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シェイクスピアの傑作恋愛悲劇『ロミオとジュリエット』あらすじ解説
ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)Wikipediaより
『ロミオとジュリエット』はシェイクスピアによって書かれた作品で1595年頃に成立したと言われています。
私が読んだのは新潮社、中野好夫訳の『ロミオとジュリエット』です。
早速あらすじを見ていきましょう。
永遠の愛のバイブル。天才劇作家が描く、世界一有名な恋愛劇。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びこんだが、この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった。仇敵同士の両家に生れた二人が宿命的な出会いをし、月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、現代でもなお広く翻訳翻案が行われている。世界恋愛悲劇の代表的傑作。
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『ロミオとジュリエット』といえば「ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」というあの名セリフを思い浮かべるのではないでしょうか。
私はといいますと、不思議なことに何のCMだったかは忘れてしまったのですがバルコニーで「ローミオー!」、「ジューリエーット!」と互いに呼び合っているCMが妙に頭の中に残っています。あれは一体何だったのでしょうか。
とにかく、あらすじにもありましたようにバルコニーで2人が交わす愛の言葉は世界中で最も有名なシーンの一つと言えるのではないでしょうか。
この物語は対立するモンタギュー家の一人息子ロミオとキャピュレット家のジュリエットの恋の物語です。
モンタギュー家とキャピュレット家はとにかく犬猿の仲。特に若い衆たちは血の気が荒くいつ衝突してもおかしくない状況でした。
こうした背景があるからこそジュリエットから「なぜあなたはロミオなの?」という名言が生まれてくるのです。ロミオはモンタギュー家の跡取り。一番愛してはいけないはずの人間です。だからこそ「もしあなたがモンタギュー家のロミオでなかったら!」と嘆かずにはいられないのです。
せっかくですのでその時のジュリエットのセリフを見ていきましょう。
ああ、ロミオ様、ロミオ様!なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは?
あなたのお父様をお父様でないといい、あなたの家名をお捨てになって!
それとも、それがおいやなら、せめては私を愛すると、宣言していただきたいの。
さすれば、私も今を限りキャピュレットの名を捨ててみますわ。
新潮社、中野好夫訳『ロミオとジュリエット』P74-75
お気づきの方もおられると思いますが、この訳では「ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」というフレーズではありません。訳者によってシェイクスピア作品はかなり日本語訳が変わってきます。
ですがこのジュリエットの嘆きの意味は伝わるのではないかと思います。
恋は障害があればあるほど燃え上がります。二人の生まれの違い、越えられぬ壁は恋愛劇の王道中の王道です。ど真ん中のストレートです。
『ロミオとジュリエット』はそんな恋愛劇の王道を味わうことができるすばらしい作品です。
感想
この作品はロミオとジュリエットの悲恋が語られる作品です。
禁じられた恋に燃え、バルコニーでロマンチックな出会いをした二人は駆け落ちし、誰も知らないところで二人で暮らしていくつもりが運命のいたずらで思わぬすれ違いが生じ、悲劇的な結末を迎えます。
こうしたあらすじやテレビや映画のイメージから考えると、ロミオとジュリエットの恋は誰しもが憧れる熱い恋ですよね。
ですがこの作品を実際に読んでみると、いきなり突っ込みたくなるような話が出てきます。
なんと、この物語のはじめにロミオは別の女性に首ったけになっていたのです。
つれないその女性に恋い焦がれすぎるあまり彼はひどい憂鬱症にかかっていたのです。そんな彼を見かねた友人たちが気晴らしに舞踏会に連れ出そうとします。
そしてしぶしぶやって来た舞踏会で彼はジュリエットに一目惚れしてしまうのです。それも、猛烈に。
これまで恋の病に苦しめられてきたあの女性のことなどすっかり忘れて彼はジュリエットに恋してしまうのでした。
ロミオよ、それはいくらなんでも移り気すぎはしないだろうか!
そんな思いが私の中に浮かんできましたがそこはシェイクスピア。力技です。恋は突然やって来るもの。物語が面白ければそれはそれでいいのです。
そしてジュリエットに一目惚れしたロミオでしたが、彼にとってはラッキーなことに、かのジュリエットの方もロミオに一目惚れしてしまったのです。彼女もこれまで感じたことのないような熱い思いをロミオに感じることになります。
そんな溢れるような恋の味を知ったジュリエットがバルコニーで一人思いの丈を漏らしていたのがあの有名な「ロミオよ、どうしてあなたはロミオなの」という名セリフだったのです。
そしてこのセリフが述べられたちょうどその時、まさにそのロミオがバルコニーの下にいたわけなのです。彼は舞踏会で出会ったジュリエットのことが頭から離れず、こっそり彼女の屋敷に忍び込み、彼女の部屋の下までやって来ていたのです。そして彼は彼女の独り言ではありますが愛の告白を盗み聞きすることになったのです。
彼女の熱い告白を盗み聞きして居ても立ってもいられなくなったロミオは姿を現し、そこから2人はめでたく愛の約束を交わすという流れです。
いやはや、展開の早いこと何のといったところでしょうか。
ですがこの展開のスピード感が観ている方からしたら面白いのかもしれません。
『ロミオとジュリエット』は悲劇的な純愛のドラマというイメージがかなり根強くありましたが、ロミオが実はその直前まで他の女性を狂うほど熱愛していたという事実はなかなかに衝撃的でした。読んでみてびっくりでした。
そういう発見があるという意味でもこの作品を読んでみるのはとても面白いです。もちろん、恋愛悲劇という本筋もさすがはシェイクスピア。傑作と言われるだけあります。物語の展開に引き込まれ、ぐいぐい読まされてしまいます。
シェイクスピアの中でも随一の知名度を誇る『ロミオとジュリエット』、とてもおすすめな作品です。
以上、「シェイクスピア『ロミオとジュリエット』あらすじと感想~圧倒的スピード感で進展する恋!恋愛劇の王道!」でした。
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