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『METAL GEAR SOLID naked』あらすじと感想~MGS制作陣の声を聞けるおすすめ作品

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メタルギアファン必携!『METAL GEAR SOLID naked』概要と感想~MGS制作陣の声を聞けるおすすめ作品

今回ご紹介するのは2004年に角川書店より発行された『 METAL GEAR SOLID naked』 です。

これまで当ブログでは全体主義や冷戦時代について記事を更新してきました。そして最近では全体主義を扱った小説を紹介してきましたが、ここからは日本を代表するゲーム『メタルギア』シリーズについてお話ししていきたいと思います。

『メタルギア』シリーズは小島秀夫監督の下制作されたゲームで、そのシナリオは冷戦や反戦、反核をテーマに描かれています。

この作品についてゲームの25周年記念サイトでは次のように書かれています。

「敵に見つからないように隠れ、敵基地へ潜入する」。タクティカル・エスピオナージ(戦略諜報)アクション『メタルギア』シリーズは、1987年にMSX2専用タイトルとして誕生した。そして初代プレイステーションからプレイステーション3へ、またプレイステーション・ポータブルへ。ゲームハードにあわせてゲームデザインは進化していった。20世紀最高のストーリー、21世紀最高のゲームシステムと評された『メタルギア』シリーズは、ひとつのサーガとして読み解くことができる。それは1960年代から2010年代の約50年に渡って世界と闘い続けた2人の主人公、ビッグボスとソリッド・スネークの物語。彼らは「GENE(遺伝子)」の運命と戦い、「MEME(文化的遺伝子)」を未来に残すために語り伝えながら、「SCENE(時代)」の変化に翻弄されてきた。「歴史に記録されることのない、誰も知らない真実」がここにあるのだ。

メタルギアソリッドの真実ページより

そして実際にこのゲームがどのようなものであるかは以下の動画を観て頂ければ早いと思います。

さて、このゲーム『メタルギア』シリーズですが、実は私はプレイしたことがありません。

ですがこのシリーズの大ファンであります。

これはどういうことかというと、メタルギアシリーズはノベライズ(小説化)されていて、そのシナリオを作品として読むことができるのです。

私がこのメタルギアシリーズと出会ったのは元々は伊藤計劃さんの『虐殺器官』というSF小説がきっかけでした。そしてその伊藤計劃さんが『メタルギアソリッド4 ガンズオブパトリオット』のノベライズ作品を発表していたのを知り読んでみたのが始まりでした。そこからメタルギアシリーズにはまるのは、それこそあっという間のことでした。

それなら実際にゲームをすればいいではないかと私も思ったのですが、私はやはり本が好きなのです。やはり活字で感じるストーリーに惹かれてしまいます。

ですが、最近のYoutubeはものすごいもので、『観るMETAL GEAR SORID』なるシリーズでプレイ動画を編集した映像があります。これはまさしく映画のように見れる動画です。

これを観て、私はゲームをせずともメタルギアシリーズの雰囲気を知ることができました。これは非常におすすめです。

さて、今回紹介する『 METAL GEAR SOLID naked』 という本はそんなメタルギアシリーズ制作の舞台裏を知ることができる作品となっています。

監督の小島秀夫氏がどのような経緯でこの作品を生み出したのか。そしてこの作品に込められた思いはどのようなものだったのかを知ることができます。これはファン必見の一冊です。

そしてその中でも巻末に掲載されている小島監督の言葉がとても印象的でしたのでここに紹介します。

僕にとってのMGSとは「語る剣玉」である。勿論MGSはゲームであり、なによりもエンターテイメントだ。面白くなければならない。しかも、インタラクティブである。使い勝手がよくなければならない。自由度が高くなければならない。触れた者がみんな幸せにならなければならない。とはいえ、単なる遊び道具やコミュニケーションツールとして終わって欲しくはない。時間を浪費させるだけの、単なる「暇つぶしの剣玉」であってはならない。消費した時間分の見返りがユーザーの人生に還元されるモノが何かしら内包されていなければならない。それが僕のゲーム作りのオリジンであり、MGSシリーズを貫くコンセプトでもある。

例えば剣玉で人を殴れば、「そんな事はするな!」と説教をくれる剣玉、それがMGSだ。「剣玉」を遊び慣れることで何かを学び取って欲しい、何かに興味を持つ切っ掛けになって欲しい。賢人、教育者不在のこの時代に、できるなら「語る剣玉」で時代の綻びを補いたい。ゲームというメディアでこそ、それが可能なはず。その希望と確信があるからこそ、これまでMGSを作り続けてきた。「次の世代に残すもの」……。MGSが生まれた動機とMGSシリーズのテーマは同義である。

僕にとって映画や小説は特別なものだ。映画や小説がなければ今の僕はない。闇に取り込まれ、既に命を絶っていた事だろう。孤独な少年にエネルギーを与え続け、勇気づけてくれたのはりはり映画や小説だ。その恩返しを今、僕はゲームというメディアでしている。

多くの人はゲームは道具だ、メッセージは不要だという。またMGSユーザーの中にも「説教や能書きはいらないから、もっと遊ばせろ!」と云う人達がいる。しかし、僕にとってのMGSはそれこそが重要なのだ。その部分がなければMGSではない。すくなくとも、僕がゲームデザイン、監督するMGS 3部作(MGS3も含め)はそうである。


角川書店、『 METAL GEAR SOLID naked』P126

単なる時間つぶしのゲームではない、もっと深くて大事なものを伝えたい。それがこのシリーズを貫いていると小島監督は述べます。そしてその言葉通り、恐ろしいほどこの作品はメッセージ性の強い作品となっています。私はこのシリーズを読み、まさしくこれは現代を舞台にした神話だと感じました。それほどこの作品は作りこまれています。

「恐るべき作品」。そうとしか言いようがありません。

私はゲームをプレイしていません。ですが活字で編まれた物語だからこそ感じられるものもあります。

シナリオそのものをじっくり考えていけるのが本のいいところだと思います。もちろん、ゲームにはゲームのよさがありますし、そもそもメタルギアはゲームとして作られています。ゲームをしようとしない私の方が本来アウトローです。

ただ、ゲームプレイ動画を観ていて感じたのは、ゲームだと攻撃を受けたり、相手にダメージを与えて、ライフがゼロになったら勝敗が決するという仕組みです。これはほぼあらゆるゲームで一緒だと思います。ですが、現実世界ではたった一回でも攻撃が当たってしまったらもうゲームオーバーです。そのたった一回たりともミスが許されない空気はノベライズならではだと思います。もちろん、ノベライズでもキャラたちが超人的なのはそのままなのですが、たった一回きりという緊張感がノベライズにはあるのではないかと私は感じています。(ゲームをプレイしていないのにこんなことを言ってもいいのかわかりませんがお許しください)

ノベライズから知ることになったメタルギアシリーズ。ここで描かれる物語はまさしくこれまで当ブログでもお話ししてきたことと直結してきます。

この素晴らしい物語がぜひもっと多くの方に広まってほしい。心の底から思います。

今回は 『 METAL GEAR SOLID naked』 について紹介するつもりがあまりその内容には触れられませんでした。ただ、この本はこのシリーズがいかにして生まれてきたかを知るのに非常におすすめな作品です。小島監督が何に影響を受けてメタルギアを生み出したのかというのはファンにとっては非常に興味深いものです。

ぜひおすすめしたい作品です。

以上、「メタルギアファン必携!『METAL GEAR SOLID naked』MGS制作陣の声を聞けるおすすめ作品」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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