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長編小説と読書の3つのメリット~今こそ名作を読もう!『レ・ミゼラブル』を読んで感じたこと

ジャヴェール
目次

長編小説を読むメリット―レミゼを読んで感じたこと

皆さんは長編小説と言えばどのようなイメージが浮かんできますか?

古典。難しい。長い。つまらない。読むのが大変・・・などなど、あまりいいイメージが湧いてこないかもしれません。

特に一昔前の有名な作家の古典となると、それは余計強まるのではないでしょうか。

トルストイの『戦争と平和』、ドストエフスキーの『罪と罰』、セルバンテスの『ドン・キホーテ』、そしてここまで紹介してきたユゴーの『レ・ミゼラブル』などなど。

ドストエフスキーが愛していた小説ということで読み始めた『レ・ミゼラブル』。

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新潮社版の文庫で5巻、計2500ページを超える大作です。

とにかく長い!

もしこれを読み始めたら一体どれだけ時間がかかるのだろう。

正直、ドストエフスキーが愛していたということがなければ私は読むことがなかったかもしれません。

ですが、いざ読み終わってみると長編小説ならではのいいところがたくさんあることを感じました。

今回は普段敬遠しがちな長編小説のメリットと効能を考えていきたいと思います。

長編小説のメリット①~登場人物との長い時間のお付き合い

長編小説は文庫本でいえば2巻構成以上のものや分厚い1冊のものをいいます。

当然ながら、読むのに時間がかかります。

ですが、この一見ネガティブな要素が長編小説のメリットでもあるとしたらどうでしょうか。

時間がかかるということは、その小説と向き合う時間が長くなるということです。

私は『レ・ミゼラブル』を読むのにおよそ10日間ほどかかりました。

つまり10日間、ずっとジャン・ヴァルジャンやジャヴェール、コゼットやマリユスたちと共に生活し続けることになるのです。

読書は本を読んでいる時間だけのことではありません。

レミゼを読み、ジャン・ヴァルジャンの物語を摂取すると、それが読書以外の日常生活にも必ず影響を及ぼし始めます。

日常のふとした瞬間や、考え事をしている時など、「あ~レミゼでこういうことあったな」とか「ジャン・ヴァルジャンはこんなこと言ってたけど、自分はこう思うだろうな」というように、脳内の思考回路にレミゼが埋め込まれることになります。

いわゆる、「影響される」状態です。

映画やミュージカルを観た後、その登場人物の話し方や考え方、行動などに引っ張られて自分の思考や行動も変わったりしたことはありませんか?

何か強いインパクトを受けるとその影響を受けてしまう。これは皆さんにも馴染み深い経験であると思います。

長編小説はそれが長期にわたって維持されます。

なにせ読むのに長い日数がかかるのですから。

私の場合は先ほども申しましたように10日間、ずっとジャン・ヴァルジャンやジャヴェールと生活を共にしました。

一緒にいる時間が長くなればなるほど、感情移入は増し、思い入れも強くなっていきます。

すると日に日にレミゼの物語への没入具合が強くなっていきます。そしてそれと同時に現実の世界においてもレミゼの影響力が強くなっていく。

こうした相乗効果が生まれてくるのです。

古典の名作というのは時間の洗礼を受けた作品です。「本当にいいもの」だからこそ一過性のブームで終わらず100年以上も愛され続けているのです。あるひとつの作品が現代にまで残っているというのはやはりそれだけの理由があるのです。

そういう「本当にいいもの」の影響を長い時間にわたって受け続けることができる、それが長編小説のいいところなのではないでしょうか。

もちろん、短い作品でも強烈なインパクトを残すこともあるでしょう。

ですが、長い期間にわたって登場人物と同じ時間を過ごし、彼らの物語に没入していくというのはやはり長編小説ならではの醍醐味なのではないでしょうか。

長編小説のメリット②~わかりやすさの罠からの脱出

『レ・ミゼラブル』の原作と映画を比べると、その最大の違いは時間です。

文庫本で5巻もある長いストーリーを2時間半という短い時間に収めるのは非常に難しい作業です。

当然、かなりの分量をカットしなければなりませんし、物語も観客がわかりやすいようにシンプルにしなければなりません。本のようにじっくり読まないと筋書きがわからないというのは映画やミュージカルでは命取りです。なるべくキャッチーなストーリー、演出でなければならないのです。

