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立川武蔵『ヒンドゥー教巡礼』あらすじと感想~インドの聖地を巡り、ディープな宗教的世界を感じられる作品

ヒンドゥー教巡礼
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立川武蔵『ヒンドゥー教巡礼』概要と感想~インドの聖地を巡り、ディープな宗教的世界を感じられる作品

今回ご紹介するのは2005年に集英社より発行された立川武蔵著『ヒンドゥー教巡礼』です。

早速この本について見ていきましょう。

インド、ネパール、バリ島。ヒンドゥー教の聖地を巡り、「聖なるもの」を求め、感じる旅が始まる―。ヒンドゥー教は、世界最大の多神教であり、七福神のひとり弁財天が、ヒンドゥー教の女神サラスヴァティーであるなど、日本の信仰、文化にも深く影響を与えてきた。また、ヒンドゥー教徒が宗教を掲げて他国に攻め入ったことはないが、現在、インド、バリではイスラム教と、ネパールではマオイストとの間にも新たな軋轢が生じてきている。本書では、特定の創始者、教祖をもたないヒンドゥー教の教義、伝統、祭祀、神々の概念などを、各地域の聖なる土地、霊場を巡礼しながらわかりやすく解説し、ヒンドゥー的なるものの、さらには宗教そのものの本質にまで考察を進める。

Amazon商品紹介ページより
聖地ワーラーナシーのプージャー(礼拝)Wikipediaより

この本はヒンドゥー教の聖地を著者と一緒に旅をしている気分になれる作品です。

この本ではインドだけでなくネパールやバリなどの地も紹介されます。ヒンドゥー教といえばインドのイメージがありますが、実はその周辺国にもヒンドゥー教は信仰されていたのでありました。特にネパールの首都カトマンズでの章は私にとっても目が開かれるような思いになりました。これまでの伝統的な社会の中に急激に現代資本が入るとどうなってしまうのか、著者はそのことについて自身の目で見た世界を私たちの前に開いてくれます。

古くから生き続けている宗教の姿、人々の生活。この本では抽象的な哲学概念ではなく、生身の人間の暮らしそのものを見ることができます。現地の人々と宗教はどのような関係なのか。日本に生きる私達と何が違うのか。そうしたことを考えさせられます。

実は私も近々インドを訪れる予定です。この本を読んでいると、インドへの興味がどんどん増していきます。これまで知らなかったインドの聖地や文化をこの本で学ぶことができました。この本に出ていた聖地にぜひ行ってみたいと私は今思っています。僧侶である私にとってインドの仏跡は馴染み深いものではありましたが、ヒンドゥー教の聖地となるとほとんどわかりませんでした。ですがこの本のおかげで「ここはぜひ行きたい!」というビジョンがはっきりとしてきました。これはありがたい案内書です。新書ということで手にとりやすく、写真も豊富ですので気軽に楽しめる素晴らしい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「立川武蔵『ヒンドゥー教巡礼』~インドの聖地を巡り、ディープな宗教的世界を感じられる作品」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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