宮本久義『ヒンドゥー聖地 思索の旅』あらすじと感想~巡礼者が訪れるインドの秘境やガンジスの聖地を知るのにおすすめ
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宮本久義『ヒンドゥー聖地 思索の旅』概要と感想~巡礼者が訪れるインドの秘境やガンジスの聖地を知るのにおすすめ
今回ご紹介するのは2003年に山川出版社より発行された宮本久義著『ヒンドゥー聖地 思索の旅』です。
早速この本について見ていきましょう。
ヒンドゥー教徒は、聖地巡礼をライフサイクルに取り込んでいる。著者は、ヒンドゥー教の大聖地バナーラスで、七年間インド思想史を研究。その後、深山幽谷への巡礼に赴く。文献の精読と実見にもとづくフィールドワーク。ヒンドゥー教の核心にせまる体験的思考。
アマルナート、カイラース、バナーラスなど深山幽谷の聖地を訪ね、巡礼を通じてヒンドゥー教の真髄にふれる心の旅。バナーラス祭事記を付す。
Amazon商品紹介ページより
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この作品は上の画像にあるようなインドの秘境にあるヒンドゥー教の聖地を巡った著者の体験を聞くことができる作品です。
ヒンドゥー教において聖地巡礼は非常に大きな意味を持っています。インドにおける聖地として有名なのはバラナシのガンジス川ですが、他にも多くの聖地があります。この本では私達日本人にとってあまり馴染みのない聖地が出てきます。特に5000メートルを超える山々にある聖地はそこに行くだけでも非常に過酷です。時には命がけの巡礼にもなるこうした聖地をインドの人々はどんな思いで歩いているのか。体の弱い私には不可能であろうインドのあまりにディープな世界をこの本では知ることができます。
著者は本書の冒頭でこの本について次のように述べています。
一九七一年にはじめてインドを訪れてからヒンドゥー教に興味を持ち、一九七八年からの七年間の留学時代を含めて多くの聖地を見て歩いた。本書はそれらのうち、主として北インドの聖地巡礼をしたときのフィールドワークをもとに、九〇年代半ばまでに書いた諸稿を中心にまとめたものである。
またヒンドゥー教最大の聖地とされるバナーラスに関しては、留学時代の見聞をもとに書いた祭事記も収載した。聖地への巡礼と聖地での生活というふたつの視点を持つことにより、ヒンドゥー教徒の信仰の有り様がより深く理解できると考えたからである。
山川出版社、宮本久義『ヒンドゥー聖地 思索の旅』P8-9
この本ではまずヒンドゥー教についての入門的な解説が語られます。日本とヒンドゥー教のつながりも知れるので初学者でも楽しく読むことができます。
そして私にとってありがたかったのがガンジスの聖地、バラナシについてこの本で詳しく知ることができた点です。
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上の引用にもありましたように、この本の後半ではかなり詳しくバラナシについて語られます。これはかなり貴重です。インドについて書かれた本は数多くあれど、ここまでディープにバラナシについて語ってくれる本はなかなかありません。
そしてもう一つ、ハリドワールという聖地を学べたのもありがたかったです。
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ハリドワールはバラナシよりもはるか上流のガンジス川流域にある聖地です。こちらも多くの巡礼者で賑わっていて、雑多なバラナシとはまた違った雰囲気があることでも知られています。
私はバラナシとともにここハリドワールも訪れたいと考えています。そんな私にとってこの本は格好のガイドとなりました。
インドのディープな世界を知れるおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
以上、「宮本久義『ヒンドゥー聖地 思索の旅』~巡礼者が訪れるインドの秘境やガンジスの聖地を知るのにおすすめ」でした。
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