ルネサンス

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(42)ローマ・カトリックを批判したドストエフスキーは美の殿堂・劇場都市ローマに何を思うのだろうか

これまで41回にわたってローマの旅行記を更新してきました。

この旅行記の序文でお伝えしたように、私は「ローマカトリックが嫌いなドストエフスキーではあるが、その本山サンピエトロ大聖堂やローマのベルニーニの舞台芸術に心奪われずにいられるだろうか」という問いを立てローマを巡りました。

私にとってはこのローマの滞在中、片時もドストエフスキーを忘れたことはありませんでした。私はこのヨーロッパ滞在中常にドストエフスキーと共にいました。

ではこのローマ滞在においてドストエフスキーは実際にローマをどう思ったのでしょうか。

本当のところはドストエフスキーが何も書き残していない以上わかりません。ですが、そうではあるものの、私は「ドストエフスキーはローマを好きだけども嫌いになったであろう」という結論に至りました。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(41)天才ベルニーニの死~よきカトリック教徒として生き、死のうとした巨匠の姿に学ぶ

ついにここまでやってきました。ベルニーニの生涯を辿りながら彼の作品をこれまで見てきましたが、ベルニーニは1680年、81歳で命を終えます。

当時としてはかなりの長寿。しかもそのぎりぎりまで作品を制作していたという驚異のバイタリティーであります。

そしてやはり彼の最期もまた並のものではありませんでした。彼はその死の瞬間に至るまで圧倒的な人物だったのです。

今回の記事ではそんなベルニーニの死への旅立ちについて見ていきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(40)最晩年の失脚と誹謗中傷に苦しめられたベルニーニ~サン・ピエトロ広場の第三柱廊の工事も中止に

あれほどの栄華を誇ったベルニーニもその最晩年は苦しい日々を過ごしていた・・・このことに悲しい思いを抱かずにはいられません。もし彼がその栄華を傲慢さや他者を押しのけたことで手にしたのであれば因果応報です。ですが彼はそういう人物では決してありませんでした。だからこそ私は悔しく思うのです。

偉大な芸術家はえてして誹謗中傷に苦しむことになりやすいです。そして死後何十年経ってからようやく評価されるなんてことも珍しくありません。天才と呼ばれる人たちは同時代の人にはあまりに巨大すぎて理解されないのです。生きながらに評価されたとしたらそれは極めて幸運なことなのではないでしょうか。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(39)『福者ルドヴィカ・アントーニ』~サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会のベルニーニ最晩年の力作!

この記事ではサン・フランチェスコ・ア・リーパ教会の『福者ルドヴィカ』を紹介していきます。

闇夜に光る『福者ルドヴィカ』の美しさたるや凄まじいものがあります。

ベルニーニは採光を完璧に統御しています。そして差し込む光がどう彫刻を照らすかもすべて計算済みです。ライトの光では絶対にそれは再現することができません。石鍋真澄がくれぐれも注意していたことの意味がよくわかります。

実に素晴らしい体験でした。ローマ観光においてはマイナーなスポットであるかもしれませんが、非常にインパクトのある教会です。ぜひトラステヴェレ地区に行かれる際はここを訪れるのをおすすめします。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(38)晩年のベルニーニ作のサンタンジェロ橋の天使像~現在サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会所蔵の名彫刻

今回ご紹介するのはサンタンジェロ城目の前にあるサンタンジェロ橋に設置されている二体の天使像です。

今回の記事ではそんなベルニーニ作の天使像についてお話ししていきます。実はこの作品のオリジナルは別の教会に納められているのですがこれもまた素晴らしい!

オリジナルで見た天使像のクオリティは全く違いました。磨き上げられているのもわかりましたし、なにより伝わってくる衣の躍動感が別物です。

そして不思議なことに私はこれら二体の天使像を見ていて、なぜか京都三十三間堂の風神と雷神を連想してしまいました。天使たちの奇跡的な衣の波打ちを見て私は大好きな風神雷神を連想してしまったのかもしれません。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(37)サン・ピエトロ大聖堂の『カテドラ・ペトリ』~ベルニーニ芸術の総決算!空間そのものも作品に取り込む驚異の傑作!

