ゴーゴリ『外套』あらすじと感想~小官吏の悲哀に満ちた日々~ドストエフスキー『貧しき人びと』に直結
『外套』はドストエフスキーを理解する上でも非常に重要な作品と言えます。
また当時のロシア社会を知る上でも興味深い作品です。ロシアの小役人たちの生態をゴーゴリはユーモアを交えて語っています。
ドストエフスキーは『外套』を下敷きに彼独自の物語を書き始めます。それが彼のデビュー作『貧しき人びと』だったのです。
『外套』はドストエフスキーを理解する上でも非常に重要な作品と言えます。
また当時のロシア社会を知る上でも興味深い作品です。ロシアの小役人たちの生態をゴーゴリはユーモアを交えて語っています。
ドストエフスキーは『外套』を下敷きに彼独自の物語を書き始めます。それが彼のデビュー作『貧しき人びと』だったのです。
ドストエフスキーはゴーゴリの『狂人日記』、『鼻』の影響を強く受けて彼の二番目の作品『二重人格』を作り上げました。
ゴーゴリの作品を読むことでドストエフスキーが何を言いたかったのかがより明らかになってくるように思えます。
作品としても『狂人日記』、『鼻』は非常に面白いです。シュールな笑いの極みと言ってもいいかもしれません。
シュールな笑いの好きな方はまずはまると思います。
ゴーゴリ作品の中でもずば抜けて読みやすい作品となっていますのでとてもおすすめです。
この作品はサンクトペテルブルクで最も賑わうメインの大通りである「ネフスキイ大通り」を舞台にした物語です。
ネフスキイ通りは不思議な魅力を持った通りで、誰しもがこの通りにうっとりさせられてしまうとゴーゴリは言います。
しかしこの華やかな通りに騙されてはいけない。ここではあらゆる不思議なことが起こるのだと彼は言い、物語が始まっていきます。
ゴーゴリはこの作品をきっかけにいくつもの「ペテルブルクもの」を執筆していくことになります。
そしてそれらの作品群がドストエフスキーにも大きな影響を与えていくことになったのです。
これまでの記事でドストエフスキーが最も敬愛していたプーシキンについてお話ししてきましたが、今回からそのプーシキンの後にロシア文学界を牽引したゴーゴリについてお話ししていきます。
ゴーゴリもドストエフスキーが非常に好んでいた作家で、彼のデビュー作『貧しき人びと』はゴーゴリの影響を強く受けていると言われています。
また、晩年には彼の子どもたちにゴーゴリの『タラス・ブーリバ』を読んで聞かせたりするなど、生涯を通してこの作家に対する愛情がうかがわれるエピソードが残っています。
ドストエフスキーやトルストイを読まれた方なら特にプーシキンはおすすめです。彼らがいかにプーシキンの影響を受けているかがわかり、読んでいてとても興味深い体験になると思います。
ぜひこのページをきっかけにプーシキン作品に触れて頂けましたら幸いでございます。
『大尉の娘』はその無骨なタイトルの影響もあるかもしれませんが、なかなか一般の人が「おっ、これ読んでみようかな」となるような本ではありません。
ですがこの状況は非常にもったいないように思います。
彼の作品たちがマイナーな古典として眠り続けるのはとてつもない損失のように思えます。
プーシキンは本当に面白い作品をたくさん出しています。現代小説と比べても全く遜色ありません。古典だからと敬遠するのはもったいないです。驚くほど読みやすく、そして内容の濃さも超一流です。
プーシキン作品の特徴はその「叙述の自然さ、明晰・簡明・機智」にあります。
もう少しざっくりと言うならば「余計な言葉を極力減らし、よりシンプルに!」ということになります。
プーシキンはむやみやたらに長い文章を嫌いました。そして当時ヨーロッパで流行していたとにかく大げさな表現を避けようとしたのです。
そのことについてちょうどわかりやすい例として挙げられるのが『スペードの女王』という作品になります。この記事では『スペードの女王』を題材にプーシキンの特徴と魅力の秘密に迫っていきます
ドストエフスキーがこの作品に大変な感銘を受け、絶賛したということで読み始めた『スペードの女王』でしたが、これは面白い作品です。
ストーリー展開もスピーディーで文庫本で50ページ少々というコンパクトな分量の中に特濃な世界観が描かれています。
シンプルに面白い!王道中の王道の面白さがこの作品にはあります。
ページ数も少ないので手に取りやすいのも嬉しいポイントであります。ちょっとした読書にももってこいの作品です。
個人的にはプーシキン作品の中で最もおすすめな作品です。
『青銅の騎士』が後のロシア人作家に与えた影響は並々ならぬものがあります。
こうした文学的な影響力もさることながら、ひとつの読み物としてもとても面白い作品です。さすがプーシキンの傑作と呼ばれるだけあります。
プーシキンらしく簡潔かつ研ぎ澄まされた表現でどんどん物語が動いていきます。現実と幻想が絶妙に入り混じったプーシキンの世界観がいかんなく発揮されています。これは面白いでした。
かつて私は『カラマーゾフの兄弟』の「スネギリョフがもらった金を踏みつける有名なシーン」を初めて読んだ時、「なんでドストエフスキーはこんなことを思いつけるのだろう!なんて化け物なんだ!」と学生ながらに感動したものでした。
ですがそのシーンに似たシーンがまさに、この作品にあったのです。若い頃から暗記するまでに読みふけっていたプーシキンからこういう風にドストエフスキーはインスピレーションを受けていたのです。これは衝撃でした。