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ブラガイのイスラム修道院と圧倒的な湧水の美しさ ボスニア編⑭

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ブラガイのイスラム修道院と圧倒的な湧水の美しさ 僧侶上田隆弘の世界一周記―ボスニア編⑭

ポチテリの次はブラガイにあるイスラム修道院を目指す。

ポチテリから30分ほどで行けてしまう距離だ。

ブラガイは個人的にとても興味のあった場所で、ボスニアに行くならぜひとも訪れてみたいと思っていた地であった。

ブラガイは美しい湧水と、そこに立つイスラム修道院が有名。

キリスト教の修道院は数多くあれど、イスラム修道院を訪れることはなかなか珍しい体験だ。

そのためBEMI TOURさんの日帰りツアーにこの地が含まれていることを知った時のぼくの喜びようはかなりのものであった。

と言うのも、このブラガイ、個人で行こうと思うとなかなか行きにくい場所にあるのだ。

調べてみると、モスタルからバスが出ているようなのだが、それは観光バスではなく完全にローカルな路線。

ボスニアでは英語表記もされていないことが多々あるので、一人で行こうとするとなかなか難儀なものになるのだ。

最悪一人でなんとかして行こうと思っていた時にこの日帰りツアーを発見したのでそれはそれはありがたい気持ちになったのであった。

ブラガイの近くまで到着。

川沿いのものすごい道を通っていく。対向車が来ないことを祈るしかない。

駐車場に到着。

目の前には山というよりは断崖絶壁がそびえ立つ。

この岩山の麓の洞窟から水が湧き出ているのだ。

遊歩道を歩き、山に近づく。

森の匂いと爽やかな水辺の空気を感じる。目的地はすぐそこだ。

川の近くまで行くとその水の迫力に驚く。

湧水というくらいだから穏やかな流れを想像していたのだが、ものすごい水量と勢い。

ここもまた柵がない。

この流れなら落ちたらあっという間にはるか彼方まで流されてしまうだろう。

こちらがその湧水口。洞窟のような穴から圧倒的な量の水が湧き出ている。

そして左の建物がイスラム修道院だ。

あまりイスラムっぽさを感じさせないたたずまい。

何も言われなければイスラム修道院とは気づくことができないかもしれない。

それにしても水量の多さと勢いに圧倒される。見上げれば断崖絶壁。ものすごい景色だ。

川沿いにはレストランが軒を連ねていたのだが、野外席が水没していた。

それでも、意地でも野外で食事を取る猛者の姿も。

どうやらここ数日の雨の影響で川の水位が上がってしまっているそうだ。

よくあることなのですかとミルザさんに聞いてみると、こうなる日も珍しくはありませんとのこと。

珍しくないならそれを見越して設計すればいいのにと心の中で笑ってしまった。

でもきっと普段は川のぎりぎりで食事を楽しめるからそちらを優先したのだろうと勝手に想像してみることにした。

修道院の入り口へ。

ここはコーランを詠み、祈りを捧げる部屋。

さすがは修道院。祈りを捧げるための部屋が完備されている。

ここで修道士たちは日々お祈りをし、勉学に励んでいたそうだ。

修道院からは洞窟を間近で見ることができる。

ずっと眺めていると吸い込まれてしまいそうだ。

この修道院も人里離れた場所で静かに祈りを捧げるために作られたという。

さらに水や自然も豊かなこの場所は、修道院としては最高の場所だったことだろう。

イスラエルのマルサバ修道院も同じ理由で人里離れた場所に建てられた。

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そこにはここと同じく断崖絶壁と豊かな水がある。

地域は違えど、共通点があることは興味深かった。

少し下流に行けばこのような穏やかな綺麗な清流になる。

今回はツアーの日程内での訪問だったので少し駆け足での観光となったが、このきれいな川を眺めながらコーヒーを飲んでゆっくりするというのもものすごく魅力的なことだなと思う。

ブラガイは来てみたかった場所だったので大満足であった。

続く

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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