資本論

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ジョナサン・ビーチャー『シャルル・フーリエ伝 幻視者とその世界』~フーリエのおすすめ伝記!

この作品は通俗的に書かれたものではなく、学問的研究にもたえうるものとなっています。かといって学術的すぎて一般読者にはさっぱりわからないという類の本でもありません。

私自身、楽しみながら読むことができましたし、意外な事実に驚くことが何度もありました。特にマルクスを学ぶためにフーリエを読もうとしていた私でしたが、ドストエフスキーとの関係性には何度も驚かされました。

この本では直接ドストエフスキーについての言及はありませんが、読んでいてドストエフスキーがフーリエのどこに惹かれたのかが何となく見えてくるような気がしました。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」記事一覧~マルクスは宗教的な現象なのか、時代背景と思想形成から考える

今回の記事では「マルクスとエンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」シリーズと題して紹介してきた全69回の記事をまとめていきます。

これらを読めばマルクスとエンゲルスの思想が生まれてきた背景をかなり詳しく知ることができます。 そしてこれはマルクス・エンゲルスを知るだけではなく、宗教、思想、文化、政治、いや人間そのもののあり方についても大きな示唆を与えてくれることでしょう。

関連記事も合わせると70記事以上の大所帯になりますが、このシリーズの目次としてこの記事を利用して頂けましたら嬉しく思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルスの代表作『空想より科学へ』~マルクス主義の入門書としてベストセラー!マルクス主義は宗教的現象か

難解で大部な『資本論』と、簡単でコンパクトな『空想から科学へ』。

この組み合わせがあったからこそマルクス主義が爆発的に広がっていったということができるかもしれません。

「マルクスは宗教的な現象か」というテーマにおいてこの記事では私の結論を述べていきます。エンゲルスはこの作品においてとてつもないことを成し遂げました。

この作品はマルクス思想を考える上で『資本論』と並んで決定的な意味を持つ作品です。ぜひ読んで頂きたい記事となっています

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルス『反デューリング論』概要と感想~マルクス主義伝播に巨大な影響を与えたエンゲルスの代表作

『反デューリング論』はマルクス主義の重要解説書として非常に重視されてきました。マルクスの著作、特に『資本論』は膨大で難解過ぎました。そんな書物のエッセンスを抽出し、マルクス主義をわかりやすく解説したものとして出版されたのがこの本です。

たしかにこの本は読みやすいです。

超難解な『資本論』に対してこうしたわかりやすくてドラマチックな物語が書かれた『反デューリング論』という存在があったことがマルクス主義の伝播にどれほど役に立ったかは計り知れません。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『資本論』を読んで~これは名著か、それとも・・・。宗教的現象としてのマルクスを考える

『資本論』はとにかく難しい。これはもはや一つの慣用句のようにすらなっている感もあります。

この作品はこれ単体で読んでも到底太刀打ちできるようなものではありません。

時代背景やこの本が成立した過程、さらにはどのようにこの本が受容されていったかということまで幅広く学んでいく必要があります。

私がマルクスを読もうと思い始めたのは「マルクスは宗教的現象か」というテーマがあったからでした。

ここにたどり着くまで1年以上もかかりましたが、マルクスとエンゲルスを学ぶことができて心の底からよかったなと思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ダーウィン『種の起源』概要と感想~世界の思想・世界観を一変させた「進化論」。マルクスとの関係も

この作品は科学的な本なので当然と言えば当然なのですが、物語的な、読者を惹き込むような語りはほとんどありません。とにかく淡々と言葉が並べられていくのみです。

ですがこうした淡々とした難解な文章の中に時折現れる「自然淘汰」「闘争」「進化」「自然選択」という強力な言葉たち。

これらの言葉たちがこの膨大で難解な書物の「要約」として独り歩きしていくことになります。

私にとって、この本が世界を席巻した理由に思いを馳せながら読んでいくのは非常に興味深い体験となりました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ジャック・バーザン『ダーウィン,マルクス,ヴァーグナー 知的遺産の批判』~なぜ彼らは世界を席巻したのか!その秘密に迫る名著!

この本は「ダーヴィンとマルクスがなぜこんなにも世界を席巻したのか」という、私が最も知りたかったことを解説してくれる刺激的な作品でした!これは面白いです!

この作品については以前マルクスの『資本論』を読んだ際にも参考にしました。

『資本論』はあまりに難解で膨大な作品ですが、「その理解不能さが逆に世の中から聖書のように扱われる大きな理由となった」という著者の説は非常に興味深いものがありました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『賃労働と資本』概要と感想~マルクスの代名詞「剰余価値」とは。『資本論』の入門書として評価される作品

たしかにこの作品を読んでいて「なるほどなぁ」と思う点もありますし、いかにして搾取が行われているかわかりやすい流れで書かれています。

しかし、それが本当に正しい理論なのかというと、それはかなり厳密に検証していかなければならないものだと思います。

簡単に矛盾を指摘できたりするようなやわな理論だったらここまで世界に影響を与えることなどできなかったでしょう。やはりマルクスの理論は難しい。ですがそれにも関わらず人を動かす圧倒的な煽動力がある。ここにマルクス思想の強さがあるように感じました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス・エンゲルス『共産党宣言』概要と感想~万国のプロレタリア団結せよ!マルクス主義のバイブルとは

マルクスがこの本を書き上げたのは30歳の時。あの『資本論』が出版されたのはここからさらに19年後の話です。

マルクスはすでに20代の頃から反体制派のジャーナリストとして亡命生活を送っていましたが世界的に有名というわけではありませんでした。

ですがそんなマルクスが書いたこの作品が「宗教の書物を除けば、現代までもっとも読まれた書物」となり、「この一世紀の間、世界の数億人が読み、そしてかなりのものにとって暗記してしまうほどの書物」となったのはまさに驚くべきことだと言えましょう。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』~唯物論的歴史観誕生の書として知られる未刊の1冊

『ドイツ・イデオロギー』は彼らの存命中には出版されず、1932年になって初めて日の目を見た作品でした。
この本を読んだことで彼らの思想を理解できたかといいますと、正直厳しいものがあります。

ですが、その厳しさを体感できたことが今回の収穫だったように思えます。マルクス・エンゲルスの難解さのひとつが「そもそも文意・文脈がつかめないという欠陥」によるものだということを知れたこと、そして原稿のすさまじさも見ることができたのはありがたかったです。