バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』~蜷川幸雄が座右の書とした名著!
蜷川さんの人生やその言葉を通して私も今たくさんのことを学ばせて頂いています。その蜷川さんが「座右の書」と呼ぶバフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』。これがどんな本なのかやはり気になります!そして実際に読みながら感じたことをある意味率直に書いてみたのが今回の記事です。率直過ぎたかもしれませんがどうかご容赦ください。
蜷川さんの人生やその言葉を通して私も今たくさんのことを学ばせて頂いています。その蜷川さんが「座右の書」と呼ぶバフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』。これがどんな本なのかやはり気になります!そして実際に読みながら感じたことをある意味率直に書いてみたのが今回の記事です。率直過ぎたかもしれませんがどうかご容赦ください。
この本はメディアに関心のある方、そして「ものづくり」に携わる方には特におすすめしたい名著です。そして人を大切にしない会社システム、組織の在り方についてもその根源を学べる作品です。また阿武野さんと多くの仕事を共にした樹木希林さんについてもたくさんのことが書かれていて、その巨大な人間的魅力も知ることができます。
私も今「ものづくり」をしています。そんな私にとってメディアという「表現の世界」で真摯に、そしてストイックに「ものづくり」に打ち込んでいる方の声を聴けたのは本当にありがたい体験となりました。
私がこの本を手に取ったのは蜷川さんの演出の代名詞である色彩豊かで派手な舞台演出を見てみたいからでありました。その色彩豊かな舞台と役者さんのエネルギー溢れる姿。それを映像だけでなく写真で見てみたい。「そこしかない完璧な一瞬」を切り取るのが写真の素晴らしさです。蜷川さんの色彩豊かでパワフルな舞台をプロが魂を込めて写真に収めたらどのようなものが出来上がるのか、これに興味があったのです。
そしてそれは大正解。この本は演劇というものをまた違った視点から見ることができました。
「とんぼの本」シリーズは写真やイラストが満載でガイドブックとして非常にありがたいです。本作『蜷川幸雄の仕事』もまさにその長所が生きた作品となっています。
『蜷川幸雄の仕事』というタイトル通り、この本では蜷川さんの仕事を多くの写真と共に見ていけるのでその流れがとてもわかりやすいです。
コンパクトにまとめられた「とんぼの本」シリーズのいいところがぎゅぎゅっと凝縮された素晴らしい一冊です。
この本は蜷川幸雄さんが演出したシェイクスピア作品を解説と共に見ていく作品です。
作品ごとのエピソードもとても興味深く、実際にその舞台を観たくなってきます。演劇制作の奥深さやシェイクスピア作品の面白さをこの本では知ることができます。
私も今DVDで蜷川さん演出のシェイクスピアを少しずつ観ています。ものすごく面白いです。生で観てみたかったなあと心の底から思います。
そんな蜷川さんのシェイクスピアを概観できるありがたい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
「演劇に詳しい人、親しんでいる人をメインターゲットにした「身体論」ではなく、演劇をふだんあまり見ない人にも蜷川さんの演劇がいかに日本人や時代を捉えているか読んでいただきたい」
本書でこう述べられるように、専門家が語る哲学論ではなく、普段演劇に親しまない方にも気軽に読めるようにとの思いでこの本は作られています。
たしかにこの本を読んでみても、難しい専門用語や哲学議論は出てきません。ひとつひとつの話が身近かつ具体的でとてもわかりやすいです。
蜷川さんから見た私達現代人はどんな存在なのか、興味深いお話満載です
彩の国シェイクスピア・シリーズは元々、蜷川幸雄さんが舞台演出を務めていました。そして現在、その役を吉田鋼太郎さんが引き継いで上演を続けています。
私は去年見た『ヘンリー八世』に引き続き、このシェイクスピア・シリーズに大感動してしまいました。「こんな素晴らしい舞台を作っている人たちはなんとすごいのだろう!もっともっと舞台について知りたい!」と私は思ったのでありました。
そんな私にとってこのシェイクスピア・シリーズを導いてきた蜷川さんの仕事ぶりを知れるこの作品は最高の逸品でした。
この本はシェイクスピア作品の演出を数多く手掛けた蜷川幸雄の伝記です。前回の記事で紹介した『千のナイフ、千の目』では蜷川さんの若き日が自伝的に語られていましたが、この作品ではその生涯全体を知ることができます。
私はシェイクスピアの演出から蜷川幸雄さんに興味を持ったのですが、そのシェイクスピア演出についてもたくさん語られており私も大満足でした。
また、若手を育てようという蜷川さんの熱意。そして藤原竜也さんがいかに規格外の役者だったのかも知ることになりました。
ものすごく面白い本です。ぜひぜひおすすめしたい作品です。『演出術』と合わせて手に取ってみてはいかがでしょうか。
私がこの作品を手に取ったのは現在公演されている彩の国シェイクスピア・シリーズ、『ジョン王』がきっかけでした。
蜷川幸雄さんが2016年に亡くなられた後、芸術監督を引き継いだのが吉田鋼太郎さんになります。私は蜷川幸雄さんが演出した舞台を生で観たことはありませんが、その魂を引き継いだこのシェイクスピア・シリーズに私は心打たれました。
こんな素晴らしい演劇シリーズを生み出した蜷川幸雄さんについてもっと知りたい。そんな思いで手に取ったのが本書『千のナイフ、千の目』でした。
シェイクスピア作品と言えば雄弁なセリフや劇的なストーリー展開にどうしても目が行きがちですが、実は登場する細かい「もの」もセリフと同じくらい雄弁なことをこの本では知ることができます。
シェイクスピア作品をもっと楽しむきっかけをくれる素晴らしい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。