キリスト教

光の画家フェルメールと科学革命

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

ロシアの巨人トルストイ

V・ベリゼ『ジョージアの歴史建築 カフカースのキリスト教建築美術』~ジョージア観光の予習におすすめ!

この作品はジョージアの独特な教会建築を余すことなく解説してくれる非常に貴重なガイドブックとなっています。

日本ではジョージアの教会についてはほとんど知られていませんが、その独特な構造や美しさは写真を見ただけでもどきっとするほどです。

そしてこの本では教会建築の解説だけではなく、教会を巡るための旅のガイドまで掲載してくれています。

これは貴重な1冊です。

光の画家フェルメールと科学革命

マイケル・ホワイト『ガリレオ・ガリレイ 伝記 世界を変えた人々17』~天体望遠鏡を用い地動説を唱えたことで宗教裁判にかけられた偉大な科学者のおすすめ伝記!

イタリアのピサ生まれの科学者、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)。1564年というのはあのシェイクスピアが生まれた年でもあります。同じ年に世界を変えた天才が生まれているというのはなんとも感慨深いですよね。

さて、この伝記ではそんなガリレオの生涯と偉業がわかりやすく物語られます。写真や絵もたくさん掲載されていて非常に読みやすく、ドラマチックな語りでぐいぐい引き込まれてしまいます。これは素晴らしい伝記です。

光の画家フェルメールと科学革命

ポール・ド・クライフ『微生物の狩人』あらすじと感想~顕微鏡と微生物の発見で有名なレーウェンフックの驚異の生涯とは―目に見えない世界の発見と衝撃

レーウェンフックの顕微鏡と微生物の発見はとてつもない衝撃をキリスト教世界に与えました。

この本ではそんな微生物、細菌の研究に全てを捧げた男たちの物語が語られます。彼らの研究ぶりはもはや狂気の域です。著者のドラマチックな語りが臨場感たっぷりで非常に面白いです。狂気と言ってもいい彼らの鬼のような研究っぷりには驚くしかありません。すばらしい作品です!

光の画家フェルメールと科学革命

『中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代』概要と感想~時代背景と歴史も学べるおすすめ解説書!

この本では様々な観点からフェルメールの生きた時代を見ていきます。

そしてフェルメールの絵だけでなく、ほかの画家による絵も参考にしていくところも特徴的です。

絵の解説に加えて時代背景や当時の出来事が語られていくのですが、面白くてあっという間に読み終わってしまいました。これは素晴らしい本です。読みやすさも抜群です。

ぜひぜひおすすめしたい作品です!フェルメール入門にもうってつけな作品となっています。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(17)空想的社会主義者フーリエの思想とは~ファランジュやユートピアで有名なフランス人思想家

エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。

そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。

前回の記事ではサン・シモンを紹介しましたが、今回の記事ではシャルル・フーリエという人物についてお話ししていきます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(13)カール・マルクスの出生とドイツ・トリーアのマルクス家

1818年、弁護士ハインリヒの子としてカール・マルクスは誕生しました。

マルクスが生まれたトリーアという町は、古代ローマの遺跡が残る古都です。

そしてこの記事で詳しく見ていきますが、エンゲルスと同じく、マルクスも裕福な家に生まれていて、彼は幼い頃より家族に大切に育てられていました。

また、マルクス家がユダヤ教のラビ(指導者)の家系だったという驚きの事実も見ていきます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(9)エンゲルス、兵役志願を利用しベルリン大学へ~ヘーゲル研究とバクーニン、キルケゴールとの出会い

エンゲルスはベルリンで兵役を務めながらもこっそり抜け出して、学問の中心ベルリン大学へと通っていました。

そして彼がそこまでして通い詰めたベルリン大学というのが、当時、ものすごい場所だったのです。

なんと、そこにはあのキルケゴールやバクーニンがいて、エンゲルスは彼らと机を並べてヘーゲルを学んでいたというのです。しかもこの数年前にはこの大学でマルクスとツルゲーネフも学んでいます。恐るべし、ベルリン大学。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(8)シュトラウスからヘーゲルへ~なぜヘーゲル思想は青年たちの心を捉えたのか

無神論というと、何も信じていないかのように思われがちですが実は違うパターンもあります。

この記事で語られるように、無神論とは何も信じないことではなく、従来のキリスト教の信仰を否定し、新たな信条に身を捧げることでもありました。

当時、キリスト教の世界観を否定し、ヘーゲル思想に傾倒していった若者はたくさんいました。そのひとりがエンゲルスであり、マルクスでもありました。

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

栗生沢猛夫『タタールのくびき ロシア史におけるモンゴル支配の研究』~ロシアとアジアのつながりを知るのにおすすめ参考書!

「タタール人支配をロシア人はどのように受け止めてきたのか」、これは今の問題にも繋がります。

この本を読んだことで「歴史はどのように紡がれていくのか」ということを考えさせられました。歴史は「今生きている人によって作られるものだ」ということをつくづく感じました。歴史は過去ではなく、まさに今の問題なのだと。「歴史観」の問題なのだと・・・