プーシキン

変わりゆく村スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

M・ウィクラマシンハ『変わりゆく村』あらすじと感想~スリランカの傑作長編!ドストエフスキーやチェーホフとの関連も!

日本ではあまり知られていない作品ですが、世界的にも評価されている素晴らしい小説です。私も実際に読んでみてその素晴らしさを堪能することとなりました。

スリランカでの生活が目の前に現れるかのような、没入感ある小説です。ドストエフスキーやチェーホフが好きな人には特にフィットする作品だと思います。

これからこの三部作全てを読んでいきますが、そのスタートからして圧倒的なクオリティを感じた一冊でした。

ドストエフスキードストエフスキー作品

ドストエフスキーおすすめ作品4選!ロシア文学の面白さが詰まった珠玉の名作をご紹介!

あのトルストイと並ぶロシアの文豪、ドストエフスキー。

ドストエフスキーといえば『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』など文学界では知らぬ者のない名作を残した圧倒的巨人です。彼は人間心理の深層をえぐり出し、重厚で混沌とした世界を私達の前に開いてみせます。そして彼の独特な語り口とあくの強い個性的な人物達が織りなす物語には何とも言えない黒魔術的な魅力があります。私もその黒魔術に魅せられた一人です。

この記事ではそんなドストエフスキーのおすすめ作品や参考書を紹介していきます。またどの翻訳がおすすめか、何から読み始めるべきかなどのお役立ち情報もお話ししていきます。

ドストエフスキー論

星野立子『シェイクスピアとロシアの作家・演劇人たち』~ドストエフスキーやトルストイとのつながりを知れるおすすめ作品!

この本はタイトル通り、シェイクスピアとロシアの作家・演劇人たちとのつながりについて書かれた作品です。

この本ではプーシキンやドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、スタニスラフスキー、パステルナークと、ロシア文学界の大御所がずらりと並んでいます。

ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフと、ロシア文学を考える上で絶対に避けることのできない重鎮たちとシェイクスピアのつながりをじっくり見ていけるこの本はとても貴重です。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

(28)「限りなく天国に近い教会」ツミンダ・サメバ教会とエリア修道院でカフカースの絶景を堪能

カフカース(コーカサス山脈)の拠点カズベキについた私は早速「限りなく天国に近い教会」と言われるツミンダ・サメバ教会へと向かいました。

笑ってしまうほどの悪路を走り教会へ到着。ジョージアの誇る絶景を堪能しました。

また、カズベキの町からすぐそばの絶景ポイント、エリア教会付近も散策し、カフカースの山の迫力を感じました。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

(27)いざトルストイも歩いたコーカサス山脈へ!雄大な軍用道路に圧倒される!

アルメニア滞在を終えトビリシに戻ってきた私は1日の休息の後、いよいよこの旅の最大の目的地コーカサス山脈へと出発しました。

首都トビリシからコーカサス山脈へと向かう道は軍用道路と言われ、かつてロシア王朝がジョージア征服のために切り開いた道として知られています。トルストイやプーシキンもまさにこの道を通ってこの地にやって来たのです。

この記事ではそんな軍用道路とコーカサス山脈についてお話ししていきます

フランス文学と歴史・文化

R.J.ゴールドスティーン『政治的検閲―19世紀ヨーロッパにおける』激動の19世紀。出版・音楽・文化はどんな意味を持っていたのか

この本は19世紀における検閲とは実際にいかなるものだったのかということを様々な角度から詳しく見ていきます。

出版の検閲に関してはこれまで当ブログで紹介してきたロシア文学もかなり関係が深い項目です。ドストエフスキーもツルゲーネフもトルストイもチェーホフも皆検閲に苦しめられています。

ロシア文学だけでなくヨーロッパ各国でどのような検閲が行われているかということが知れて非常に興味深い1冊でした。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『カフカースのとりこ』あらすじと感想~トルストイ作の子供向け教科書にも収録されたカフカース物語

トルストイは子供たちの教育に並々ならぬ熱意を抱いていました。

自分の邸宅を学校として開放し、自ら教え、ついには自分で教科書を作ってしまうほどでした。

今作『カフカースのとりこ』はそんな自作教科書に収録された作品になります。

『カフカースのとりこ』というタイトルから私は最初、カフカースに夢中になる話かと思ってしまっていたのですが「捕虜」の「とりこ」でした。

この作品も芸術家トルストイらしい見事な自然描写と、究極の人間観察家トルストイの特徴が出ています。

ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『カフカースの捕虜』あらすじと感想~雄大な自然と異国の文化を描くロマン溢れるカフカースの物語詩

この作品はカフカースを訪れていたプーシキンがその地で得たインスピレーションをもとに書き上げた物語詩です。

この作品を読んでいてやはり思うのはプーシキンらしい、ロマンチックな情景描写です。カフカースの雄大な景色の描写はとにかくカッコいいです。読んでいて思わず興奮してしまうような不思議な高揚感があります。感情に訴えかける力が凄まじいです。「これぞプーシキン!」という名作です

ロシアの巨人トルストイ

バーリン『ハリネズミと狐』概要と感想~トルストイの『戦争と平和』についての貴重な参考書

トルストイを学んでいてつくづく思うのですが、ドストエフスキーと比べてトルストイの参考書は明らかに数が少ないです。しかもそれぞれ個々の作品に特化したものとなればほとんどなくなってしまいます。

そんな中今回ご紹介する『ハリネズミと狐』は非常に貴重なトルストイ作品の参考書となっています。

この作品ではトルストイの特徴と『戦争と平和』を題材にした彼の歴史哲学を学ぶことができます。刺激的で面白い本ですのでぜひぜひおすすめしたい参考書です。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『襲撃(侵入)』あらすじと感想~戦争に正義はあるのかと問う若きトルストイのカフカース従軍

この作品は1852年にカフカースに向けて出発し、従軍経験をした若きトルストイによる実体験をもとにした小説になります。

トルストイはこの時のカフカース体験に大きな影響を受けていて、彼は晩年になると戦争反対、非暴力を強く主張します。

それはこの時に感じた戦争への疑問が残り続けていたからかもしれません。