Wellgirius' "Aeneis" Synopsis and Comments - The founding myth of ancient Rome! A masterpiece of Latin literature that also lets us know the relationship with Greece!

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

ウェルギリウス『アエネーイス』あらすじと感想~古代ローマの建国神話!『イリアス』、『オデュッセイア』などギリシア神話との関係性も知れるラテン文学の傑作!

今回ご紹介するのは古代ローマの詩人ウェルギリウスによって書かれた『アエネーイス』です。私が読んだのは2013年に新評論より発行された杉本正俊訳の『アエネーイス』です。

Let's take a quick look at the book.

ローマ最盛期の詩人ウェルギリウス(前70~前19)が晩年の10年間に取り組んだ『アエネーイス』は、ギリシアの『イーリアス』『オデュッセイア』に比すべきラテン語最高の叙事詩として、すでに刊行前から上々の評判を得ていた。主人公のアエネーアースには時の権力者アウグストゥスの面影があるといわれ、作者の死によって未完に終わったこの作品は、アウグストゥスの強い意向を受けて出版された。

だが刊行されるやただちにベストセラーになった『アエネーイス』が、はるか後世のルネサンス期を超え、今日まで長く愛好された事実は、単に一権力者の強い推薦を受けたからというだけでは説明しきれない。むしろそれはひとえにこの作品が、歴史の転回点に立つ人間の諸問題を的確に捉え、つねに新しい読者を獲得する「読み物」としての魅力を、豊富に持っているからこそであった。たとえばアエネーアースはトローヤからイタリアまでの長い遍歴の途中、カルターゴーの女王ディードーとの悲劇的な出会いを経験するのだが、詩人が主人公を、魔女や妖怪などではなく、このような感性豊かな女性に巡り会わせた瞬間に、ひとりの個人の心に焦点をあてた新しい文学の地平が開かれたと言ってよい。作品は、「ローマ建国」を語るという叙事詩の大枠は守りつつ、戦争など人間集団が引き起こす厄災や、社会の課す重圧の下で苦しむ人々の姿を赤裸々に描いて、詩人の領分を大きく広げたのだ。

アエネーイス』が長く読まれた西欧では、それは『聖書』を補完しつつ相対化させる、精神文化の重要な源流の一つであった。そこに溢れるローマ的心情、その言葉に反映するローマ的美、読むたびに生き生きと蘇る物語の世界は、これからも読者を魅了し続けるに違いない。

しかし日本では、『アエネーイス』は、「ホメーロスの模倣」であるという一時一部に行われた説の影響を受けて、タイトルの知名度に比して、作品自体の独特で無比の味わいは、今もあまり知られていないのが現状ではあるまいか。本訳はこの「誤解」を解き、『アエネーイス』をわれわれの古典とすべく、現代人が心から堪能できるような訳を試みた。(すぎもと・まさとし)

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Vergilius was an ancient Roman poet. We have previously discussed him inSynopsis and Thoughts on Vergilius' "Pastoral Songs" - "Arcadia, an Ideal Land of the Past."article.

With this work, Vergilius solidified his position in Rome, so much so that the emperor Augustus took notice of him.

In the last decade of his life, Vergilius continued to write the work "Aeneis". Although Vergilius died before completing it, the work he left behind is still loved as a spiritual source for Rome and even for Europe.

What surprised me most about this piece was its connection to ancient Greece.

Ancient Greek mythology is Homer'sThe Iliad.andThe Odyssey.are well known, and "Aeneis" is a story directly related to these very stories.

The main character, Aeneas, is a Trojan. In other words, he is on the losing side of the Trojan War as told in "The Iliad".

The Trojan War was a battle that was settled by a Trojan horse operation by the Greek army (the Achaeans) in the final stages of the battle.

The March of the Trojans,Giovanni Domenico Tiepolo(in Japanese history)English version(photographic) imageWikipedia.

The main story of "The Iliad" does not discuss the Trojan Horse, but this "Aeneis" tells the story in detail. The battle was settled by the Greek army's trickery. The Trojan army was defeated by the Greeks. And one of them was a general named Aeneas.

Aeneid begins with this defeat. Troyes, which was thoroughly destroyed and massacred by the Greek army. Aeneas, who escaped from there, eventually ended up in Rome and became the founder of Rome, which is the main plot of this story.

ウェルギリウスがこの作品を書いたのはアウグストゥス帝の頃です。アウグストゥス帝といえばパクス・ロマーナをもたらした偉大な皇帝として知られています。つまりローマ帝国の全盛期はこの皇帝から始まったということです。

ですが、文化的な面ではやはりギリシアの力は侮れません。古代ローマはコロッセオや水道橋など巨大建築で有名ですが、芸術や文学、哲学という点ではやはりギリシアが文化のトップとして存在し続けていたのです。後の哲人皇帝マルクス・アウレリウス帝(161-180)もギリシア哲学に強い影響を受けています。

というわけで、ローマ人にとってはギリシアというのは文化の源泉という敬意はありながらも、その一方でなんとかしてそのギリシアを超えたいという複雑な心情もあったのでした。

かつて繁栄していたギリシア国家。しかし今や地中海を支配しているのは我らがローマである!今ここで必要なのは何か。それはギリシアを超える建国神話だ!それがあることでローマ人としての誇り、精神の源泉を求めることができるだろう!