つまり、ざっくり言うと、物語の出来事や登場人物の心理がより単純化されるのです。

「わかりやすさ」

これが重要になってきます。

「わかりやすい」のは観ているこっちからするとありがたいですよね。内容がわかるからこそ物語を観て楽しいのであって、何をやってるのかちんぷんかんぷんだったら楽しむどころじゃありません。

さらに言えば、善玉悪玉がはっきりしているとか、この出来事はこれが原因というのがわかりやすかったりとか、なるべく複雑性を排してとにかくシンプルに。

これが時間が限られた中でも観る人に物語全体を伝える方法となっています。

ですが、この「わかりやすさ」に慣れ過ぎると現実の世界でも段々と悪影響が及んできます。

よくよく考えてみると、現実の世界でそんな「こうだからこうなった」という単純な出来事はほとんどありませんし、わかりやすい善玉悪玉という人間はなかなかいません。(そう見えるような人はいますが)

最近多いパターンとして、誰かが何か悪いことをしたとき、世の中が一斉にその人を大悪人と決めつけ誹謗中傷の嵐となるパターンです。

たしかにその人は悪いことをしてしまったかもしれません。ですがその人がなぜそういうことをしてしまったかというのはそう簡単な問題でありません。

その人がどういう人生を歩んできたのか、その時の状況はどうだったのか、心理状況は?世の中の風潮は?などなど、本当にその人がなぜそんな行動を取ったのかはあまりに複雑で難しい問題なのです。

もし単に「お金がほしかったから」という理由を本人が言ったとしても、じゃあなぜお金がほしくなったのかを考えてみると、それこそひとりひとりの膨大な物語を読み取らなければわからないのです。

それを「あいつは金目当てで罪を犯した悪人だ」と決めつけるのは簡単です。

たしかに罪を犯したのは事実です。ですがその人も私たちと同じ人間です。そこにいたるまでに複雑な人生を歩んできたのです。それをすべて無に帰してわかりやすい「悪人」と決めつけ攻撃するのは危険なことなのではないでしょうか。

この例はあくまでひとつの極端な例として挙げましたが、「わかりやすさ」に慣れ過ぎると、世の中の全てに対してそれを適用する傾向が生まれてしまいます。

それに対し、長編小説ではひとつひとつのものごとに対して掘り下げて掘り下げて述べていくことができます。

『レ・ミゼラブル』はまさしくその典型で、ひとつの出来事が起こるにしてもなぜそれが起こったのか、ひとりの人物がどのような心理的葛藤を経てその行動を起こしたのかというのが詳しく書かれています。

前回の記事「ジャヴェールはなぜ死んだのか。『レ・ミゼラブル』原作からその真相を探る。」でも、ジャヴェールがなぜ身を投げたのかということが原作ではどれだけの分量をかけて描かれているのかをご紹介しました。

映画では数分で語られてしまう話も原作では掘り下げて掘り下げて語られます。

原作を読んでいると、人間はつくづく複雑で様々な背景があってひとつひとつの出来事が起こっているのかを感じます。

もちろん、映画や舞台の『レ・ミゼラブル』を否定しているわけではありません。私も大好きな作品です。ですが、「わかりやすさ」にとらわれすぎると現実世界において危険であるということは否めないのではないでしょうか。

長編小説は人間や世界の複雑さを教えてくれます。

感情的になって短絡的に何かを決め付けるのではなく、一歩立ち止まって「まぁ、色々と事情があるのだろうな…」と考える癖がつくことでしょう。(それでも失敗してしまうことが多々あるのが私も含めて人間なのでしょうが…苦笑)

※2022年8月4日追記

この「わかりやすさの罠」についてはレイ・ブラッドベリの『華氏451度』を題材に記事を書いています。「わかりやすさの罠」にはまるとどんなことになってしまうのか、ぜひこちらもご覧ください。

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長編小説のメリット③~読書筋がつくー脳内における世界の再構築

