MENU

『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』あらすじと感想~映画レミゼがいかにすごい映画かを知れるおすすめガイドブック!

目次

『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』概要と感想~ミュージカル『レ・ミゼラブル』が映画になるまでの物語。レミゼのおすすめガイドブック!

今回ご紹介するのは2013年に日の出出版より発行されたベネディクト・ナイチンゲール、マーティン・ハルマー著、山上要訳『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』という作品です。

早速この本の紹介を見ていきましょう。

27年以上前から、世界的成功を収めているミュージカル『レ・ミゼラプル』。43カ国、計6000万人以上の観客を楽しませ、感動を与えてきた作品は、いま多くのファンの心を躍らせ、数え切れない人々が観賞する映画となった。

本書では、元となったパリ公演が、作詞作曲のアラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンべルク、そしてプロデューサーのキャメロン・マッキントッシュの手によって数多の賞を受賞する作品へと成長した驚嘆すべき物語を、舞台と映画のビジュアル資料を使用して余すことなく解説。ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、へレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン、エディ・レッドメイン等、スター俳優たちが主要な役を務め、アカデミー賞を受賞したトム・クーパーが監督した映画についても、本書内に収められている以下のような20品目の思い出の印刷物や内部資料(複製)で、このすばらしい歩みを見せてくれる。

・バービカン劇場で上演された25周年記念公演ポスター
・初日祝いのパーティー招待状、プログラム抜粋、小道具表
・初演時の舞台美術と衣装デザイン
・映画のイメージ画、撮影セットのデザインなど多数

日の出出版、ベネディクト・ナイチンゲール、マーティン・ハルマー著、山上要訳『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』裏表紙

前回紹介した『『レ・ミゼラブル』をつくった男たち ブーブリルとシェーンベルク そのミュージカルの世界』はレミゼのミュージカル制作の裏側に迫る作品でしたが、この『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』はレミゼのミュージカル制作のスタートから2012年の映画化までの過程を知ることができます。

この本もまたものすごく面白かったです・・・!これはぜひおすすめしたい1冊です!

まずありがたいのは大量の写真やイラストの存在です。当時の様子が非常にイメージしやすいです。

そして解説の文章の読みやすさ。まるで小説を読んでいるかのような物語性を感じます。この本は全20章に分けてレミゼの映画化までの歴史が語られます。解説書というよりドキュメンタリー小説と言った方がぴったりかもしれません。ぐいぐい引き込まれます。

出演者や製作陣へのインタビューも絶妙に織り込まれ、彼らの声を生で聴いている感覚になります。

せっかくですのでこの本の目次も見ていきましょう。

目次

あらゆる夢を超えた夢 キャメロン・マッキントッシュ

第1章 発端
第2章 ユゴーとフランス
第3章 キャメロン・マッキントッシュ登場
第4章 ロンドン公演の準備
第5章 ロンドン公演開幕
第6章 ジャン・バルジャン
第7章 警部ジャべール
第8章 テナルディエ、ファンテーヌ、その他の重要人物
第9章 いざアメリカ
第10章 世界への広がり
第11章 学校公演版
第12章 砦の向こうに
第13章 25周年一明日はいつもやって来る
第14章 映画への旅路
第15章 監督のビジョン
第16章 ドリーム・チーム
第17章 内輪話
第18章 盛り上がっていこう
第19章 撮影開始
第20章 『レ・ミゼラブル』が持つパワー

日の出出版、ベネディクト・ナイチンゲール、マーティン・ハルマー著、山上要訳『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』P3

前半ではミュージカル『レ・ミゼラブル』誕生過程や原作者ユゴーやレミゼそのものの解説を聞くことができます。

そして中盤では前代未聞の人気となったミュージカル『レ・ミゼラブル』の舞台裏や世界の反響が語られていきます。写真もたくさんあるので当時の様子をより鮮明に知ることができます。レミゼがいかに観客に受け入れられていったかがドラマチックに語られます。

また、第6章から語られる登場人物の解説と舞台における役者さんのエピソードは圧巻です。ここを読めば「超一流」の作品に挑む「超一流」の舞台俳優さんがいかにすごいのかを感じると思います。ものすごく面白いです。鳥肌が立ちました。

そして後半ではいよいよ映画撮影の話に入っていきます。

監督は『英国王のスピーチ』で一躍有名になったトム・フーパー。

トム・フーパー監督の下、これまでのミュージカル映画とは全く違った斬新な方法で『レ・ミゼラブル』は撮影されていきます。

こちらの映像で語られますように、この映画はミュージカル映画史上、前代未聞の作品でした。

それまでは歌はスタジオで先に録音し、撮影は口パクで行っていました。

しかしレミゼは新しく開発された高性能マイクを駆使し、実際に歌いながらの撮影となりました。それによって役者さんたちがより感情を込めて演技することができるようになったのでした。

