ボブ・トーマス『ディズニー伝説』~天才ウォルトを支えた実務家の兄ロイに注目した伝記!天才は支える人あってこそ!
本書の特徴は何と言ってもミッキーマウスの生みの親ウォルト・ディズニーの兄ロイ・ディズニーに焦点を当てている点にあります。
いくらウォルトの天才的な創造力があったとしても、それを実現する資金と環境を用意できなければ破滅しかありません。ウォルトの伝記でもそれは強調されていました。天才ウォルトは実務的なことが全く見えていません。彼が見ているのはその作品の究極のクオリティーだけなのです。無謀としか言いようのない計画をウォルトはいつもぶち上げます。普通なら絶対に無理なはずのその企画を実際に完成に導いた陰の功労者こそロイ・ディズニーというもう一人の天才なのでした。
天才も天才だけでは世に出てはいけない。支えてくれる実務家の存在も重要なのだということを感じさせられる一冊です。