これはいたってシンプル!長編小説を読めば読書マッチョになります。

身体は動かさないかもしれませんが読書にもやはりパワーは必要です。

本を読むためにはスタミナがなければなりません。

走るのだっていきなりフルマラソンは無理ですよね。初心者から徐々に徐々に距離やスピードを増していって走れるようになっていきます。

本もそれと一緒です。

そもそも、言葉を読むというのはなかなかに厄介な作業です。

文字という視覚情報を読み取り、それを脳内で五感に変換し、なおかつ物語として追体験していく。

テレビや映画などは最初から視覚と聴覚情報が出来上がっているのでそれを受け取るだけです。つまり、脳内変換が不要なのです。

ですが本は違います。文字という、本来色も形も音も匂いも手触りもない言葉を脳内で実際の感覚に変換しなければなりません。

例えば、このような文章を読めばどんな感覚があなたの中に生まれてくるでしょうか?

「白波を立てる海。頬に吹き付ける風はほのかに潮の香を運んでくる。」

海は見えましたか?風の音、肌触りは感じますか?匂いは?

そう。文字を読むというのは脳内における世界の再構築なのです。

言い換えるならば、文字を通して自分で世界を作り上げることなのです。こう考えると普段何気なく読んでいる文字というものがとてつもない代物に思えてきませんか?

ですが、こうした作業は当然ながら疲れます。慣れていないとすぐにぐったりしたり、嫌になってきます。

テレビやネットの映像をなんとなくずっと見続けられてしまうのは、この変換の作業がないからなのです。要は、楽なのです。見たもの聞いたものをそのまま受け取ればいいだけなのですから。(それに、コンテンツもわかりやすくて面白い)

一方、読書が苦手という人が多いのは、この変換作業に慣れていないことやそれに必要なスタミナや技術がまだ十分に育っていないからなのです。

これを脱するには読書筋をつけて読書マッチョになることです。

それには面白い名作長編がうってつけです。

もちろん、ふだん読書しない人がいきなり『レ・ミゼラブル』のような長編大作を読むのはきついかもしれません。

まったく慣れていない人はもっと気楽に読みやすい小説から読み始めるのもひとつの手です。

ですが、ある程度本を読むのは苦ではないよという方は、『レ・ミゼラブル』のような古典の名作でなおかつ面白いものを読んでみることをおすすめします。

いい文章をたくさん摂取する。これが読書筋を鍛える最高の方法です。

効率的なよい筋トレをして、プロテインを摂取して体を鍛えていく。

読書も一緒です。良い本を読んで、良い文章を摂取する。読書筋を鍛えるにはこれが1番です。

まとめ

長編小説というと、長いし難しそうだし読む気がしない・・・

そんなイメージがやはり根強いかと思います。

ですがよくよく考えてみると世界の大ベストセラーであるハリーポッターもとてつもなく分厚い本ですが、それでも多くのファンが読んでいます。

村上春樹の小説もなかなかに長いですが、たくさんのファンがいます。そう考えてみると、長編小説といえども案外読むことは可能なレベルなのではないかと思われます。

となると、問題は古典というジャンルが敷居を高くしているというところにあるのかもしれません。

ですが実際のところ、古典といっても『レ・ミゼラブル』は前回のジャヴェールのシーンでもわかりますように、ほとんど現代小説となんら変わるところがありません。

言葉遣いも一緒ですし、内容も私たちに理解不能な点はほとんどありません。

つまり、ハリーポッターや村上春樹ともあまり変わらないのです。古典は難しいというイメージばかりが先行して読者を遠ざけているというのが実情なのではないでしょうか。

これは非常にもったいないことであります。

物語そのものとしてはハリーポッターや村上春樹とも同じくらい、いやそれ以上に面白いと思わせる作品が古典の世界にはごろごろ転がっています。『レ・ミゼラブル』はその最大の例です。

今回の記事ではその面白さだけではなく、長編小説を読めば得られるメリットを紹介させて頂きました。

これをきっかけにステイホーム時間が増えた今だからこそ、新たに読書に耽ってみるというのはいかがでしょうか。きっと素敵な時間を過ごせることでしょう。

そして私と一緒に読書筋を鍛えて読書マッチョになってはみませんか?笑

読書マッチョ仲間がほしい今日この頃です。

以上、「長編小説と読書の3つのメリット~今こそ名作を読もう!『レ・ミゼラブル』を読んで感じたこと」でした。

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ジャヴェール

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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