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『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』あらすじと感想~宮崎駿も影響を受けた大作家のおすすめ入門書

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『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』~宮崎駿も影響を受けた大作家のおすすめ入門書

今回ご紹介するのは2018年に集英社より発行された、池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大髙保二郎、宮崎駿著、高志の国文学館編『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』です。

早速この本について見ていきましょう。

南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。

Amazon商品紹介ページより
堀田善衞 ほったよしえ [1918~1998] 復刊記念特別WEBサイト堀田善衞「時代と人間」より

私がこの本を手に取ったのは前回の記事で紹介した堀田善衞著『インドで考えたこと』がきっかけでした。

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この本があまりに面白く、私はすっかり堀田善衞に夢中になってしまったのでありました。「堀田善衞のことをもっと知りたい!」、そう思った私が何かいい入門書、解説書はないかと探し始めたところ出会ったのがこの本でした。

著者の一人にはあの宮崎駿さんもおられます。宮崎駿さんは堀田善衞について次のように述べています。

お前の映画は何に影響されたのかと言われたら、堀田善衞と答えるしかありません。もちろん手塚治虫さんとか、いろいろな人の影響を受けていますが、一番芯になっているものは、やはり堀田善衛なのです。

集英社、池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大髙保二郎、宮崎駿著、高志の国文学館編『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』P161

あの宮崎駿さんにここまで言わしめた堀田善衞という作家は何者なのか、その魅力、すごさはどこにあるかがこの本では語られます。

この本の5人の著者は錚々たるメンバーです。その中でも鹿島茂先生は当ブログでも何度も紹介してきました。

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この本でも鹿島節は全開で堀田善衞の魅力、面白さがこれでもかと伝わってきます。

もちろん、どの章もそれぞれの執筆者の目線から堀田善衞が語られていてとても面白いです。この本を読めば堀田善衞作品を読みたくて仕方なくなります。

私はこの本を読んだ段階ではまだ『インドで考えたこと』しか読んでいませんでしたが、そんな私でも楽しく読み進めることができました。この本は堀田善衞作品に親しんだ人だけでなく、むしろ読んだことがない人にこそ読んでほしい作品と言えると思います。日本にこんな素晴らしい作家がいたのかと驚くこと間違いなしです!

『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』というタイトル通り、混迷を極める世界に私たちはどう生きるのかを問うてきます。とてつもなくスケールの大きな作家がここにいたのです!これは私も読まずにはいられません!私もこれから堀田善衞作品を読んでいきたいと心の底から思いました。

この本はそんな堀田善衞について知れるおすすめの入門書です。ぜひぜひおすすめしたい作品です!

以上、「『堀田善衞を読む 世界を知りぬくための羅針盤』~宮崎駿も影響を受けた大作家のおすすめ入門書」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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