プーシキン『吝嗇の騎士』あらすじと感想~ドストエフスキー『未成年』に強烈な影響を与えた傑作小悲劇
この作品はドストエフスキーと非常につながりの深い作品として有名です。
ドストエフスキーは無から作品を創造したのではありません。多くの偉大な先達の作品を長い時間をかけて自らに取り込み、そこからドストエフスキー流の世界観を表現していったのです。
『吝嗇の騎士』は直接的には『未成年』に最も強い影響を与えた作品ですが、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』にも影響を与えていると考えるとまた興味深いです。
この作品はドストエフスキーと非常につながりの深い作品として有名です。
ドストエフスキーは無から作品を創造したのではありません。多くの偉大な先達の作品を長い時間をかけて自らに取り込み、そこからドストエフスキー流の世界観を表現していったのです。
『吝嗇の騎士』は直接的には『未成年』に最も強い影響を与えた作品ですが、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』にも影響を与えていると考えるとまた興味深いです。
『ボリス・ゴドゥノフ』はプーシキンの歴史観を知る上で非常に重要な作品です。
ドストエフスキーも当然この作品を熟読しており、その歴史観を彼の内に取り込んでいます。ドストエフスキーの民衆愛はこういうところからも影響を受けているのかもしれません。
イヴァン雷帝亡き後のロシアの歴史を知る上でもとても興味深い作品ですのでおすすめの作品です。
ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』と鹿島茂氏の『デパートを発明した夫婦』を読めば百貨店の誕生の過程やその繁栄の秘密をかなり詳しく知ることができます。
私は経済学者でもビジネスの専門家でもありませんのでこうしたことを言うのは僭越なこととは思いますが、文学、思想、社会という視点から百貨店を見ていくのも非常に興味深いことなのではないかと思います。
ニュースを見て改めてゾラの視点というのは現代にも必ず生きてくると感じた今日この頃でありました。
『現代の英雄』は後の作家たちに大きな影響を与えました。
特に、「しかしこのような風俗的亜種を生み出したのも、作品にそれだけ強い毒が含まれているということであって、人間の魂の暗い部分、いわゆる存在の「悪」の意味をドストエフスキイに先んじてつかまえていたこの作品は今日もその新鮮さを失っていない。」とロシア文学者川端香男里氏が述べるのは非常に重要です。
ロシア文学に特有の、人間の本質に迫るどろどろした展開はここに根があったのです。
バイロンは後の作家たちに多大な影響を与えました。プーシキンもその一人です。
そしてそのプーシキンを深く敬愛していたドストエフスキーもバイロンを読み込み、そして『オネーギン』を通してバイロン的なるものへの思索を深めていったのでありました。
こうして考えてみると改めて、あらゆるものは繋がっているのだなと感じさせられました。
『マンフレッド』は近代人の自我の悩みを描いた古典中の古典です。その迫力は今でも色あせないものがあると感じました。言っていることに全然古さを感じさせないです。
2020年10月13日、宗祖親鸞聖人報恩講をお勤めしました。 コロナウイルス禍にもかかわらず多くの方にお参りを頂きました。 今年は春のお彼岸や永代経法要も中止となり、御門徒の皆様とこうして共にお参りすることもなかなか叶わ…
『エヴゲーニイ・オネーギン』はプーシキンの代表作であり、ロシア文学史上最高傑作の一つに数えられています。
この作品はドストエフスキーに多大な影響を与え、彼の最晩年のプーシキン講演の中心主題もこの『エヴゲーニイ・オネーギン』でした。
そしてこの作品は19世紀ロシアだけではなく、今でもロシア人に愛されています。
私の通うロシア語教室の先生も「プーシキンは私たちの全てです。彼は本当に素晴らしいです。ロシア人の心が彼の詩にあります」と仰られていました。
プーシキン講演はドストエフスキーが亡くなる前の年の出来事です。
病気が進行し『カラマーゾフの兄弟』の執筆だけでもやっとの状態で、命がけで臨んだ講演です。
おそらくこの遠征が彼の命を縮めることになってしまったのかもしれません。
ですが彼にとってプーシキンという詩人に対する思いはそれほどのものだったのです。命をかけてでも臨むべき戦いだったのです。
ロシアの国民詩人プーシキンはドストエフスキーが最も愛し、最も尊敬した文学者です。
ドストエフスキーは幼い頃から彼の詩にのめり込み、最晩年までずっと彼の作品と共にありました。
そんなプーシキンですが日本では名前は知られてはいるものの、どのような人物であるのか、どんな作品を世に残したのかとなるとほとんど知られていません。
今回の記事ではそんなプーシキンについてざっくりとお話ししていきます。
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