独ソ戦

カフカの街プラハとチェコ文学

チャペック『白い病』あらすじと感想~戦争直前の世界で突如流行し始める未知の疫病!人類の命運やいかに!

この作品は戯曲形式で書かれたSFで、ページ数にして文庫本で150頁少々とかなりコンパクトな作品となっています。ですが彼の代表作『ロボット』と同じく、驚くべき濃密さです。物語に引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。この作品もチャペックの魅力がこれでもかと詰まっています。非常におすすめな作品です。

お知らせ

函館市立青柳中学校にて総合学習の授業をさせて頂きました

2021年10月20日、函館市立青柳中学校、総合学習の授業にて私の世界一周の旅で訪れたアウシュヴィッツのお話をさせて頂きました。

この青柳中学校での授業は、私にとってまさに子供の教育に関わる仕事の「初陣」となりました。これから先も、私の大切な初陣としてこの日のことは忘れられないと思います。本当に嬉しい一日になりました。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

B・シュタングネト『エルサレム〈以前〉のアイヒマン 大量殺戮者の平穏な生活』~「悪の陳腐さ(凡庸さ)」論が覆る!?

アーレントの「悪の陳腐さ」論が覆されかねない衝撃の作品です!

この本で明らかにされるアイヒマンは「悪の陳腐さ」とは真逆の姿です。アーレントはエルサレムで周到に計画されたアイヒマンの罠にかかってしまったことがこの本で語られます。アイヒマンは単なる権力の歯車などではなかったのです。恐るべき一冊です。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレントの「悪の陳腐さ」は免罪符になりうるのか~権力の歯車ならば罪は許される?ジェノサイドを考える

アーレントの「悪の陳腐さ」は罪を逃れるための免罪符になってはいないだろうか。これがふとスレブレニツァやルワンダの虐殺を学ぶ過程で私が感じてしまった疑問でした。加害者たちは「仕方がなかった」と自分の行動の責任を考えようとはしません。ですがそれではたしてよいのでしょうか。そのことをこの記事で今一度考えてみました。

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

トニー・ジャット『20世紀を考える』~悲惨な歴史を繰り返さないために私たちは何をすべきか

戦前、戦中、戦後ヨーロッパの歴史の大家である二人の対談は非常に興味深いものでありました。聴き手と受け手の化学反応とはこういうことなのだなということを感じました。圧倒的なレベルの知識人同士が本気で世界について語り合う。それがこの作品です。この二人の織りなす対談にとにかく圧倒される読書になります。

仏教コラム・法話

末木文美士編『死者と霊性―近代を問い直す』コロナ禍の今、死とどう向き合うか

この本はコロナ禍における今だからこそ非常に重要なものとなっています。 私たちは病や死をどう考えていけばいいのだろうか。目に見えない存在に対してどう向き合うべきなのか。科学や合理性を盲信するあまり大事なことを見失ってはいないだろうか。 そのようなことを考えさせられる1冊です。

今、私達の死生観が問われています

ニーチェとドストエフスキー

ニーチェ『偶像の黄昏』あらすじと感想~ドストエフスキー、フランクル『夜と霧』とのつながりとは

『偶像の黄昏』は価値転換の書というべき、私たちの価値観を揺さぶる強烈な言葉が続きます。

そしてここで語られる内容はこの直後に発表される『反キリスト者(アンチクリスト)』という作品に直結していきます。

キリスト教というこれまでの歴史を形作ってきた道徳体系に鉄槌をくださんとするニーチェの試みがこの作品でなされます。

また、この作品が書かれる直前の1887年にニーチェはドストエフスキー作品に出会い、衝撃を受けています。

この記事ではそんなドストエフスキーとの繋がりからもニーチェを考えていきます。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

ソ連兵は何を信じ、なぜ戦い続けたのか~「独ソ戦に学ぶ」記事一覧

この本では一人一人の兵士がどんな状況に置かれ、なぜ戦い続けたかが明らかにされます。

彼ら一人一人は私たちと変わらぬ普通の人間です。

人は何にでもなりうる可能性がある。置かれた状況によっては人はいとも簡単に残虐な行為をすることができる。自分が善人だと思っていても、何をしでかすかわからない。そのことをこの本で考えさせられます。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

ソ連とナチスの虐殺の歴史を学ぶために~「独ソ戦・ホロコーストに学ぶ」記事一覧

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』という作品は本当に衝撃的な一冊でした。

自分がいかに何も知らなかったかということを思い知らされました。私たちが習う世界の歴史では見えない事実がこの本にはあります。そしてそうした見えない事実こそ、私たちが真に学ぶべき事柄であるように思えます。

混乱を極める現代において、暗い歴史を学ぶことはたしかにつらいことかもしれません。ですが、だからこそこうした歴史をくり返さないためにも苦しくとも学ぶ意味があるのではないかと思います。

ぜひ、これらの記事を読んで頂けたら嬉しく思います。

独ソ戦~ソ連とナチスの絶滅戦争

独ソ戦のおすすめ参考書16冊一覧~今だからこそ学びたい独ソ戦

この記事では独ソ戦を学ぶのにおすすめな参考書を紹介していきます。

独ソ戦は戦争の本質をこれ以上ないほど私たちの目の前に突き付けます。

なぜ戦争は起きたのか。戦争は人間をどう変えてしまうのか。虐殺はなぜ起こるのかということを学ぶのに独ソ戦は驚くべき示唆を与えてくれます。私自身、独ソ戦を学び非常に驚かされましたし、戦争に対する恐怖を感じました。これまで感じていた恐怖とはまた違った恐怖です。ドラマや映画、ドキュメンタリーで見た「被害者的な恐怖」ではなく、「戦争そのものへの恐怖」です。

それぞれの記事でより詳しく本の紹介をしていますので、興味のある方はぜひ記事の方もご参照ください。