目次
『シン日本仏教史』(22)中国への仏教伝来
前回の記事では七高僧のひとり、龍樹についてお話ししました。
あわせて読みたい
(21)親鸞の七高僧の最初の一人、龍樹の登場~有名な「空」思想を体系化した偉大なる高僧
大乗仏教を大成し、「空」の思想をまとめた人物。それが龍樹です。
ですがそれのどこがすごいのかと言われてもなかなかわかりにくいというのが正直なところではないでしょうか。
というわけで、極々ざっくりではありますが、なぜ龍樹がこれほどまでに尊敬されたかという背景をこの記事でお話ししていきます。
龍樹は大乗経典が生まれ始めてからおよそ100年後の2世紀中頃に活躍しましたが、ちょうどその頃中国にも本格的に仏教が伝わり始めたとされています。
ただ、中国への仏教伝来は諸説あり、正確にはわかってはいません。
一応、史実に残っているものとして初めて仏教が伝わったのが紀元1世紀後半頃ではないかとされています。とはいえこれは単発的で小規模な出来事に過ぎず、仏教伝来が本格化したのは2世紀の安世高や支婁迦讖ら訳経僧が中国を訪れるようになってからというのが実際のところだそうです。
では中国に仏教が伝来し、すぐにそれが中国に広まったかと言いますとそうではありませんでした。中国にはすでに儒教や道教があり、最初から仏教が盛んに信仰されたわけではなかったのです。この国で仏教が盛んになるにはまだまだ時間が必要でした。
こうした中国の歴史については後に改めて詳しくお話ししていきますが、インドで大乗経典が誕生し、その論書(解説書)が次々と編纂されていたこの時代に仏教が中国へ渡り始めたというのは大きなポイントです。
日本仏教が大乗仏教の国となったのも直接的にはこうした中国があったからこそです。中国が従来の上座部仏教ではなく大乗仏教を主に受け入れたからこそ日本も大乗仏教を信仰する国になったのです。こういう意味でもインドから中国に仏教が伝来していく流れを追っていくのは非常に有益です。
ぜひ『シン日本仏教史』中国編をお楽しみに。
続く
主要参考文献一覧
〇インドの歴史・宗教・文化について知るのにおすすめの参考書一覧
〇インド仏教をもっと知りたい方へのおすすめ本一覧
〇仏教国スリランカを知るためのおすすめ本一覧
〇中国仏教・中国思想のおすすめ解説本一覧
〇親鸞聖人や日本仏教を学ぶためのおすすめ参考書一覧
前の記事はこちら
あわせて読みたい
(21)親鸞の七高僧の最初の一人、龍樹の登場~有名な「空」思想を体系化した偉大なる高僧
大乗仏教を大成し、「空」の思想をまとめた人物。それが龍樹です。
ですがそれのどこがすごいのかと言われてもなかなかわかりにくいというのが正直なところではないでしょうか。
というわけで、極々ざっくりではありますが、なぜ龍樹がこれほどまでに尊敬されたかという背景をこの記事でお話ししていきます。
『シン日本仏教史』の目次と記事一覧はこちら
あわせて読みたい
シン日本仏教史
これまで当ブログで『現地写真で学ぶブッダの生涯』『親鸞伝』を連載してきましたが、本連載はその第三弾となります。 この連載ではそのタイトル通り、日本仏教の歴史を...
関連記事
あわせて読みたい
中国仏教・中国思想のおすすめ解説本一覧~思想、歴史、時代背景を学ぶ
中国仏教は日本の仏教に直接的な影響を及ぼしています。仏教発祥の地はインドではありますが、日本仏教の故郷は中国なのではないかとすら私自身感じています。それほど中国の仏教の影響は甚大です。
あわせて読みたい
鎌田茂雄『中国仏教史』概要と感想~中国仏教と政治のつながりや時代背景を学べるおすすめの教科書!
この本では単に中国仏教の歴史や教義を見ていくのではなく、その時代背景も見ていくことになります。
まさに「宗教は宗教だけにあらず」ということを感じさせられます。
あわせて読みたい
エーリク・チュルヒャー『仏教の中国伝来』概要と感想~初期中国仏教を詳しく学ぶのにおすすめの参考書
本書『仏教の中国伝来』は初期中国仏教を学ぶのにおすすめの参考書です。
この本は驚くほど詳しく初期中国仏教について見ていくことになります。外国人の著者がこれほど膨大な漢字文献をよくここまで調べられたなと私も驚きました。
あわせて読みたい
塚本善隆『世界の歴史4 唐とインド』あらすじと感想~切れ味抜群の語り口で楽しめる壮大な歴史物語!
この本では中国のみならずインドの歴史まで語られます。中国だけでもとてつもないスケールの歴史がありますがそこにあのインドまでやってくるのですからもうお腹いっぱいです。
そして何より、著者の語り口も切れ味抜群でものすごく面白いです。
あわせて読みたい
『新アジア仏教史05 中央アジア 文明・文化の交差点』概要と感想~仏教の中国伝来に大きな役割を果たし...
「仏教はインドで梱包されて中国に送り届けられたわけではない」
私はこの言葉を読んで思わず「おぉ!」と膝を打たずにはいられませんでした。何たるパワーワード!
日本人にとってはあまり馴染みのない中央アジアの仏教を知れる貴重な一冊です。
あわせて読みたい
『新アジア仏教史06 中国Ⅰ 南北朝 仏教の東伝と受容』概要と感想~中国への仏教伝来について幅広く学ぶ...
中国に入った仏教は中国人からすると全く異質な存在です。その異質な存在をどう受容するかというのは非常に大きな問題です。
参考文献も豊富に掲載されていますので今後の学びにも非常に役立ちます。ぜひぜひおすすめしたい一冊です。