そこで現れたのがウェルギリウスだったのです。彼はまさしくこのローマ人の誇りを生み出す建国神話を創造したのでした。

If you read "Aeneis," it is clear that Wergilius was writing with an intense awareness of Greece.

In particular, there is considerable criticism (one might say vilification) of Odysseus, the mastermind of Operation Trojan Horse and the cause of the Trojan's downfall. As you will see when you read this book, it is so blatantly caricatured that you can't help but laugh.

そして私は巻末の解説で書かれている次の言葉が忘れられません。

アキレースの子孫ピュルルス率いるギリシア軍と、アエネーアースの末裔たるローマ軍の対決は、まさに場所を変えたトローヤ戦争の継続と言ってよい。

新評論、ウェルギリウス、杉本正俊訳『アエネーイス』P396

「まさに場所を変えたトローヤ戦争の継続と言ってよい」

ヨーロッパの歴史、文明においてどれだけギリシャ神話が大きな影響を与えているのかと私は衝撃を受けました。

ウェルギリウスがこの作品を書いた頃のギリシアは国家としての力はすでに衰退していました。地中海を制したローマとは比べようもありません。ですが戦いは続いていたのです。文化という面で。

そうした文化的な戦いというものを考える上で『アエネーイス』という建国神話はあまりに大きな存在です。

そしてこの作品はまさしくその頂上決戦にふさわしい足跡を残すことになりました。

この作品はローマ帝国の精神的柱となり、さらには後のヨーロッパ文明にも決定的な影響を与えていくことになります。

ウェルギリウスがキリスト教世界においても尊敬されたのはこの作品の存在が大きいです。この『アエネーイス』にはあのダンテの『神曲』を連想させるシーンが出てきます。

実際、ダンテは『神曲』の案内人としてウェルギリウスを登場させていますが、そのウェルギリウスが本作で主人公アエネーアースに冥界巡りをさせているのです。その時の描写や来世観は驚くほど『神曲』に似ています。

私は『神曲』を初めて読んだ時、「なんてものすごい想像力だろう!こんな世界を思いつけるなんて!」と驚いたものでしたが、そのダンテは『アエネーイス』を参考にしていたのですね。こうしたこともこの作品を読んで知ることになりました。

また、私はこの作品を読んだ後、ローマを学ぶ過程でアンデルセンのThe Improvising Poet.I read the following.

『即興詩人』はアンデルセンの「イタリア紀行」と言ってもよい作品で、彼のローマ愛が溢れている名作です。

そしてこの作品の中で歌姫のアヌンツィアータが演じているのがディドーという役でした。このディドーという女性はまさに『アエネーイス』に出てくる絶世の美女ディドーなのです。19世紀の偉大な童話作家アンデルセンの中にもしっかりと『アエネーイス』が刻まれているのがここからもわかります。

きっとこれから先も様々な作品で『アエネーイス』の影響を私は目にしていくことになるでしょう。これは文学だけでなく、あらゆるジャンルでもそうだと思います。

今回の記事では『アエネーイス』の内容そのものに関してはあまりお話しできませんでしたが、ものすごく面白い作品でした。

本紹介の中でも述べられていましたが、この本は新訳です。帯にも「従来のウェルギリウス像・ローマ叙事詩観を一新する、散文形式による新訳の挑戦』と書かれていました。

この作品は元々は詩で書かれたものでした。ですがラテン語で書かれた韻文を日本語で訳すのは非常に困難なものがあります。この作品が本来持っている魅力をいかにして伝えたらよいのか、その試行錯誤の結果、本書では韻文ではなく散文で書かれることになりました。

私はこの大胆な試みは大成功だったのではないかと思います。訳者の言葉は非常に読みやすく、『アエネーイス』の面白さを何の違和感もなく感じることができました。ウェルギリウスの出世作『牧歌』は正直読みにくく、その面白さを感じることができなかったのでこの『アエネーイス』には驚かされました。

『イリアス』、『オデュッセイア』を読んでからこの作品を読んだのも大きかったと思います。この三作はある意味一つに繋がった作品であると思います。ぜひ三冊セットで読まれることをおすすめします。その方が何十倍も楽しめると思います。

ローマの心の源泉たるこの作品を読めて心の底からよかったなと思います。ぜひおすすめしたい作品です。

以上、「ウェルギリウス『アエネーイス』あらすじと感想~古代ローマの建国神話!ギリシアとの関係性も知れるラテン文学の傑作!」でした。

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