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創元社『メソポタミア文明』あらすじと感想~メソポタミア文明の全体像を知るのにおすすめの解説書。楔形文字解読への流れに驚く

メソポタミア
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創元社『メソポタミア文明』概要と感想~~メソポタミア文明の全体像を知るのにおすすめ解説書。楔形文字解読への流れに驚く

今回ご紹介するのは1994年に創元社より発行されたジャン・ボッテロ、マリ=ジョゼフ・ステーヴ著、高野優訳、矢島文夫監修の『メソポタミア文明「知の再発見」双書43』です。

早速この本について見ていきましょう。

西暦紀元前に衰退し泥の中に長く忘れ去られた後、19世紀後半に解読されたメソポタミアの楔形文字。地道な発掘作業や解読作業のスリル、それらによって明らかにされた壮大な歴史や物語を解説する。

Amazon商品紹介ページより

この作品はメソポタミア文明の全体像を掴むのにおすすめな入門書です。

メソポタミア文明といえば中学高校の歴史でさらっと習って以来、名前だけは覚えているという方も多いのではないでしょうか。かくいう私もそのひとりでした。名前だけは覚えているけど実際にこの文明がどのようなものだったかは正直ほとんど覚えていない、せいぜい楔形文字くらい、いや、そもそもほとんど何も知らなかったというのが実際のところなのではないでしょうか。

この本は改めてメソポタミア文明とは何なのかということを知れる非常に刺激的な作品となっています。こういうものは大人になってから改めて知ってみるとものすごく面白いというのがありますよね。学生のときはただなんとなく暗記するためにやっていましたが、いざ自分から好奇心を持って調べてみるとこれが面白いのなんの!

かつて漠然と聞いていたものが実はこんなにドラマチックで面白いものだったのかと。

特に遺跡の発掘とそれに伴う楔形文字の解読の流れはとても興味深かったです。

この本は写真がたくさん掲載されているので発掘された遺跡や様々な粘土板を見ることができます。粘土板に刻まれた楔形文字はこんな感じだったんだとまず驚きます。そしてそれを解読しようとした研究者たちの執念たるや!

「メソポタミア文明は楔形文字を使用していました」

教科書的に語られてしまえばたったこれだけのことです。

楔形文字でギルガメシュ叙事詩の一部が刻まれた粘土板。アッカド語 Wikipediaより

ですが実際に遺跡が発掘されて目の前に現れてきた謎の文字。

当然、最初は解読の方法などまったくありません。そこから研究者たちはどうやってこの謎の文字を解読していったのか。これはものすごく面白かったです。

研究者たちの執念といいますか、その頭脳には驚くしかありません。どうやって古代文字を解読していたのかというのは私も意外と盲点でした。そこまで考えたこともなかったのです。ですがよくよく考えてみたらこれはとてつもないことですよね。何の手がかりもない古代文字をどうやって解読したんだろう。ものすごく不思議ですよね。

この本では研究者たちがどのように楔形文字を解読していったかをたくさんの図版とともに見ていきます。初学者でもわかりやすくその経緯を教えてくれるのでこれは非常に助かりました。面白いドキュメンタリー番組を見ているかのようでとても楽しかったです。

メソポタミア文明がどのように発見されていったのか、そしてこの文明の全体像を知る入門書としてこの本はとてもおすすめです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「創元社『メソポタミア文明』~メソポタミア文明の全体像を知るのにおすすめの解説書。楔形文字解読への流れに驚く」でした。

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メソポタミア文明 (知の再発見双書 43)

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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