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作曲家メンデルスゾーンは絵もプロ級だった!『メンデルスゾーン(夢人館7)』私もお気に入りのおすすめ画集!

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作曲家メンデルスゾーンは絵もプロ級だった!『メンデルスゾーン(夢人館7)』私もお気に入りのおすすめ画集!

今回ご紹介するのは1992年に岩崎美術社より発行された小柳玲子企画・編集『メンデルスゾーン(夢人館7)』です。

早速この本について見ていきましょう。

あの〈フィンガルの洞窟〉や〈真夏の夜の夢〉などの名曲で親しまれた作曲家が、ヨーロッパ各地への旅の途次に描いた、端整な風景画70余点がはじめて画集となった。音楽家としてではなく、画家・芸術家としても圧倒的な才能を放つ、メンデルスゾーンの絵画集です。

Amazon商品紹介ページより

メンデルスゾーンについてはこれまでも当ブログで紹介してきました。(※2023年12月29日追記 メンデルスゾーンのおすすめ伝記、ひのまどかさんの『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』がついに発売されました!)

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メンデルスゾーンはモーツァルトに並ぶ神童と呼ばれ幼い頃から抜群の才能を示していましたが、彼にはなんと絵の才能までありました。

この画集ではそんなメンデルスゾーンの素晴らしい絵を堪能することができます。

ここでその一部を紹介しましょう。

ダーラムのカテドラル=イギリス 1829年

こちらは本の表紙に出ていました絵です。これが作曲家のメンデルスゾーンによる作品だというのは驚きですよね。対象物の精密さから色彩の優しさ、絶妙な構図取りなど、もはやプロ顔負けです。初めて観た時は衝撃でした。

メンデルスゾーンと絵画についてこの本では次のように語られていました。

彼のスケッチや水彩画は、いわば〈私的な〉性格を持つものである。出来事を自分自身のために記憶しておくもの、あるいは家族や特定の受取人を想定した〈情報〉であって、公表する意図で書かれたものではなかった。彼は自分なりに、スケッチや水彩画をできるだけ完成させようと努力はしたが、それ以上の野心は持っていなかった。自分のスケッチについて語るときにみせる、手紙の中でのちょっとした自嘲的な表現は、絵という芸術創造にたいして、メンデルスゾーンがある種の距離を保っていたことを教えてくれる。とはいえ、彼は絶えず練習をしていたので、技術的には高いレべルに達していた。とくに一八四二年のスイス旅行のスケッチブック、さらに、一八四七年に描かれた一三枚のスイス旅行の水彩画が技術的にみても最高傑作であるといえる。これらの作品は完成されているかぎり、同時代の人々の風景画と比較しても劣ってはいない。「芸術家は誰でも自分の作品を恥じる必要はなかったのでしょう」と甥のセバスチァン・へンゼルは一八四七年に描かれた水彩画に関して語っている。

メンデルスゾーンは絵を描くのが好きで数多く描いた。その時には、水彩絵の具を使って描いたのであった。油絵の具は使ったことがなかった。スケッチブックが、たいていの旅行に持っていかれた。一ハニ九年のスコットランド旅行では、友人のカール・クリンゲマンと共同で、彼は一冊の日記帳、一冊のスケッチブックを完成した。

一八三七年の新婚旅行では、妻のセシルと一緒に描いた。また、彼は手紙にも時折スケッチを入れた。たいていはインクで急いでスケッチされたものだが、正確に描写されている。

スケッチや絵画の授業は、ゲーテの頃から上流階級では教養として行なわれていた。少年メンデルスゾーンに絵を教えたのは、べルリン建築学校の装飾画の先生、ヨへン・ゴットロープ・サムエル・レーゼル(一七六八ー一八四三)であった。

風景のスケッチでは、メンデルスゾーン少年は早く上達した。風景を描くことは、自然探究と同様、生涯彼の趣味であり、得意な領域でもあった。


岩崎美術社、小柳玲子企画・編集『メンデルスゾーン(夢人館7)』P24

メンデルスゾーンは風景画を好んでいました。そしてその視覚的な芸術センスは音楽にも生かされています。

メンデルスゾーンの曲の中で私が一番好きなのは「スコットランド」です。

特にこの曲の第一楽章、第二楽章はまるでその風景が浮かんでくるような音楽です。ぜひこれは聴いてみて下さい。メンデルスゾーンは「音の風景画家」と称されることもありますが、まさにぴったりの名だなと感じました。

この本ではそんなメンデルスゾーンの絵画について様々な解説を読むことができます。メンデルスゾーンの音楽と絵のつながりを学ぶには最高の一冊です。

そして何より、画集としてのこの本の素晴らしさ。

私はメンデルスゾーンの絵にすっかり惚れ込んでしまいました。

何かこれらの絵から優しくて柔らかい印象を受けるのです。そして穏やかで調和的なものも感じます。きっと彼の性格が出ているのではないだろうかと思ってしまいました。

仮にこれらの絵がメンデルスゾーンによるものだと知らなかったとしても、私はこの絵を好きになったと思います。それほど魅力的な作品でした。

この本にはずっと見ていたくなるような癒される絵がたくさん収録されています。音楽家としてのメンデルスゾーンだけでなく、画家としての顔も見れるこの画集には大満足でした。

やはりメンデルスゾーンは好きですね。この作曲家と出会えて本当によかったです。

メンデルスゾーンについてのわかりやすい解説動画がありますので、ぜひこちらもご覧になり彼の魅力を感じて頂けたらなと思います。以上、「作曲家メンデルスゾーンは絵もプロ級だった!『メンデルスゾーン(夢人館7)』私もお気に入りのおすすめ画集!」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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