The Complete Works of Kanji Nishio, Volume 5: Light and Cliff - Nietzsche in His Final Years" - A recommended work that explains Nietzsche's thoughts just before he went insane.

『西尾幹二全集第五巻 光と断崖ー最晩年のニーチェ』概要と感想～発狂直前のニーチェの思想を解説したおすすめ作品

今回ご紹介するのは２０１１年に国書刊行会より発行された西尾幹二著『西尾幹二全集第五巻 光と断崖ー最晩年のニーチェ』です。

Let's take a quick look at the book.

Publisher Content Information

西尾幹二が最晩年のニーチェに敢然と挑み、誰も成し得なかったニーチェの哲学を集成する。
代表作『ニーチェ』の続編。

1.最晩年のニーチェ：光と断崖/
　幻としての『権力への意志』/
　ニーチェ『この人を見よ』(西尾幹二訳）/
　著作を「作る」ことを排した決定版ニーチェ全集の出現
2.ドイツにおける同時代人のニーチェ像
3.日本におけるこの90年の研究の展開 」
4.掌編 研究余滴/ニーチェと学問/方法的態度
後記

Kinokuniya BookstoreProducts Page.

The book includes "Nietzsche in his last years," which explains Nietzsche's work and his ideas just before he went insane.

前回までで紹介した『ニーチェ 第一部』and『ニーチェ 第二部』の続編にあたる論稿です。

ニーチェ最晩年の作品にはTwilight of the Idols.andAntichrist.", ,『この人を見よ』などニーチェ思想における重要な作品があります。

The author, Mr. Nishio, considers "Antichrist" to be the masterpiece of his later years, and devotes many pages to explaining it.

その中でも個人的に驚きだったのがドストエフスキーとの関係です。他の参考書ではニーチェがドストエフスキーの後期作品を読んでいたかは不明だとされていたのですが、西尾氏によるとEvil Spirits."andThe Moron.の影響が『アンチクリスト』には明らかに反映されていて、資料的な裏付けもしっかりとなされているとのことでした。

なぜそれが明らかになったかというと、西尾氏が参照しているのがドイツにおける新版のニーチェ全集であることがその大きな理由です。

If you are interested in learning more about "Twilight of the Idols," "Antichrist," and "Behold This Man," you will find this book very useful. It will give you a clear picture of the meaning behind these works and the background of their creation.

また、ニーチェの問題作『権力への意志』についての詳細な解説もこの本の魅力の一つです。『権力への意志』がどのように成立したのか、そしてその問題点はどこにあるのかということが詳細に語られます。この記事ではお話ししませんが、また改めて『権力への意志』についてはまとめたいと思います。

This book is more than just a commentary on Nietzsche; it also makes you think about how to deal with Nietzsche. I highly recommend this book to anyone interested in Nietzsche.

以上、「『西尾幹二全集第五巻 光と断崖ー最晩年のニーチェ』～発狂直前のニーチェの思想を解説」でした。

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