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ハーレムでの街歩き~ハーレムにおける白人と黒人の歴史を学ぶ アメリカ編④

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ハーレムの黒人教会での衝撃~ゴスペルと牧師さんの説法⑴ 僧侶上田隆弘の世界一周記―アメリカ編④

6月2日、ぼくはベルトラさんの「ゴスペル鑑賞ツアー ゴスペルに精通したハーレム在住日本人コーディネイターがご案内!選べる日曜礼拝とARC薬物中毒厚生施設<水曜日または日曜日> 」という現地ツアーを利用してハーレムの黒人教会で毎週行われている日曜礼拝を見学することにした。

このツアーの見どころは何と言っても本場のゴスペルを聴けること。

日本で生活しているとゴスペルと接することはなかなかない。

ましてや教会における宗教の営みとしてのゴスペルとなるといよいよそこに関わることはなくなってしまうだろう。

ニューヨークの黒人教会における信仰の姿を学ぶためにもこのツアーはぼくにとってとても楽しみなものであった。

ハーレムの街中に到着。

ハーレムはマンハッタンの北部のエリアに位置する。

ハーレムにはアポロシアターという有名な劇場がある。

ここはマイケルジャクソンやスティービーワンダー等、世界に名だたるアーティストを多数輩出してきた劇場だ。

近年では日本人ダンサーTAKAHIROさんがここで行われるアマチュアナイトというスターへの登竜門たるコンテストで優勝。

日本でもニュースとなったのが記憶にも新しい。

そしてハーレムといえば画家フランコ氏によるシャッターアートでも有名だ。

ハーレムはもともと白人の高級別荘地として作られた街。

しかし奴隷解放後、自由を求めた黒人たちが売れ残った家に住み着き、それに伴って白人がハーレムを出ていくことになる。

そして1968年のキング牧師暗殺以降、アメリカ全土で暴動が発生し、黒人の街たるハーレムも危険な街となってしまった。

店も閉まり、白人たちはそれ以来ここに寄り付かなくなってゆく。

そんなハーレムの様相が変わりだしたのはクリントンがここハーレムにオフィスビルを建ててから。

それ以来ショッピングモールが出来上がったり、治安も少しずつ少しずつよくなり始め、人の流れが戻りだしたのだ。

シャッターアートが描かれ脚光を浴び始めるのはちょうどその時代、すなわち1978年以降の出来事なのだ。

フランコ氏はそんなハーレムの暗黒時代から、少しでも街に明るさと活気をという願いを込めてシャッターに一人で絵を描き始める。

いつしかその作品は200を超えるほどになり、アメリカ中、いや世界中で知られる存在となっていったのだ。

ハーレムはかつて治安の悪化した危険地帯ではあったものの、現在は観光客が訪れることができるほど治安は回復した。

そのため現在ではフランコ氏のシャッターアートを観に世界中から観光客がここを訪れているのだ。

今回の記事ではハーレムの歴史について深くはお話しできないが、アメリカに根強く残る黒人と白人の問題をここでは鮮烈に感じることができた。

次の記事ではいよいよ黒人教会での衝撃的な体験についてお話ししていく。

続く

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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