バルザック

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(35)エンゲルスのパリでの矛盾に満ちた私生活とは~マルクス・エンゲルスは本当は何を求めていたのだろうか

前回の記事の最後でエンゲルスの理想が「労働者にもっと貧しく、どん底にいてほしかった」というものだったということをお話しました。

そしてマルクス・エンゲルスが人々の生活が悪くなればなるほど喜ぶような節を見せるのに対し、私が違和感を感じていたこともお話ししました。

彼らははたして本当に労働者のために動いているのだろうか?そう思わざるをえない行動を彼らはこの後も取り続けます。そのひとつの例が今回紹介する箇所になります。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(34)エンゲルスの理想が「労働者にはもっと貧しく、どん底にいてほしかった」という現実

今回の記事ではマルクスとエンゲルスの思想において決定的に重要な指摘がなされます

マルクス・エンゲルス関連の様々な本を読んできて、私が薄々感じていた違和感をはっきりと言葉にしてくれたのが今回読んでいく箇所になります。

ぜひ読んで頂きたい内容となっています。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『明日は舞踏会』~夢の社交界の実態やいかに!?パリの女性たちの恋愛と結婚模様を解説!

女性にとって、舞踏会は戦場です。ここでの立ち振る舞いがその後の生活に決定的な影響を与えかねません。

華やかな衣装に身を包み、優雅な社交界でダンディー達と夢のようなひと時を…という憧れがこの本を読むともしかしたら壊れてしまうかもしません。

社交界は想像以上にシビアで現実的な戦いの場だったようです。

当時の結婚観や男女の恋愛事情を知るには打ってつけの1冊です。

フランス文学がなぜどろどろの不倫や恋愛ものだらけなのかが見えてきます。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『馬車が買いたい!』~青年たちのフレンチ・ドリームと19世紀パリの生活を知るならこの1冊!

この本ではフランスにおける移動手段の説明から始まり、パリへの入場の手続き、宿探し、毎日の食事をどうするかを物語風に解説していきます。

そしてそこからダンディーになるためにどう青年たちが動いていくのか、またタイトルのようになぜ「馬車が買いたい!」と彼らが心の底から思うようになるのかという話に繋がっていきます。

ものすごく刺激的な作品です!おすすめ!

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

なぜフランス人男性はモテるのか~パリの伊達男「ダンディー」の存在から考えてみた

フランス人男性といえばなんかもうそれだけでモテそうなイメージがありますよね。(勝手な偏見ですが笑)

でも、なぜ彼らはあんなに口が達者で恋愛上手なのか。

それもやはり、そうなっていくような時代背景があったからこそなのです。この記事ではそうした歴史的背景を見ていきたいと思います。
この記事を読めばパリのダンディーがいかに凄まじい存在かが伝わるかと思います。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『職業別 パリ風俗』19世紀パリの人々の生活と職業、時代背景を知るならこの一冊!

この本では19世紀中頃のパリの人々の生活を職業という面から見ていきます。

小説が書かれた当時に当たり前だったことはわざわざ書かれたりはしません。

ですがその当たり前は「現代人たる私達の当たり前」とはまるで異なります。仮に小説中に弁護士という職業の人間が出てきたとしても、私達の想像する弁護士とはだいぶ違った仕事や生活ぶりをしていたのです。学生や医者、教師、グリゼット、警察、ジャーナリストなどなど、この本では様々な職業の「当たり前」を知ることができます。

この本を読めばフランス文学がものすごくわかりやすくなります。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『フランス文学は役に立つ!『赤と黒』から『異邦人』まで』~おすすめのフランス文学入門書!

フランス文学といえば「恋愛」を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。

たしかにフランス文学は恋がものすごく大きな要素を占めています。これは間違いありません。

ですが、単に「恋愛もの」だと侮るなかれ。フランス文学は現代社会を生きる私たちに恋愛だけでは収まらない大きな知恵を与えてくれる文学です。

この本ではフランス文学者鹿島茂氏が17世紀から20世紀までのフランス文学の代表作を取り上げ、その作品の概要とそこから学べる教訓を語ってくれます。これはフランス文学入門として最高の手引きとなります。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『パリ時間旅行』~19世紀パリを体感する珠玉のエッセイ集。目から鱗の発見満載です!

この本の魅力は何と言っても鹿島氏の語り口にあります。

解説で「堅苦しい学問だの理論だのを振りかざすようなことはしない。魅惑的でロマンティックな仕掛けによって、パリという不思議にアプローチしてゆく」とありますようにとにかく読みやすくて面白いです。

この本はフランス文学を知る上でも役立つ知識が満載の1冊です。非常におすすめです。

『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

鹿島茂『パリの王様たち ユゴー・デュマ・バルザック 三大文豪大物くらべ』パリの文豪達の圧倒的スケールを語る一冊!

天才とはどういうことなのか。

カリスマとは何なのか。

彼らは何を求め、どう突き進んでいくのか。

そして、そんな彼らを生み出した時代背景とは。

ユゴー、デュマ、バルザックという三人の怪物を比較しながら、当時の偉人の原動力を模索していくこの作品は非常に面白かったです。ぜひおすすめしたい一冊です。

ドストエフスキー論

ジイド『ドストエフスキー』~ノーベル賞フランス人作家による刺激的なおすすめドストエフスキー論

『ソヴェト旅行記』と同じく新潮社版のジイド全集は旧字体で書かれているので一瞬面を食らうのですが、読み始めてみるととジイドの筆が素晴らしいのかとても読みやすいものとなっていました。

そして何より、ドストエフスキーに対する興味深い見解がいくつもあり、目から鱗と言いますか、思わず声が出てしまうほどの発見がいくつもありました。今まで疑問に思っていたことや、かゆいけど手が届かなかった微妙なところをとてもわかりやすく解説してくれます。

フランス人作家ということでバルザックなどフランス文学との対比によってドストエフスキーを語ってくれるのも非常にありがたかったです。

この本は本当にすごいです。出版は1923年ということで、ドストエフスキー論の古典として有名な本ですがその内容は全く古びていません。