佐藤清郎『チェーホフの生涯』あらすじと感想~チェーホフの生涯をもっと知るのにおすすめの伝記!
チェーホフの生涯をもっと知るならこの1冊!佐藤清郎『チェーホフの生涯』概要と感想
『チェーホフの生涯』は佐藤清郎氏によって1966年に筑摩書房より発行されました。
著者の佐藤清郎氏は私のブログでも何度も紹介させて頂きましたチェーホフ研究者です。
巻末のプロフィールには次のように著者紹介がなされていました。
佐藤清郎(さとう・せいろう)1920年生まれ
哈爾浜(ハルビン)学院・大同学院卒業
満州国官吏、ソ連通者通訳、教員等の職を経、終始一貫ロシヤ文学研究に心を傾け、今日に至る。
筑摩書房、佐藤清郎 『チェーホフの生涯』
これだけでは情報が少し足りないのでWikipediaからも引用します。
佐藤 清郎(さとう せいろう、1920年(大正9年)11月26日)は、日本のロシア文学者。
東京生まれ。1942年満洲国立大学哈爾浜(ハルピン)学院卒、大同学院卒。大阪大学教養部助教授、教授、1975年言語文化部教授、1980年早稲田大学客員教授、1991年退任。チェーホフを中心に帝政ロシアの文学者について伝記的著作を多く行った。
著書
Wikipediaより
『チェーホフの生涯』筑摩書房 1966
『若きゴーリキー』筑摩書房 1968
『チェーホフの文学 その本質へのアプローチ』塙書房「塙新書」 1972
『ゴーリキーの生涯』筑摩書房 1973
『ツルゲーネフの生涯』筑摩書房 1977
『チェーホフ芸術の世界 覚醒と脱出へのいざない』筑摩書房 1980
『チェーホフ劇の世界 その構造と思想』筑摩書房 1980
『チェーホフへの旅』筑摩書房 1987
『孤愁の文人 ノーベル賞作家ブーニン』私家版、1990
『観る者と求める者 ツルゲーネフとドストエフスキー』武蔵野書房 1993
『二葉亭四迷研究』有精堂出版 1995
『トルストイ心の旅路』春秋社 2001
『わが心のチェーホフ』以文社 2014
翻訳
イ・エヌ・カザンツエフ『ソヴェトにおける授業の方法』勝田昌二共訳 明治図書出版 1956
ヴェ・ア・ヴェイクシャン『トルストイと教育論』新評論社・教育新書 1956
エヌ・フェーレ『愛と規律の教育者 わが師マカレンコ』東洋館出版社 1957
ワンダ・ワシレフスカヤ『新中国紀行』大日本雄弁会 講談社 1957
『自選エレンブルグ文学・芸術論集 附・雪どけ論争』新興出版社 1957
ヴェ・カッシス『チベット横断記』ベースボール・マガジン社 スポーツ新書 1957
ミハイル・ニキーチン『ドストエフスキーの初恋』一橋書房 1957
エリ・フバート『謎の大陸 南極探検物語』ベースボール・マガジン社 秘境探検双書 1958
ポスムイシ『現代東欧文学全集 第7 パサジェルカ』恒文社 1966
アナトーリイ・ルイバコフ『ソスニャーキの夏』恒文社 1966
ア・ロナ・タシ『蒙古の遊牧民をたずねて』ベースボール・マガジン社 秘境探検双書 1966
『チェーホフの言葉 人生の知恵』 彌生書房 1968、新版1997。訳編
『世界文学全集 第43 チェーホフ 六号室 かわいい女 犬をつれた奥さん いいなずけ』集英社 1969
クドリャフツェフ『革命か神か ドストエフスキーの世界観』新潮社 1971
佐藤氏は生涯ロシア文学を研究し、多くの著作を残しています。その中でも佐藤氏が最も愛したのがチェーホフでした。そのためチェーホフに関する著作が一番多くなっています。
さて、今回ご紹介する『チェーホフの生涯』ですが何と言ってもボリュームがすごいです。
写真で見てわかるようにこのサイズで464ページあります。
前回紹介したヴィリジル・タナズ『チェーホフ』は入門書として最適でしたが、佐藤氏の『チェーホフの生涯』はそこからさらにもっと知りたいという方に最適です。とにかく詳しく書かれています。
そして佐藤氏の著作の特徴なのですが、佐藤氏の作家に対する真摯な姿勢が伝わってきます。読んでいると作家に対するリスペクトが感じられて、こちらもとても共感してしまいます。
『チェーホフの生涯』はチェーホフの生涯に特化して書かれていますので、個々の作品の解説はあまりありません。ですが、それぞれの作品が生まれてきた背景がものすごく丁寧に書かれています。チェーホフがその時何をして何を感じていたのか、それをこの著作で知ることができます。
個々の作品解説は同氏の『チェーホフ芸術の世界』という本に詳しく書かれていますのでそちらを参考にして頂ければと思います。
チェーホフをもっと知りたいという方にはこの本は非常におすすめです。
以上、「佐藤清郎『チェーホフの生涯』チェーホフの生涯をもっと知るのにおすすめの伝記!」でした。
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