Stalingrad: The Fateful Siege 1942-1943" - A milestone in war non-fiction depicting one of the largest urban battles of the war between Germany and the Soviet Union.

German-Soviet War: The Soviet Union and the Nazis' War of Extermination

独ソ戦最大級の市街戦 戦争ノンフィクションの金字塔 アントニー・ビーヴァ―『スターリングラード―運命の攻囲戦1942-1943』概要と感想

今回ご紹介するのは2002年に朝日新聞社より出版されたアントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳『スターリングラードー運命の攻囲戦1942-1943』という本です。

Let's take a quick look at the book.

「人類史上もっとも過酷でもっとも残虐」と言われ、第二次世界大戦の帰趨を決めた独ソの戦いを、旧ソ連の未公開資料から個人の日記や手紙まで発掘する徹底的な調査をもとに、卓抜な語り口と構成で壮大な人間ドラマとして再現、『西部戦線異常なし』も凌駕すると絶賛を浴びた大作登場。サミュエル・ジョンソン賞、ウルフソン歴史賞、ホーソーンデン賞受賞。

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突入するソ連兵(1943年)Wikipedia.

The siege of Stalingrad was one of the largest battles that had a major impact on the outcome of the German-Soviet war.

The Battle of Moscow was a defensive battle in the suburbs, while the Battle of Leningrad was a siege. In contrast, this battle was characterized by a large-scale urban battle as well as the area surrounding Stalingrad. It was a battle in which the two sides hid from each other, deceived each other, and engaged in fierce fighting in a city in ruins from air strikes and artillery bombardment. The death toll in Stalingrad is said to have exceeded 800,000 on the Soviet side alone.

では、巻末の解説より、さらにこの本の内容を見ていきましょう。

本書は、イギリスの戦史作家アントニー・ビーヴァーが一九九八年に発表した話題の戦争ノンフイクション Stalingrad の全訳である。

第二次世界大戦の転回点となったスターリングラードの戦いを独ソの新資料をもとに丹念に描いた本書は、発表と同時に大きな反響を呼び、ハードカバー版とペーパーバック版の両方がイギリスのべストセラー第一位に輝いた。これは戦争ノンフィクションとしては異例のことである。

M・R・D・フット、ジョン・キーガン、マックス・へイスティングズといったイギリスの一流戦史家たちも《タイムズ》や《デイリー・テレグラフ》などの高級紙の書評で、本書に惜しみない賛辞を送った。

第二次世界大戦を左右した有名な激戦として、すでに語りつくされたかと思われたスターリングラード戦のノンフィクションが、なぜこれほどまでに注目を集めたのだろう。もちろんソ連邦の崩壊によって新たに西側に公開された資料を利用していることも理由の一つだが、書評が軒並み称賛しているのは、本書の語り口のすばらしさである。

著者ビーヴァーは元英国陸軍の機甲部隊将校で、著作活動に入るために陸軍を除隊後、戦争ノンフィクションのほかに四冊の小説を発表している。つまり、軍事の知識と物語作者としての才能をあわせ持っているということだ。

そのおかげで、本書は、部隊の動きや死傷者を羅列するだけの無味乾燥な戦況分析に終わっていないし、また出典の定かではない逸話をまとめただけの戦記読み物にも堕していない。

著者は膨大な資料や独ソの記録庫に眠る資料に丹念に目を通し、軍事の専門家としてその真贋を見極めて、疑いようのない証拠として読者にそれを提示する。まるで練達の弁護士のように事実を効果的に積み重ねながら、スターリングラードの戦いの真の恐怖を浮かび上がらせていくのである。
Some line breaks have been made.

朝日新聞社、アントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳『スターリングラードー運命の攻囲戦1942-1943』P529-530

この引用にもありますように、この本の臨場感はものすごいです。そして戦闘の経緯もかなり詳しく語られ、まるで小説を読んでいるかのように舞台が展開していきます。

ビーヴァーの語り口のなかでもとくに印象的なのは、効果的に挿入される両軍の兵士たちの肉声だろう。(中略)

ビーヴァーは本書執筆のために独ソ両軍の数多くの関係者から直接話を聞いており、そうした証言が各所にちりばめられている。また、戦後間もない時期に刊行された手記や回想録からの引用も効果的に用いられて臨場感を高めている。

しかし、本書でとりわけ印象的なのは、スターリングラード戦当時に書かれた日記や兵士の手紙などが使われている点である。前線でまさに死に直面している独ソ両軍兵士たちの手による生々しい言葉は、戦場での恐怖とその裏返しの楽天主義、一縷の希望といったものを読む者の心に強烈に焼きつけずにはおかない。(中略)

著者は、こうした肉声で作品に血を通わせながら、スターリングラードをめぐる独ソ両統帥部の動きや戦術を、神話や潤色を極力廃しながら冷静に描いていく。プロパガンダ的なソ連側資料には疑いの目を向け、ユダヤ人虐殺に関与していないというドイツ国防軍の主張には証拠を示して反論する。

そこで明らかになるのは、ドイツとソ連という、どちらも独裁者を戴くニつの国における人命の驚くべき軽視の実態である。批判的な言葉をロにしたソ連兵は政治将校によって情け容赦なく銃殺され、スターリングラード死守を命じられたドイツ兵は、満足な食糧も防寒具も与えられず、飢えと寒さでぼろ切れのように死んでいく。

歴史小説の著作もあるミステリー作家のアントニア・フレーザーは、「真夏に読んでいたのに、骨の髄まで震えあがった」と本書を評した。
Some line breaks have been made.

朝日新聞社、アントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳『スターリングラードー運命の攻囲戦1942-1943』P530-531

単なる戦況分析や出来事の羅列ではなく、そこにいた人々の肉声を組み込むことで血肉の具わった物語が浮かび上がってきます。ここがこの本の特徴となっています。

著者はさすが元機甲部隊将校だけあって、ときに複雑きわまりない戦術的状況を正しく把握し、作家としての才能を生かして一般の読者にもわかりやすい言葉で説明している。そのリーダビリティーの高さが、英米で多くの読者を獲得した大きな理由だろう。

本書はスターリングラード戦を描いたノンフィクションの決定版であるだけでなく、ニ〇世紀の最後を飾る戦争ノンフィクションの金字塔といって過言でない。戦史に関心のある読者だけでなく、ふだん戦史などめったに手にされない方々にもぜひ読んでいただきたい一冊である。
Some line breaks have been made.

朝日新聞社、アントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳『スターリングラードー運命の攻囲戦1942-1943』P531

訳者解説でも絶賛された本書ですが、この本はたしかに面白かったです。一気に読み込んでしまいました。

In this book, you will learn all about the battle of Stalingrad, which decided the course of the war between Germany and the Soviet Union.

After this battle, the Nazi German army was quickly rolling down the road to defeat.

モスクワ攻防戦では郊外での巨大な戦闘と冬将軍の到来を。

レニングラード包囲戦では信じられないほどの餓死者を出した惨劇を。

The Battle of Stalingrad will witness the largest urban battle in history.

Each battle in the war between Germany and the Soviet Union has had its own battles. And all of them are huge battles that are out of the ordinary.

It was my recent reading that shocked me with the sheer scale of the war between Germany and the Soviet Union.

This book is also highly recommended. It will give you an insight into the horror of urban warfare, in which deadly battles were fought to the death over positions only a few meters wide. I hope that you will pick up a copy of this book.

以上、「『スターリングラードー運命の攻囲戦1942-1943』戦争ノンフィクションの金字塔」でした。

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