イタリア

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(19)ベルニーニ『ダヴィデ』~ベルニーニの驚異の集中力とミケランジェロの『ダヴィデ』との比較

私もボルゲーゼ美術館でベルニーニの魔術に引き込まれた一人です。専門家の石鍋真澄が述べるように、ダヴィデの視線の先には明らかにゴリアテがいます。そして今にも石を投げんとしているのが伝わってきます。その瞬間を私達は目撃しているのです。ベルニーニの彫刻は私たちの現実世界を吹き飛ばしてファンタジー、物語空間に強制的に引き込んでしまいます。この物語性、メッセージ性がベルニーニの真骨頂。20代前半にして彼はその域に到達していたのでした。恐るべき早熟の天才と言えるでしょう。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(18)ベルニーニ『アポロとダフネ』~初期の最高傑作!芸術の奇跡と称えられたボルゲーゼ美術館の至宝!

この記事ではベルニーニ初期の最高傑作として知られる『アポロとダフネ』という作品を紹介していきます。

私はこの彫刻が展示されている部屋に入った時、思わず「天才だ・・・!」と漏らさずにはいられませんでした。『プロセルピナ』もたしかにものすごい作品でしたがこれはさらに異次元の領域に達しています。「芸術の奇跡」と称えられたのも心の底からよくわかりました。

天才というのはこういうことかと感嘆せずにはいられません。言葉を失ってしまいました。それほど圧倒的な作品です。

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(17)ベルニーニ『プロセルピナの略奪』~驚異の肉感!信じられない超絶技巧に驚愕!ボルゲーゼ美術館所蔵の初期の傑作!

『ベルニーニ』の著者石鍋真澄に絶賛されていた彼の超絶技巧を私も間近で体感してきました。

著者が「そこには見る者を恍惚とさせる「技巧」がある」と述べるように、恍惚とせずにはいられません。「嘘でしょ!?」と思うほどの質感でした。指が食い込む肌の柔らかさに注目してください。これが本当に石なのかと目を疑いました。

ベルニーニは単に独創的なだけではありません。それを実現する超絶技巧があったからこそその独創性が生かされています。発想だけでは足りないのです。それだけでは単なる空想で終わってしまいます。確かな技術、いや圧倒的な技術という裏付けがあるからこその独創性なのだということを実感しました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 コペルニクス』~地動説を唱えたコペルニクスの生涯を知るのにおすすめの伝記!

コペルニクスといえば「地動説」を唱えた人物として有名です。「コペルニクス的転回」という言葉があるほど世界の常識を覆した偉人中の偉人です。

ですがこの人物に関してはその名や地動説については知ってはいたものの、いざこの人物がどのような人物でどんな生涯を送っていたのかについてはほとんど知りませんでした。

そんな私にとってこの『オックスフォード 科学の肖像』シリーズの伝記は非常にありがたいものがありました。

そしてこの伝記の特徴として、偉人が生きた時代背景も大切にしているという点があります。

コンパクトな伝記ながら時代背景も見せてくれるのは非常にありがたかったです。

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(16)ローマ・ボルゲーゼ美術館でベルニーニの初期作品やカラヴァッジョの名画を堪能!

この記事ではベルニーニの最初のパトロン、シピオーネ・ボルゲーゼの美術館であるボルゲーゼ美術館をご紹介します。

ここにはベルニーニの初期の作品がずらりと展示されています。彼の芸術家としてのスタートを学ぶのにこれに勝る場所はありません。若くしてすでに天才のきらめきを見せるその作品たちに私もただただ驚くしかありませんでした。

またこの美術館はカラヴァッジョのコレクションでも有名です。それらの名画もこの記事では紹介していきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(15)モーツァルト級の才能と驚異の頭脳を発揮する神童ベルニーニ~16世紀ローマの特殊な社会状況も紹介

ベルニーニの神童ぶりには驚くしかありません。ベルニーニはこの時代には珍しい長寿の人生を送りました(これもくしくもミケランジェロとも同じだ)。

そしてその長い人生の始まりからしてすでに傑出した才能を示していました。

審美眼の鋭いパトロン、ボルケーゼの目に留まったというだけでも驚異的なことです。しかも彼の手引きで様々な有力者に出会っても全く物怖じせずやり取りができてしまうその機知。末恐ろしい子どもです。

ベルニーニがいかに飛び抜けた存在だったかがこの記事で伝わることでしょう。

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(14)ローマバロック芸術の王ベルニーニとは!ローマの美の鍵はこの男にあり!この旅行記の主役をいよいよご紹介!

これより先バロックの天才ベルニーニの作品とその美の秘密についてじっくりと見ていきます。

芸術とはそもそも何なのか。なぜ私はこんなにもローマに惹き付けられるのか。その鍵がベルニーニにある。そしてそれを確かめんがために私はローマでベルニーニ詣でを決行したのでありました。

ベルニーニについて知ればもっともっとローマが楽しくなるのは間違いありません。現に私は今回のローマが楽しくて楽しくてなりませんでした。ローマはこんなにも奥深い所だったのかと驚嘆せずにはいられませんでした。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(13)関係者以外立入禁止のバチカン市国内部を特別に見学!サン・ピエトロ大聖堂の貴重な裏側も!

バチカン市国といえば世界最小の国家として有名です。その中にはサン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館という言わずもがなの大建築がありますが、バチカン市国には国家としての機構も当然あります。銀行や郵便局、裁判所などなど様々な施設が領内に存在します。ただ、大聖堂や美術館以外のエリアは関係者以外は立ち入り禁止のため、それらを目にすることは一般観光客にはできません。

ですが、なんと!そこに私は入場できることになったのでした!

この記事ではそんな私の体験をお伝えします。普段見ることのできないバチカンの姿を皆さんにご紹介します。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(12)マデルノの聖セシリア像に感動!~サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂の傑作彫刻をご紹介

マデルノは天才か・・・!私はこの像の前で凍り付いてしまいました。何が私をここまで惹きつけるのかはわかりません。ですがただただこの像に釘付けになってしまいました。

ローマにはベルニーニやミケランジェロなどの優れた彫刻が数多あります。ですが今回のローマ滞在で私が最も衝撃を受けたのはこの『聖セシリアの殉教』でした。時間の都合上一回しかこの聖堂を訪れることができなかったのが心残りで仕方ありません。もう一度でいいからこの像を見たいと、この記事を書いている今も胸が苦しくなります。

あまりに素晴らしい作品です!ローマで最もおすすめしたい彫刻の筆頭です!

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(11)美しすぎるサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂を訪ねて~現存するローマ最古のバシリカ様式と聖母信仰

サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂は単なる古の歴史建造物としてではなく、今も生きた信仰の場として大切にされています。

私もここに足を踏み入れた瞬間驚きで一瞬息が止まってしまいました。こんなに美しい場所だとは想像もしていませんでした。整然とした列柱、聖堂内のシンプルな構造、さらに天井や柱の上の四角い装飾にいたるまで非常に美しいです。

この聖堂はテルミニ駅からかなり近いです。来ようと思えばアクセスは容易なのでローマ滞在の折にはぜひ訪れてみてほしい場所です。非常に素晴らしい聖堂なのは間違いありません。