親鸞とドストエフスキー・世界文学

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(27)マルクス・エンゲルス、パリでの運命の再会!2人の共同作業の始まり~マルクスの「第二バイオリン」になったエンゲルス

パリに来てから自身の思想の方向性が変わり始めていたマルクス。

そんな時にちょうどパリにやって来たのがエンゲルスでした。

ついに機は熟したのです。

今や二人はヘーゲル哲学から脱皮した、政治経済、共産主義の闘士。

彼らの思想は驚くほどの一致を見たのでした。そして彼らの確信の揺るぎなさたるや!

パリの酒場で10日間語り合ったマルクスとエンゲルス。

これからの生涯全てを捧げての共同作業が始まった瞬間でした。

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

上原彩子『指先から、世界とつながる ピアノと私、これまでの歩み』~日本人初のチャイコフスキーピアノコンクール優勝者の自伝的エッセイ

この本では上原彩子さんの幼少期から現在に至るまでのピアノ人生を知ることができます。

幼い頃からの猛烈な練習と素晴らしい先生たちとの出会い、そして周囲も驚く決断の数々。

この本の帯で「そんな人生もおもしろいんじゃない?」と書かれていましたがまさにその通り。

読んでいてびっくりするような上原さんの人生がこの本では語られます。

音楽大学へ通わずして国際コンクールで優勝した上原さん。その秘密は何だったのか。

子供時代のヤマハでのレッスンや海外での経験は非常に興味深かったです。

ロシアの巨人トルストイ

ロシアとカフカース・チェチェンのつながり~ロシア帝国とジョージア(旧グルジア)地方の戦争の歴史を振り返る

トルストイが訪れた1850年代にはすでにロシアとカフカースは戦争状態でした。そしてその時から続く歴史は現代のロシア・チェチェン戦争とも繋がってきます。ロシア帝国、ソ連、現代ロシアという歴史の流れを知る上でもカフカースの歴史を知ることは大きな意味があります。

この記事ではそんなカフカースとロシアの歴史についてお話しします

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(26)『共産党宣言』『資本論』にも大きな影響を与えたエンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』

この作品の強みはエンゲルスの実体験に基づいたリアルな語りにありました。

しかもそれだけでなく、彼が夢中になって学んだヘーゲル哲学の素養がそこに生きてきます。

哲学的ジャーナリスト・エンゲルスの特徴がこの作品で示されているのでありました。

労働者の悲惨な生活を描くエンゲルスの筆はもはや作家の域です。

この作品は後のマルクスにも非常に大きな影響を与えました。

マルクスはマルクスのみにあらず。

やはりエンゲルスがいて、二人で共同作業をしたからこそのマルクスなのだなと思わされます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(25)マルクスを唸らせたエンゲルスの小論「国民経済学批判大綱」とは

彼はこれまで学んできたヘーゲル哲学を政治経済と結びつけました。この結合が後のマルクス・エンゲルスの思想に決定的な影響を与えることになります。

そして1843年に書かれた「国民経済学批判大綱」は、もう後のマルクスの言葉と言ってもわからないくらいです。

ギムナジウムを中退し、商人見習いをしていた23歳の青年がここまでのものを書き上げたというのは並大抵のことではありません。

マルクスという大天才の陰に隠れて目立たないエンゲルスですが、彼も歴史上とてつもない天才であるのは間違いないのではないでしょうか。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイとカフカース(コーカサス)の強いつながり~圧倒的な山岳風景とトルストイの軍隊経験

トルストイは1851年、23歳の年にカフカース(コーカサス。旧グルジア、現ジョージア)を訪れています。

そしてその圧倒的な自然やそこで出会った人々、命を懸けて戦った経験が彼の文学に大きな影響を与えています。

この記事では藤沼貴著『トルストイ』を参考にトルストイの「カフカース体験」を見ていきます。

トルストイの文学や人柄の特徴を見ていくためにもこれらは非常に参考になります。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(24)エンゲルスの最初の愛人メアリー・バーンズ~エンゲルスに貧民街を案内した女工の存在

エンゲルスがいかに頭が良かろうと、革命思想を奉じようと、彼は工場経営者の御曹司です。

そんな青年が一人で治安の悪い貧民窟に向かうのはさすがに不可能です。そこで彼はそうした危険地帯をよく知る人物と連れ立って実地の見聞を繰り返していたのでした。

そしてその中でも大きな役割を果たしていたのが最初の愛人、メアリー・バーンズだったのです。

この記事ではそんなメアリー・バーンズについてお話ししていきます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(23)イギリスの歴史家トーマス・カーライル~エンゲルスがイギリスで尊敬した唯一の知識人

イギリスの歴史家カーライルの思想はマルクスの『共産党宣言』にも非常に強い影響を与えています。

その本の中の有名な一節、(資本主義は)「人間と人間とのあいだに、むきだしの利害以外の、つめたい「現金勘定」以外のどんなきずなをも残さなかった。」という強烈な言葉はマルクスが資本主義の仕組みを痛烈に批判した言葉としてよく知られていますが、実はこの言葉はすでにカーライルがその著作で述べていた言葉だったのです。

この記事ではそんなカーライルとマルクス・エンゲルスについて見ていきます。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『地主の朝』あらすじと感想~当時の農奴制の実態と農地経営に失敗した若きトルストイの実体験を知れる名作中編

トルストイは1847年にカザン大学を中退し、故郷のヤースナヤ・ポリャーナに帰ってきます。

そして『青年時代』に書かれていたように、己の自己実現のために細かいリストを作成し、その実行に取り掛かったのでした。

そのひとつが今作『地主の朝』で語られるような農地経営だったのです。

ですが、若きトルストイはあっという間にこれに挫折します。

今作ではそんなトルストイの苦い経験を知ることになります。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(22)イギリスの労働運動「チャーティスト運動」を間近で見るエンゲルス

前回の記事でも紹介しましたが、1830年代まで根強い人気のあったオーエン派の活動も最後には衰退していってしまいます。

その大きな原因となったのがイギリスの新たな政治運動である「チャーティスト運動」でした。

今回の記事ではそんなイギリスの歴史に非常に大きな影響を与えたチャーティスト運動とエンゲルスについてお話ししていきます。