ソ連

ビリオネアインドインド思想と文化、歴史

J・クラブツリー『ビリオネア・インド』~インド版オリガルヒの存在!腐敗、縁故主義のインド超格差社会を学べる一冊!

2023年に中国の人口を追い越し、経済成長著しい大国インド。モディ首相率いるインドはこれからどこへ向かうのか。今や世界に巨大な影響を与える存在となった現代インドについて知るのにこの本はうってつけです。

『ビリオネア・インド 大富豪が支配する社会の光と影』という書名にあるように、この本ではインドにおける超富裕層をメインテーマに据えてインドを見ていきます。

この本で語られるインドの腐敗は凄まじいです。「これからの世界はインドが牽引する」とメディアなど様々な場所で語られていますがそんな単純にことが進むだろうかと疑問になるほどです。インドの発展がどうなるかというのは全くわかりません。一寸先は闇とはまさにこのこと。このカオスな国の行く末がどうなるか全く想像がつきません。

パヴロフ産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 パヴロフ』「条件反射」やパヴロフの犬で有名なロシアの偉大な科学者のおすすめ伝記!

「条件反射」や「パブロフの犬」といえば現代の脳科学や神経の研究とも直結してくる内容です。ですのでもっと最近のものであったり、イギリスやドイツ辺りで研究されていたものとすっかり思い込んでいました。

それがまさか19世紀のロシアだったとは!

ドストエフスキーやトルストイが科学をほとんど感じさせない心理的、宗教的著作を描いていたまさにその時、パヴロフが科学的研究に勤しんでいた・・・

これはロシア文学のことだけを考えていると、正直なかなかイメージできないものがありました。そういう意味でこの伝記は当時のロシアを科学といういつもとは違った切り口から見ることができたありがたい作品でありました。

読書 プラハ僧侶の日記

本好き僧侶が薦めるおすすめ小説24選~入門から上級編までレベルごとにおすすめ作品をざっくりご紹介!

今回の記事では読書の初心者から上級者までレベルごとにぜひおすすめしたい小説をご紹介していきます。

基本的にここで紹介する本はどれも私が自信を持っておすすめする名著です。そのいずれもが最高に面白い作品ですので入門編や上級編などの分類を気にせず興味が湧いた本についてはぜひリンク先のページも覗いてみて下さい。

名作の宝庫・シェイクスピア

扇田昭彦『日本の現代演劇』~戦後日本と演劇の流れをリンクして学べるおすすめ参考書

この本では1960年代に始まった小劇場運動からバブル経済を経た90年代の演劇までその歴史の流れを概観することができます。

特に思想の吹き荒れた安保闘争、学生紛争時代における演劇界には強い関心があったのでこのことについて詳しく知ることができたのは非常にありがたいものがありました。

そしてこの本を読んでいてとにかく感じたのは演劇人たちの熱気です。しかも並大抵の熱気ではなく、それこそ「すべてを賭けて戦う」という恐るべき本気さ・・・

時代の空気感と演劇の関係を重ねながら学べる本書は非常に興味深い作品でした。

名作の宝庫・シェイクスピア

ジーン・ベネディティ『スタニスラフスキー伝』~『俳優の仕事』で有名なロシアの伝説的な俳優・演出家のおすすめ伝記

この本では名俳優スタニスラフスキーの生涯を見ていくことになります。スタニスラフスキーは『俳優の仕事(旧訳は『俳優修業』)』という本で有名で世界の演劇界において凄まじい影響力を持ち、日本でもバイブルのように読まれていたそうです。その演劇論は「スタニスラフスキー・システム」と呼ばれ、今でもその影響力は健在なようです。

また、この本は単にスタニスラフスキーの生涯をなぞるのではなく、当時の時代背景も掘り下げていきます。そしてその時代背景においてスタニスラフスキーをはじめとした演劇人がどのように動いていたのかを知ることができます。
ものすごく面白い本でした!

ロマンス名作の宝庫・シェイクスピア

井上ひさし『ロマンス』あらすじと感想~チェーホフの生涯を喜劇化した傑作!私はこの作品に嫉妬する…!

タイトルに書きましたように、私はこの作品を読みながら「なんて見事な作品だろう・・・!こんな作品を生み出してしまうなんて!」と嫉妬してしまいました。

この作品はあまりに素晴らしすぎます。私もチェーホフが好きです。ですが井上さんはもっともっとチェーホフを深く理解し、愛している。そして彼の人生、思想をこんなに楽しく、深く表現しているのです。この劇で展開されるひとつひとつのエピソードや舞台展開の美しさ、どれをとっても「やられた!もうだめだ!すごすぎる!」とため息が出てしまうほどでした。どうしてこんなに楽しくも美しい劇を思いつけるのか!

私は今まで読書している最中にこんなにメラメラと嫉妬の炎が燃えるなんてことは経験したことがありませんでした。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

「ドストエフスキーの旅」を終えた私の思いと今後のブログ更新について~当ブログを訪れた皆さんへのメッセージにかえて

私はドストエフスキーが好きです。ですが、何よりも「アンナ夫人といるドストエフスキー」が好きです。 そんな二人の旅路が少しでも多くの人の目に触れるきっかけとなったらこんなに嬉しいことはありません。

この後、当ブログではローマについての記事を更新していきますが、私個人としてはこれから仏教の研究に突入していきます。いよいよ私は本丸に帰ってきました。インド、アジア、中国、日本とこれから仏教が伝えられてきたルートに沿ってその歴史と思想、文化を学んでいきます。そしてその最終目的は親鸞聖人の伝記小説を書くことにあります。私の研究もいよいよ新たな局面を迎えます。4年近くにわたった「親鸞とドストエフスキー」の研究に一片の悔いもありません。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(29)最愛の子アリョーシャの急死と『カラマーゾフの兄弟』のつながり~子煩悩の父としてのドストエフスキー

前回の記事では愛妻家ドストエフスキーの姿をご紹介しました。

そして今回の記事では父親としてのドストエフスキーを紹介して私の旅行記の締めくくりとしたい。

愛妻家ドストエフスキー、子煩悩の父ドストエフスキー。

妻と歩んだドストエフスキーを知る上で絶対に欠かせないエピソードをこれから皆さんにお話ししていきます。

子を愛したドストエフスキーということを知った上で『カラマーゾフの兄弟』を読めば読者の皆さんの心の中にきっとまた何か違うものが芽生えるのではないかと私は信じています。

名作の宝庫・シェイクスピア

岩淵達治『ブレヒト 人と思想64』~われわれはシェイクスピアを変えられる。もしわれわれがシェイクスピアを変えられるなら

この本はドイツの劇作家ブレヒトの生涯や時代背景、思想をコンパクトに知れるおすすめの作品です。

私がこの本を手に取ったのはシェイクスピアがきっかけでしたが、「演劇と時代背景」について考えることができたのは大きな収穫だったなと思います。

当時の演劇界の空気感を知れるこの本はとてもおすすめです。私も1ページ1ページ興味津々で読みました。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。