他にも画期的な演出が多々出てきます。

この本ではこの映像では語られない撮影の裏側がどんどん出てきます。この本を読めば映画を観る時の印象ががらっと変わると思います。この映画がいかにすごいのか、そしてレミゼの素晴らしさをもっともっと知ることができます。

この本はとにかく面白いです。

レミゼファン必見の一冊です。ぜひぜひおすすめしたい一冊です。これを読めばもっともっとレミゼを好きになること請け合いです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「『レ・ミゼラブルー舞台から映画へ』~映画レミゼがいかにすごい映画かを知れるおすすめガイドブック!」でした。

Amazon商品ページはこちら↓

レ・ミゼラブル―舞台から映画へ

レ・ミゼラブル―舞台から映画へ

次の記事はこちら

あわせて読みたい
西永良成『『レ・ミゼラブル』の世界』あらすじと感想~レミゼとナポレオン、革命の関係を解説した1冊 この本の特徴はなかなか通読されることの少ない『レ・ミゼラブル』の原作に込められたユゴーの思いを明らかにしていくところにあります。 この本では原作のエッセンスがコンパクトかつ絶妙にまとめられていてとてもわかりやすいです。

前の記事はこちら

あわせて読みたい
『『レ・ミゼラブル』をつくった男たち』あらすじと感想~ミュージカルのレミゼ制作現場に迫る1冊! この本を読んで原作からミュージカルを作り上げていくことがいかに高度な仕事なのかを思い知らされました。 今ではレミゼの映画や音楽に触れる度、こうした製作陣の超一流の仕事に思いを馳せています。 この本はミュージカルを楽しむ新たな視点を授けてくれます。この本もものすごくおすすめです。 レミゼファンはもちろん、舞台やミュージカル、映画などに興味のある方にもぜひおすすめしたい一冊です。

関連記事

あわせて読みたい
『レ・ミゼラブル』おすすめ解説本一覧~レミゼをもっと楽しみたい方へ 原作もミュージカルもとにかく面白い!そして知れば知るほどレミゼを好きになっていく。それを感じた日々でした。 ここで紹介した本はどれもレミゼファンにおすすめしたい素晴らしい参考書です。
あわせて読みたい
『レ・ミゼラブル』解説記事一覧~キャラクターや時代背景などレミゼをもっと知りたい方へおすすめ! この記事ではこれまで紹介してきた「レミゼをもっと楽しむためのお役立ち記事」をまとめています。 私はレミゼが大好きです。ぜひその素晴らしさが広まることを願っています。
あわせて読みたい
フランス革命やナポレオンを学ぶのにおすすめの参考書一覧~レミゼの時代背景やフランス史を知るためにも 『レ・ミゼラブル』の世界は1789年のフランス革命やその後のナポレオン時代と直結しています。これらの歴史を知った上でレミゼを観ると、もっともっと物語を楽しめること間違いなしです。
あわせて読みたい
ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』あらすじと感想~ユゴーの原作との比較 ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』解説とキャスト、あらすじ 原作の『レ・ミゼラブル』を読み終わった私は早速その勢いのままにミュージカル映画版の『レ・ミゼラブル...
あわせて読みたい
鹿島茂『「レ・ミゼラブル」百六景』あらすじと感想~時代背景も知れるおすすめの最強レミゼ解説本! この本はとにかく素晴らしいです。最強のレミゼ解説本です。 挿絵も大量ですので本が苦手な方でもすいすい読めると思います。これはガイドブックとして無二の存在です。ぜひ手に取って頂きたいなと思います。 また、当時のフランスの時代背景を知る資料としても一級の本だと思います。レミゼファンでなくとも、19世紀フランス社会の文化や歴史を知る上で貴重な参考書になります。
あわせて読みたい
ユゴー『私の見聞録』あらすじと感想~衝撃の実話が聞ける回想録!ユゴーの内面やレミゼの裏話を知れる... この本は1840年代から1850年代半ばの『レ・ミゼラブル』執筆に大きな影響を与えた時期のユゴーを知ることができる作品です。 この本ではレミゼにつながるユゴーの体験がいくつも出てきます。 レミゼが生まれてくる背景やユゴーが当時何に関心を持ち、どのような行動を取っていたかをこの本では知ることができます。これはとても興味深かったです。とてもおすすめな一冊です。
あわせて読みたい
ディヴィッド・ベロス『世紀の小説 『レ・ミゼラブル』の誕生』あらすじと感想~レミゼファン必見のおす... この本はものすごいです。とにかく面白い! 大好きなレミゼがどのようにして生まれ、そしてどのように広がっていったのか、そしてミュージカルとのつながりや物語に込められた意味など、たくさんのことを知ることができます。 「『レ・ミゼラブル』の伝記」というのはまさに絶妙な言葉だと思います。この本にぴったりの称号だと思います。 ぜひぜひおすすめしたい名著中の名著です!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次