『新アジア仏教史04 スリランカ・東南アジア 静と動の仏教』~スリランカの聖地訪問に役立つ情報ありの参考書

新アジア仏教史04 スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

『新アジア仏教史04 スリランカ・東南アジア 静と動の仏教』概要と感想~スリランカの聖地訪問に役立つ情報ありの参考書

今回ご紹介するのは2011年に佼成出版社より発行された奈良康明、下田正弘編集『新アジア仏教史04 スリランカ・東南アジア 静と動の仏教』です。

早速この本について見ていきましょう。

スリランカ及び東南アジアの諸国家ミャンマー(ビルマ)、タイ、カンボジア、ラオスを中心に、また複数の国家にまたがる地域―中国雲南からミャンマー、ラオスとの国境の山地―にも目を向け、生活の中に生きている仏教を詳しく解説します。
フィールドワークを重ねた最新の研究成果を盛込み、女性の出家修行者と在家の修行についても現在の様子を詳細に知ることができます。
臨場感あふれる写真も多数。

仏教が13世紀初頭にインドで消滅したのち、スリランカと東南アジアの人びとは相互に交流することにより仏教断絶の危機を乗り越えてきました。本書では、そうした歴史を押さえたうえで、まさに今生きている仏教を明らかにしています。
・上座仏教が同一の経・戒律によりながらも、現実に現れている多様な姿をこの1冊に集約し解説。
・写真・地図などの図版を多数収録。ビジュアル的に内容を明示。
・「密教と上座仏教」など上座仏教世界の広がりを示す5編のコラム。
【目次】 【第1章】 東南アジア仏教徒の世界 【第2章】 上座部仏教教団の相互支援と交流 【第3章】 スリランカの仏教と歴史 【第4章】 ミャンマーにおける仏教の展開 【第5章】 タイの仏教世界 【第6章】 カンボジアとラオスの仏教 【第7章】 西南中国におけるパーリ仏教 【第8章】 仏教、民俗宗教、少数民族 【第9章】 女性と仏教寺院

Amazon商品紹介ページより
スリランカの世界遺産 シーギリヤ Wikipediaより

前作『新アジア仏教史03 インドⅢ 仏典からみた仏教世界』までの三巻ではインド仏教について説かれましたが、本作ではスリランカや東南アジア諸国の仏教について見ていくことになります。

上の本紹介にありますようにこの本ではかなり幅広く東南アジアの仏教を見ていきます。これだけの地域の仏教を見ていくとなればひとつひとつを深く見ていくということはできませんが、それぞれの国々との関係性を考えながら読んでいくのはとても刺激的です。

特に私にとってはスリランカの仏教の歴史や現地事情を知れたのがありがたかったです。また、スリランカの仏教聖地についても語られていますので、実際にスリランカを訪れる方にとっても便利な一冊となっています。私も近々スリランカを訪れる予定ですのでとても参考になりました。

もちろん、スリランカだけではなく他地域の仏教についても見ていく参考書なので、それぞれの関心に合わせて読むこともできます。

東南アジアの仏教を一冊の本でまとめて学ぶことができる本は貴重です。仏教の入門書としてはなかなか難しい作品ではありますが、東南アジアの仏教をもっと知りたいという方におすすめの一冊です。

以上、「『新アジア仏教史04 スリランカ・東南アジア 静と動の仏教』~スリランカの聖地訪問に役立つ情報ありの参考書」でした。

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