながら読んでいくのは非常に興味深い体験となりました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ジャック・バーザン『ダーウィン,マルクス,ヴァーグナー 知的遺産の批判』~なぜ彼らは世界を席巻したのか!その秘密に迫る名著!

この本は「ダーヴィンとマルクスがなぜこんなにも世界を席巻したのか」という、私が最も知りたかったことを解説してくれる刺激的な作品でした!これは面白いです!

この作品については以前マルクスの『資本論』を読んだ際にも参考にしました。

『資本論』はあまりに難解で膨大な作品ですが、「その理解不能さが逆に世の中から聖書のように扱われる大きな理由となった」という著者の説は非常に興味深いものがありました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『賃労働と資本』概要と感想~マルクスの代名詞「剰余価値」とは。『資本論』の入門書として評価される作品

たしかにこの作品を読んでいて「なるほどなぁ」と思う点もありますし、いかにして搾取が行われているかわかりやすい流れで書かれています。

しかし、それが本当に正しい理論なのかというと、それはかなり厳密に検証していかなければならないものだと思います。

簡単に矛盾を指摘できたりするようなやわな理論だったらここまで世界に影響を与えることなどできなかったでしょう。やはりマルクスの理論は難しい。ですがそれにも関わらず人を動かす圧倒的な煽動力がある。ここにマルクス思想の強さがあるように感じました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』~ナポレオン3世のクーデターをマルクスが分析

この作品では『資本論』を書いた巨大な思想家マルクスではなく、ジャーナリストマルクスを知ることができます。

1851年12月のクーデターはいかにして起こったのか、そこにどのような裏事情があったのかということを1848年から遡ってマルクスは論じていきます。

社会の流れを読み取り、それを徹底的に分析し、活字にして発表する。

そうしたジャーナリストとしてのマルクスがあったからこそ、後の『資本論』が書き上げられたのだなということを感じました。

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マルクス・エンゲルス『共産党宣言』概要と感想~万国のプロレタリア団結せよ!マルクス主義のバイブルとは

マルクスがこの本を書き上げたのは30歳の時。あの『資本論』が出版されたのはここからさらに19年後の話です。

マルクスはすでに20代の頃から反体制派のジャーナリストとして亡命生活を送っていましたが世界的に有名というわけではありませんでした。

ですがそんなマルクスが書いたこの作品が「宗教の書物を除けば、現代までもっとも読まれた書物」となり、「この一世紀の間、世界の数億人が読み、そしてかなりのものにとって暗記してしまうほどの書物」となったのはまさに驚くべきことだと言えましょう。

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マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』~唯物論的歴史観誕生の書として知られる未刊の1冊

『ドイツ・イデオロギー』は彼らの存命中には出版されず、1932年になって初めて日の目を見た作品でした。
この本を読んだことで彼らの思想を理解できたかといいますと、正直厳しいものがあります。

ですが、その厳しさを体感できたことが今回の収穫だったように思えます。マルクス・エンゲルスの難解さのひとつが「そもそも文意・文脈がつかめないという欠陥」によるものだということを知れたこと、そして原稿のすさまじさも見ることができたのはありがたかったです。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルサス『人口論』概要と感想~リカード、マルクスにも大きな影響を与えたマルサスの人口論とは

リカードの作品を読んだ後だとマルサスの文章は非常に優しく感じられます。想像していたよりもはるかに読みやすくまとめられている本だなというのが私の感想でした。

有名な「マルサスの法則」の出典を読むことができたのは私にとってもありがたい経験となりました。こうした経済学の作品をマルクスやエンゲルスは必死になって勉強していたんだなと思うと私も身が引き締まる思いになりました。

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リカードウ『経済学および課税の原理』アダム・スミスの後継者~マルクスに大きな影響!

当たり前のことではありますが、マルクスも無から『資本論』をはじめとした経済理論を生み出したわけではありません。マルクスは鬼のような勉強家です。マルクスはこうしてアダム・スミスやリカードウの著作を読み耽り、自らの説を構築していったのでありました。

そうしたマルクスの側面を知る上でもこの本を読めたのは大きな意味があったなと思います。

私自身はこの本が難しすぎて完全にお手上げでしたがウルリケ・ヘルマンの解説によってこの本の大きな意味を知ることができました。

この本は解説と一緒に読むことをお勧めします。

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アダム・スミス『国富論』概要と感想~「見えざる手」で有名な古典経済論。資本主義の暴走はこの本のせい?

この本が書かれたのはマルクスが『資本論』を書くおよそ90年前です。マルクスは当然アダム・スミスの著作も読んでいました。

マルクスといえば資本における独自な理論や「剰余価値」などの有名な言葉を生み出したというイメージがありましたが、それらは彼が突然「歴史上誰も考えたこともない新説」を思いついたわけではなく、こうした経済学の歴史の流れで彼が到達した考えなのだなということを知ることができました。