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『東南アジア上座部仏教への招待』概要と感想~日本と異なる東南アジアの仏教を知るのにおすすめ!

東南アジア上座部仏教への招待
目次

『東南アジア上座部仏教への招待』概要と感想~日本と異なる東南アジアの仏教を知るのにおすすめ!

今回ご紹介するのは2021年に風響社より発行された和田理寛、小島敬裕、大坪加奈子、増原善之、下條尚志、杉本良男著『東南アジア上座部仏教への招待』です。

早速この本について見ていきましょう。

似て非なる? もう一つの仏教! 豊富な現地調査や出家体験から語る、人々の信仰と実践、そして社会。待望の入門書。

Amazon商品紹介ページより

この本は東南アジアの国々の仏教の姿を知れるおすすめの参考書です。東南アジアには私達日本の仏教とは全く違う仏教が根付いています。その違いを知ることは「日本仏教」を知ることだけにとどまらず、「日本人とは何か」を考えるきっかけにもなります。

本書冒頭ではこの本について次のように述べられています。

上座部仏教とは何か。東南アジアの僧(お坊さん)は、日本の僧とどう異なるのか。上座部仏教徒はいつお寺に行き、どのように僧と接しているのだろうか。この本はそんな素朴な疑問に答えていきたい。

仏教を研究する方法は大きく二つある。ひとつは仏典を紐解きながら、ブッダの教えやその歴史的展開に迫るものである(この本で断りなく「ブッダ」と呼ぶときは仏教を始めたゴータマ・ブッダを指す)。もうひとつは現在の仏教徒たちが実際にどんな仏教を行っているかを明らかにする研究である。この本は後者のスタイルを用いて東南アジアの人々に実践されている上座部仏教の姿を伝えたい。

風響社、和田理寛、小島敬裕、大坪加奈子、増原善之、下條尚志、杉本良男『東南アジア上座部仏教への招待』P1

この本では東南アジア各国の仏教の教義を細かく見ていくというよりは、その国の仏教徒の生活や信仰の実践がどのようなものなのかを見ていく形を取ります。

もちろん、本書の第一章で上座部仏教とはそもそも何なのかをわかりやすく解説してくれるので、専門知識のない方にも優しい作りになっています。日本では「大乗仏教」と呼ばれる仏教が伝わり今に続いていますが、東南アジアの仏教は全く違った系統の仏教が信仰されています。両者の違いをわかりやすく解説してくれるこの作品は非常に貴重です。しかも入門者でも親しみやすく読めるような語り口で説かれるので、仏教だけでなく文化そのものを学びたいという方にも非常におすすめです。

上座部仏教とは何か、そしてそこに生きる人々の生活レベルでの仏教を知れるこの本はとても刺激的でした。日本仏教との違いや共通点を考えながら読むのはとても興味深かったです。

これはぜひぜひおすすめしたい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「『東南アジア上座部仏教への招待』~日本と異なる東南アジアの仏教を知るのにおすすめ!」でした。

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東南アジア上座部仏教への招待

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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