2020年10月

プーシキン講演ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキンおすすめ作品一覧~ドストエフスキーの心の師匠!日本でマイナーなのがあまりにもったいない作家!

ドストエフスキーやトルストイを読まれた方なら特にプーシキンはおすすめです。彼らがいかにプーシキンの影響を受けているかがわかり、読んでいてとても興味深い体験になると思います。

ぜひこのページをきっかけにプーシキン作品に触れて頂けましたら幸いでございます。

大尉の娘ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『大尉の娘』あらすじと感想~プガチョフの乱を題材にした晩年の最高傑作

『大尉の娘』はその無骨なタイトルの影響もあるかもしれませんが、なかなか一般の人が「おっ、これ読んでみようかな」となるような本ではありません。

ですがこの状況は非常にもったいないように思います。

彼の作品たちがマイナーな古典として眠り続けるのはとてつもない損失のように思えます。

プーシキンは本当に面白い作品をたくさん出しています。現代小説と比べても全く遜色ありません。古典だからと敬遠するのはもったいないです。驚くほど読みやすく、そして内容の濃さも超一流です。

駅長ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン作品の特徴と偉大さの秘密はどこにあるのだろうか~『スペードの女王』を題材に

プーシキン作品の特徴はその「叙述の自然さ、明晰・簡明・機智」にあります。

もう少しざっくりと言うならば「余計な言葉を極力減らし、よりシンプルに!」ということになります。

プーシキンはむやみやたらに長い文章を嫌いました。そして当時ヨーロッパで流行していたとにかく大げさな表現を避けようとしたのです。

そのことについてちょうどわかりやすい例として挙げられるのが『スペードの女王』という作品になります。この記事では『スペードの女王』を題材にプーシキンの特徴と魅力の秘密に迫っていきます

駅長ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『スペードの女王』あらすじと感想~ドストエフスキーの『罪と罰』にも大きな影響!

ドストエフスキーがこの作品に大変な感銘を受け、絶賛したということで読み始めた『スペードの女王』でしたが、これは面白い作品です。

ストーリー展開もスピーディーで文庫本で50ページ少々というコンパクトな分量の中に特濃な世界観が描かれています。

シンプルに面白い!王道中の王道の面白さがこの作品にはあります。

ページ数も少ないので手に取りやすいのも嬉しいポイントであります。ちょっとした読書にももってこいの作品です。

個人的にはプーシキン作品の中で最もおすすめな作品です。

青銅の騎士ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『青銅の騎士』あらすじと感想~ゴーゴリ・ドストエフスキーの「ペテルブルグもの」の元祖

『青銅の騎士』が後のロシア人作家に与えた影響は並々ならぬものがあります。

こうした文学的な影響力もさることながら、ひとつの読み物としてもとても面白い作品です。さすがプーシキンの傑作と呼ばれるだけあります。

プーシキンらしく簡潔かつ研ぎ澄まされた表現でどんどん物語が動いていきます。現実と幻想が絶妙に入り混じったプーシキンの世界観がいかんなく発揮されています。これは面白いでした。

駅長ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『駅長』あらすじと感想~『カラマーゾフ』のあの名シーンはここから来ていた!?

かつて私は『カラマーゾフの兄弟』の「スネギリョフがもらった金を踏みつける有名なシーン」を初めて読んだ時、「なんでドストエフスキーはこんなことを思いつけるのだろう!なんて化け物なんだ!」と学生ながらに感動したものでした。

ですがそのシーンに似たシーンがまさに、この作品にあったのです。若い頃から暗記するまでに読みふけっていたプーシキンからこういう風にドストエフスキーはインスピレーションを受けていたのです。これは衝撃でした。

石の客ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『ペスト流行時の酒もり』あらすじと感想~疫病の極限状態でロシア人は何を思うのかをプーシキン流に問うた名作

ひとつ前の記事で紹介しました『石の客』でもそうでしたが、この作品でもプーシキンは従来の作品とは異なる視点でこの物語を書き換えます。

ページ数にして20ページにも満たないコンパクトな作品ながらこの作品に込められた主題はあまりに根源的です。プーシキンはたった20ページ弱の物語でそれを見事なまでに凝縮し、芸術にまで高めました。

短いながらも強烈なインパクトを残す作品でした。苦悩や絶望、死に対して私はどんな向き合い方をするのかということを考えさせられた作品でした。

凄まじい名作です

石の客ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『石の客』あらすじと感想~プレイボーイの代名詞「ドン・ファン」をロシア流に翻案した名作悲劇

プーシキンは既成のドン・ファン像をそのまま採用することはしませんでした。

彼の描くドン・ファンはたしかにプレイボーイではあるのですが、スペインやイタリア、フランスのように女をもてあそんでは捨てるというような軽薄な男ではありません。

ドストエフスキーがプーシキンを高く評価するのも、こうした彼の独特な世界の見方とそれをロシア人の心に響くものにまで磨き上げた点にあるのでした。

プーシキンは読めば読むほどその革新性や後代に与えた影響力の大きさを感じさせられます。

この作品もとても面白い作品でした。非常におすすめです。

石の客ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『モーツァルトとサリエーリ』あらすじと感想~天才が天才に抱く嫉妬の物語。ぜひおすすめしたい傑作!

『モーツァルトとサリエーリ』は日本においてはマイナーな作品ですがこれは逸品です。もっと世に出てほしい作品です。とってもおすすめです。読めばわかります。プーシキンはすごいです。そのすごさをこの作品で特に感じました。

正直私にとってこの作品がプーシキン作品の中で最も好きな作品かもしれません。

ぜひ読んで頂けましたら嬉しく思います。