この記事ではサン・ピエトロ大聖堂の後陣にあるカテドラ・ペトリについてお話ししていきます。

この大聖堂においても一際重要な存在であるカテドラ・ペトリ。こちらもベルニーニが設計を担当しています。このベルニーニの傑作に込められた意味をこの記事では見ていきます。

サン・ピエトロ大聖堂はやはり特別な場所です。

何度来ても私は感動してしまいます。そしてこの素晴らしい空間を生み出したのはやはりベルニーニなのです。ベルニーニ詣でのハイライトとしてこの大聖堂はやはり欠かせません。ベルニーニの生み出した劇場的空間をぜひ多くの方にも感じて頂けたらと思います。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(36)ベルニーニ作『スカラ・レジア』~サン・ピエトロ大聖堂横にある魔法の階段。ベルニーニのイリュージョンが躍動!

「人がどのようなことができるかを知りたかったら、その人を難局に立たせなければならない」と語り、悪条件を克服して美しい作品を作り出すことに喜びを感じていたベルニーニ。

サン・ピエトロ大聖堂に隣接するスカラ・レジアは知る人ぞ知るベルニーニの傑作建築です。

建築家泣かせの難しい難条件の下、彼は奇跡とも言えるような階段を作り上げました。

一般公開はされていませんが、私は特別にこの階段を訪れることができました。その時の体験と合わせてこの記事ではお話ししていきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(35)サンピエトロ広場の柱廊は未完成!?知れば見え方が変わるベルニーニの本来の設計案とその意図とは

サン・ピエトロ大聖堂の目の前に広がる巨大な広場。バチカンと言えばこの広場というほど有名な広場ですが、これもベルニーニの設計によるものでした。ベルニーニは彫刻だけでなく抜群の建築センスも具えています。

しかも現在のサン・ピエトロ広場は実は未完成なのです。ベルニーニ本来の建築案は財政難やその他ローマの政治事情によって中止されてしまったのです。もしこの案が実行されていたらバチカンはもっと魅力的な劇場空間となっていたことでしょう。この記事ではそんなバチカンの裏話を紹介していきます。読めばきっと驚くと思います。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(34)サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ聖堂を訪ねて~ベルニーニのライバル、ボッロミーニの傑作建築!

前回の記事ではベルニーニの傑作建築サンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂を紹介しましたが、実はその聖堂から150メートルほどの距離にベルニーニのライバル、ボッロミーニの傑作建築が立っています。

ボッロミーニはベルニーニとは真逆の性格、作風の持ち主でベルニーニ失脚の折には激しいバトルを演じた男でもあります。ですがその才能は紛れもなく突出しており、鬼才というにふさわしい独創性に溢れた建築家でした。そんなボッロミーニの傑作とベルニーニの傑作がほぼ隣通しに立っているというのは奇跡というほかはないでしょう。

正直、インパクトという面ではベルニーニのサンタンドレア・アル・クイリナーレを超えています。何かよくわからないがものすごいパンチ力で一撃必殺されるような感覚。それがこの聖堂です。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】(33)サンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂を訪ねて~ベルニーニのパンテオンたる、建築の最高傑作!

ここはローマ観光におけるメインルートには設定されない教会だと思います。パンテオンやコロッセオや真実の口など、ローマにはそれこそ名所中の名所が山ほどあります。それら名所中の名所を回るだけで日程が終わってしまうのも無理はありません。ですがこのサンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂はものすごい場所です。マニアックと言えばマニアックかもしれませんがぜひここも訪れてみてほしいです。本当にここにパンテオンがあるのです。しかも困難な条件の下でそれを成し遂げてしまったという驚異の建築なのです。ローマ滞在の折にはぜひベルニーニの最高傑作を皆さんにも味わってほしいです。驚愕すること間違いなしのすばらしい聖堂です。

私はこの聖堂に一瞬で魅了され、ローマ滞在中4度ここを訪れ、その度に感嘆していました。