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岡部昌幸『レンブラントとフェルメール』あらすじと感想~オランダ絵画の二大巨匠を比べて学べるおすすめ作品!

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岡部昌幸『レンブラントとフェルメール』概要と感想~オランダ絵画の二大巨匠を比べて学べるおすすめ作品!

今回ご紹介するのは2011年に新人物往来社より発行された岡部昌幸著『ビジュアル選書 レンブラントとフェルメール』です。

17世紀に黄金時代を迎えたオランダ絵画。その頂点に君臨するレンブラントとフェルメールにスポットをあて、西洋絵画の一時代を築いたオランダ絵画の魅力を一冊で網羅。

Amazon商品紹介ページより
『夜警』Wikipediaより 

レンブラントといえば上の『夜警』で有名な17世紀オランダの大家です。

この本はそんなレンブラントとフェルメールというオランダ二大巨匠を比べながらその生涯と作品を追っていく作品になります。

著者は「はじめに」でこの本について次のように述べています。

光と明暗の強いドラマティックな画面で、人間を深く洞察したレンブラント。明快な構図に静謐で、豊かな詩情を漂わせたフェルメール。ともに現在、もっとも人気の高い、十七世紀オランダ絵画の巨匠である。ところが、意外にニ人を取り合わせた本や展覧会は少ない。

レンブラントの劇的人生からは、穏やかなフェルメールの生涯は遠くに見える。世界に三十数点しか現存しないフェルメールの完結した小画面からは、多作で大作の多いレンブラントの偉大さは霞んで見える。どちらの画家も、画家としてそれぞれ別方向の最高峰に立っているため、出版企画や展覧会で一緒に並び立つことがないのだ。この一書では、そうしたニつの最高峰の代表作品を同時に見渡そうと思うのである。(中略)

レンブラントとフェルメールに共通するのは、深みと永遠性ではないだろうか。この二人に、瞬間的な表現を得意とするフランス・ハルメを含め、オランダ絵画黄金時代の三巨匠といっていた。そのなかでレンブラントとフェルメールの評価がいっそう高まったのは、現代という時代が、瞬間的なスピード感より、静謐さのなかにある存在感や深みという癒しと永遠性をもとめる時代となったからだと思われる。そして、時間と光、存在感を模索し、問い続けたの二人の探究心が、時代を超越して、現代でも新鮮さを失っていないからでもあるに違いない。

美術史上つねに巨匠であり続けたレンブラントと、十九世紀末に再評価の始まった新しい巨匠フェルメール。この新旧の巨匠に潜む、芸術の深さと神秘をこれから、紐解いてゆきたい。

新人物往来社、岡部昌幸『ビジュアル選書 レンブラントとフェルメール』P4-8

この目次にもありますようにレンブラントとフェルメール、二人の特徴をその生涯から簡潔に見ていけるのがこの作品の最大の魅力です。

上の著者の言葉にありましたように、たしかにレンブラントとフェルメール2人並べて説かれるものというのは意外と少ないです。そういう意味でもこの本はとても貴重な作品となっています。

また、写真や絵画もカラーでばっちり掲載されているので視覚的にも楽しめる作品です。

フェルメールに関してはこれまで様々な作品を読んできたのでその生涯や特徴については知ってはいましたが、意外とレンブラントに関してはあまり手が伸びなかったというのが正直なところです。

そんな中でフェルメールと比べながらレンブラントの生涯や作品をわかりやすく語ってくれるこの本はとてもありがたいものとなりました。

レンブラントってこういう人だったのかというのがすっと入ってきました。

オランダ絵画を代表する2人についておおまかな概要を知れるこの作品は多くの方にとってもかなり参考になると思います。オランダ絵画入門としても格好の作品かもしれません。

分量的にも150ページ弱と、気軽に読める作品となっています。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。以上、「岡部昌幸『レンブラントとフェルメール』オランダ絵画の二大巨匠を比べて学べるおすすめ作品!」でした。

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レンブラントとフェルメール (ビジュアル選書)

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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