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必見!夜のクエンカと糸ようじ~水曜どうでしょうの聖地を満喫 スペイン編⑦

目次

ついにやってきた!夜のクエンカと糸ようじ~水曜どうでしょうファン必見の聖地 僧侶上田隆弘の世界一周記―スペイン編⑦

前回の記事「宙吊りの家と魔法にかけられた街~クエンカの絶景 スペイン編⑥」ではクエンカの絶景をご紹介したが、この記事では今回宿泊したパラドールと夜のクエンカをご紹介したいと思う。

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そして読んで下さっているみなさんの中には「なぜタイトルに水曜どうでしょうが?」とお思いになられた方もおられると思う。

しかし水曜どうでしょうファンにとってはこのクエンカという街は聖地中の聖地。

クエンカという言葉を聞くだけで頬が緩むという、まるでパブロフの犬かと言わんばかりにここクエンカに対しては特別な感情を抱いているのだ。

さて、とりあえずその理由はさておき、まずはパラドールの方から見ていこう。

こちらがパラドールの入り口。

そもそもパラドールとは古城や貴族の邸宅、修道院など歴史的に価値ある建造物を改装した国営ホテルのこと。

スペイン全土に40以上もあるパラドール。

絶好のロケーションと歴史を感じさせるたたずまい、改装した便利で清潔な設備、割安な宿泊費と観光客にはいいことづくめ。

特に人気なのはトレドグラナダのパラドール。

トレドは絶景を見下ろす絶好のロケーション、そしてグラナダはなんとアルハンブラ宮殿内部にあるという最高の立地と豪華な内装が魅力だ。

お値段も割安な価格のパラドールとはいえなかなかのもの。

しかしそれだけの価値がある宿泊になることは間違いないだろうと思う。

今回ぼくが宿泊したクエンカのパラドールも修道院を改築したパラドール。

クエンカの絶景を目の前に楽しめるという絶好のロケーションが人気のパラドールだ。

お部屋によっては、部屋の窓からもこの景色を楽しむことができる。

水曜どうでしょうの面々もこのホテルに宿泊した。

フロントを抜けると中庭に面した廊下がある。

現代的な絵画が飾られたこの廊下では軽食やコーヒーを頂くことができる。

ところどころにキリスト教の絵が見られる。

ここが修道院であったことが伺える。

なぜかお手洗いのところに日本語で表記がなされていた。

もしかしてここは日本人観光客が多いということなのだろうか。

日本語だけこうして書かれているというのは海外ではほとんど見たことがない。

あったとしてもたいてい他の言語もいくつか並んでいる。その中の一つとしての日本語。

そのためこの日本語表記がとても不思議に思えた。

さらに奥へと進んで行くとホテルのカフェテリアがある。

かつてはどんな用途で使われていたのであろうか、広々とした空間。

白い壁と天井の装飾が落ち着いた雰囲気を醸し出す。

ぼくのお気に入りの席は部屋の隅の窓際の席。

窓からはクエンカの断崖絶壁を眺めることができる。

前回の記事で紹介したこの写真はちょうどこの窓から見えた辺りになる。

パラドールから見てみると昨日上った崖がどれほど高い場所にあったかがよくわかる。

窓からの素晴らしい景色を楽しみながらゆっくりとコーヒーを楽しみ本を読むという素晴らしい時間を過ごすことができた。

さて、お部屋へと向かっていこう。エレベーターで客室フロアへと上っていく。

建物自体は時代を感じさせるものの、内装はとてもきれい。

部屋も広く、とてもきれいだったので大満足だった。

パラドールの良いところは歴史を感じながら快適な滞在が出来るところ。

せっかく古き良き伝統や文化を感じることができても、せっかくの宿泊が不快なものであったら旅の雰囲気は台無しだ。

そこのバランスが絶妙なのがパラドールの素晴らしいところだ。

現代的な快適さと歴史と伝統を感じられるパラドール。

スペイン旅行の際はぜひパラドールに泊まってみてはいかがだろうか。

さて、夜も更け辺りが暗くなる22時頃。

スペインはとにかく日が長い。

完全に暗くなるのは22時ころ。

夕暮れや夜景を見ようと思うと、日本の感覚からすると信じられないくらい待たなければならない。

パラドールを出るとすぐ目の前にはライトアップされたクエンカの断崖絶壁。

なんとも幻想的な光景だ。

どこからが岩で、どこからが家なのか境目がわからない。

ずっと眺めていると、まるで家が岩に変えられてしまったかのように見えてくる。

いや、岩が下からぐにゅっと伸びてきて家を形作ったのではないかとも思えてきた。

なるほど、「魔法にかけられた街」というのも頷けるような気もする。

ライトアップされた橋を渡ってみる。

暗闇の中ぼうっと浮かび上がる橋。不思議と昼間の時より恐怖感は少なかった。

きっと下が見えないからだろう。

橋から来た方向へ振り替えると、山の上に光り輝くマリア像が見えた。

このマリア像もどうでしょうファンにはたまらない光景だ。

この美しいクエンカの夜景を背景に、大泉さんは「糸ようじ」「糸ようじ」と連呼し、番組を見たファンが一生忘れえないような笑いに引きずり込むことになった。

「水曜どうでしょう」『ヨーロッパ20カ国完全制覇 完結編』より

水曜どうでしょうを見ていない人にとっては全く意味不明なこの「糸ようじ」のやりとり。

しかしその意味を理解する人間にとっては「糸ようじ」という言葉は単なる糸ようじという言葉を超えた意味を持っている。

そしてこのクエンカという地も。

他人からすれば全く意味が見いだせない言葉や場所も、ある人からすれば聖なる言葉や聖地になりうるのだ。

いや、むしろ他人にはまったく意味がわからないからこそ、その言葉や土地は他とは区別された特別な意味を持つのかもしれない。

「自分達だけが知っている特別な言葉、特別な土地、特別なもの」

宗教を考えていく上でこれは非常に重要な要素だ。

自分とは異なる宗教を信じている人々が大切にしていることを、ぼくたちはなかなか理解できない。

彼らがそれを大切にしていること自体は理解できても、それを心の底から同じように大切にすることはできないのだ。

自分達にしかわからない大切なもの、重要なもの、聖なるもの。

これが宗教の持つ特徴のひとつなのではないかとぼくは思う。

みなさんも一度は仏様や神様に手を合わせたことがあることと思う。

ぼくたちは当たり前のようにそれを行い、そしてそれが大切なことであることもわかっている。

しかし、他の国や全く違った文化に生きる人からすれば、それは全く理解のできないことなのかもしれないのだ。

もしかしたら彼らの文化からすると不作法にあたってしまうことですらあるかもしれない。

ぼくたちは知らず知らずの内にぼく達しか知らない特別なことに囲まれて生きているのだ。

・・・・そうは言っても、「水曜どうでしょう」は宗教でもあるまいし、大げさなのでは?

たしかにそうかもしれない。

でもこれは一つの興味深い事例としてぼくは考えている。

どうでしょうファンしか知らない聖なる言葉と聖地。

宗教は他とは違った特別な何かであるかもしれないけれども、特別だからといって日常のことと切り離されたものではない。

ぼくにとっては身近な「水曜どうでしょう」からも何か学べることがあるのならそれも興味深いことだなとこのクエンカで特に感じたのであった。

続く

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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