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『ゲーテ街道を行く』あらすじと感想~ゲーテゆかりの地を多数の写真と共に解説するおすすめガイドブック

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『ゲーテ街道を行く』概要と感想~ゲーテゆかりの地を多数の写真と共に解説するおすすめガイドブック

ゲーテ(1749-1832)Wikipediaより

今回ご紹介するのは1999年に新潮社より発行された小塩節、津田孝二著『ゲーテ街道を行く』です。

早速この本について見ていきましょう。

東西ドイツ統合で実現し新たに脚光をあびている観光ルートが、文豪ゲーテゆかりの地を結んだゲーテ街道である。生誕の地フランクフルトからテューリンゲンの森をこえ勉学の地ライプツィヒまで全長約400キロ、文化の香り豊かな旅をゲーテ研究の第一人者が味わい深く紹介する。

Amazon商品紹介ページより

この本はドイツのゲーテゆかりの地を多数の写真と共に解説するおすすめガイドブックです。

この本のタイトルにもなっている「ゲーテ街道」とはそもそも何なのかということについて、著者は次のように述べています。

ゲーテ街道とはー 

ドイツ中央部の金融都市フランクフルト。ここは詩人ゲーテ(ヨーハン・ヴォルフガング・フオン・ゲーテJohann Wolfgang von Goethe 一七四九~一八三二)の生まれ育った町だ。ここから東へ、「ドイツの緑の心臓」と呼ばれる緑深い森林地方テューリンゲンを横切って、古都ワイマルにいたり、さらに東のライプツィヒまでのびる道を、ゲーテ街道と呼ぶ。ほぼ四〇〇キロ。

 この道を東へ西へと何十回、いや何百回もゲーテは歩き、馬車で走った。でもこの道を心たのしく往復したのは、ゲーテやその友人シラー(一七五九~一八〇五 劇作家・詩人)だけではない。古くは中世の吟遊騎士歌人(ミンネゼンガー)たち、近世はマルティーン・ルター(一四八三~一五四六 宗教改革者)、近代はヨーハン・セバスティアン・バッハ(一六八五~一七五〇 音楽家)、メンデルスゾーン(一ハ〇九~四七 音楽家)やフランツ・リスト(一ハ一一~八六音楽家)たち。驚くべき、文化の香り高い街道である。

 この道筋にあるいくつかの忘れがたい町々をご紹介しながら、同時にゲーテについてもお伝えしよう。

 ゲーテは、のびやかな詩人であった。小説に多くの名作をのこし、エッセイ、評論、紀行文学、オペラ台本、ドラマ、なかんずく『ファウスト』の作者であり、また自伝文学の代表者で、そのうえ自然科学者、弁護士、行政官、政治家、画家でもあったけれども、本質においてゲーテは根っからの、きっすいの詩人である。

 青年時代だけでなく、彼は一生いい詩を書き続けた。最高の知性とみずみずしい感性が、生命の行動性と豊かに結びついた、自然な詩をたくさん書いた。明るい、ことばによる音楽の作曲家だった。青く晴れ渡った大空のような、そしてその空高く枝を思いきり伸ばしきった緑の大樹のような、容量と幅の大きい詩人だった。彼のどんなに小さな詩の一篇でも、それが草の葉先の露の玉のように何げなくても、露の玉には、森も山も空も、そして人の姿もすべてが、全世界が映っている。

彼は十八世紀西欧都市市民の興隆期に生をうけて、実に多方面に普遍的に自己実現をはかることのできた人だった。行動と結びついた知性の人、努力することのできる天才だった。だがその本質はあくまでも詩人だった。いくつかの詩を引用して、詩人ゲーテをご紹介しよう。〝旅の人〟ゲーテの一生と切っても切り離せない「ゲーテ街道」を西から東へと旅しながら……。


新潮社、小塩節、津田孝二『ゲーテ街道を行く』 P4

ここで語られるようにゲーテ街道はフランクフルトから始まりその東端はライプツィヒまでの400キロほどの道になります。

ゲーテ街道 Wikipediaより

この本ではまずゲーテが生まれたフランクフルトの街が紹介され、そこからヴェッツラー、フルダ、アイゼナハ、エアフルト、アルンシュタット、イルメナウ、ヴァイマール、イエーナ、ライプツィヒを見ていきます。

そしてゲーテの街といえばやはりヴァイマールです。

ゲーテが晩年までそこで生活し、彼の活躍によりドイツ文化の中心となった栄誉ある街です。この本ではじっくりとそんなゲーテゆかりの地を写真と共に見ていくことができます。解説もわかりやすくガイドブックとして最適です。

この本を読んでいるととにかく現地に行ってみたくなります。ゲーテが見ていた景色を自分も体感したいという気持ちでいっぱいになります。

そして上の引用にもありましたように、ゲーテ街道はゲーテだけでなく多くの文化人ゆかりの地でもあります。

当ブログでも以前取り上げましたが、私はメンデルスゾーンが大好きです。

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彼の伝記の中には何度もゲーテが登場し、メンデルスゾーンの生涯においてゲーテが大きな役割を果たしていことがわかりました。

彼らが対面したヴァイマールはもちろんのこと、大好きなゲーテ、メンデルスゾーンに共にゆかりのあるライプツィヒにもぜひ行ってみたいなと思いました。

この本は現地の様子を知ることができるおすすめのガイドブックです。旅の計画を練るのに非常に役に立つと思います。

ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「『ゲーテ街道を行く』~ゲーテゆかりの地を多数の写真と共に解説するおすすめガイドブック」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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