ロシアの歴史・文化に学ぶ

独ソ戦~ソ連とナチスの絶滅戦争

逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』あらすじと感想~本屋大賞受賞のおすすめ小説!独ソ戦を戦う狙撃兵の少女を描いた話題作!

TwitterなどのSNSで話題になっていた『同志少女よ、敵を撃て』

これは面白い!!

とにかく読ませます!

ストーリー展開や心理描写が非常に巧みで、どんどん物語に引き込まれます。読書への没入感がすごいです。

MGSの小島監督の絶賛をきっかけに手に取ったこの作品でしたが、その賛辞に違わぬ傑作でした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

異邦人冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

カミュ『異邦人』あらすじと感想~村上春樹ファンにもおすすめしたい小説!

『異邦人』はカミュの処女作であり、カミュらしさが最も出ている作品とも言うことができます。

この『異邦人』を読んで私は村上春樹を連想してしまったのでした。文庫本で150ページ少々という読みやすい分量の本です。村上春樹ファンの方には特におすすめかもしれません。

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

カミュ『ペスト』あらすじ感想~コロナ禍により再び脚光を浴びたカミュの代表作

カミュの代表作である『ペスト』は元々名作として世界的に圧倒的な地位を占めていましたが、コロナ禍において改めて脚光を浴びることになり、書店では品薄になるほど売れたようです。

この本は単にペストが流行って街が隔離され、そこで繰り広げられるパニック劇ではありません。『ペスト』は不条理と相対した人間の心理や、いかに生きるべきかを問うた作品です。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

仲正昌樹『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』~アーレントのおすすめ参考書!

この本ではアーレントの『全体主義の起源』と『エルサレムのアイヒマン』を中心にアーレントの生い立ちや哲学者としての道のり、思想が解説されていきます。読んでいて驚くほどわかりやすいです。初学者でも理解しやすいように書かれているのもありがたいです。「今なぜアーレントを学ぶべきなのか」から学べるおすすめ参考書です。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

B・シュタングネト『エルサレム〈以前〉のアイヒマン 大量殺戮者の平穏な生活』~「悪の陳腐さ(凡庸さ)」論が覆る!?

アーレントの「悪の陳腐さ」論が覆されかねない衝撃の作品です!

この本で明らかにされるアイヒマンは「悪の陳腐さ」とは真逆の姿です。アーレントはエルサレムで周到に計画されたアイヒマンの罠にかかってしまったことがこの本で語られます。アイヒマンは単なる権力の歯車などではなかったのです。恐るべき一冊です。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレント『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』概要と感想~ホロコーストはなぜ起こってしまったのか。人間の闇に迫る一冊

この本はアーレントの有名な「悪の陳腐さ」という言葉が生まれた作品になります。

アーレントはこの作品でナチスのホロコーストにおける恐るべき殺人システムの背景を考察します。

アイヒマンは極悪人ではなく、どこにでもいそうな人間であった。これが世界中を震撼させることになり、同時に激しい論争を引き起こすことになりました。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレントの「悪の陳腐さ」は免罪符になりうるのか~権力の歯車ならば罪は許される?ジェノサイドを考える

アーレントの「悪の陳腐さ」は罪を逃れるための免罪符になってはいないだろうか。これがふとスレブレニツァやルワンダの虐殺を学ぶ過程で私が感じてしまった疑問でした。加害者たちは「仕方がなかった」と自分の行動の責任を考えようとはしません。ですがそれではたしてよいのでしょうか。そのことをこの記事で今一度考えてみました。

冷戦世界の歴史・思想・文学に学ぶ

ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』あらすじと感想~ソ連の強制収容所の実態を告発

この作品は第二次世界大戦後のソ連の強制収容所を舞台にした作品です。ソルジェニーツィンはこの作品を通してソ連の現実そのものを描写しようとしました。

ソルジェニーツィンはソ連生まれの作家でノーベル文学賞作家であります。今回ご紹介する『イワン・デニーソヴィチの一日』はその代表作であり、『収容所群島』でも有名です。

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ティモシー・スナイダー『暴政-20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』~世界的な歴史家が説く読書のすすめ

私たちは歴史から学ばなければなりません。そのために実際に何から始めればよいのか、それをこの本ではアドバイスしてくれます。

この記事ではその中でも私が気になったひとつ、「自分の言葉を大切にしよう」という章を紹介したいと思います。そこでは読書の意義について語られており、私の中で一番印象に残った箇所でもありました

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トニー・ジャット『20世紀を考える』~悲惨な歴史を繰り返さないために私たちは何をすべきか

戦前、戦中、戦後ヨーロッパの歴史の大家である二人の対談は非常に興味深いものでありました。聴き手と受け手の化学反応とはこういうことなのだなということを感じました。圧倒的なレベルの知識人同士が本気で世界について語り合う。それがこの作品です。この二人の織りなす対談にとにかく圧倒される読書になります。