三島由紀夫

不道徳教育講座三島由紀夫と日本文学

三島由紀夫『不道徳教育講座』~逆説とユーモア溢れる名エッセイ集!三島節の真骨頂を体感!

本書に収録されているエッセイには三島由紀夫のユーモアが溢れています。

『金閣寺』や『憂国』を読んだ後にこのエッセイを読んだ私ですが、三島由紀夫ってこんなに面白い人なんだ!と新鮮な驚きを感じながらの読書となりました。

また、本書の後半には三島由紀夫の筋肉論が掲載されています。

三島は30代に入ってから肉体改造に取り組み、ボディ・ビルに勤しんでいました。その三島の筋肉論を聴けるのも本書の醍醐味でもあります。この三島の筋肉の美学には痺れます!近年の筋肉ブームを考えると、この三島の筋肉論が一種のムーブメントに発展してもおかしくありません。

葉隠入門三島由紀夫と日本文学

三島由紀夫『葉隠入門』あらすじと感想~「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の真意とは。三島思想の支柱を知れる作品

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」

誰もが知るこの言葉の元となった『葉隠』を三島由紀夫は生涯愛しました。そして彼自身この作品を発表した3年後にまさに武士のように自刃しています。この本が三島に与えた影響が並々ならぬことは間違いありません。

特に『「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」というその一句自体が、この本全体を象徴する逆説なのである。わたしはそこに、この本から生きる力を与えられる最大の理由を見いだした。』という言葉は三島がこの書から受け取った真髄が現れていると思われます。

三島由紀夫のあまりに壮絶な人生の秘密がこの本には記されています。『憂国』と合わせてぜひこの『葉隠入門』はおすすめしたいです。

憂国三島由紀夫と日本文学

三島由紀夫『憂国』あらすじと感想~後の割腹自殺を予感?三島のエキスが詰まったおすすめの名作!

「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一編だけ、三島のよいところ悪いところすべてを凝縮したエキスのような小説を読みたいと求めたら、『憂国』の一編を読んでもらえばよい」

三島自身がこう述べるほどの作品が『憂国』です。私自身、最初の三島体験となった『金閣寺』の次にこの作品を読んだのですが、この『憂国』を読んで私はいよいよ三島の魔力に取り憑かれてしまったのでした。

『憂国』は三島作品の中でも特におすすめしたい作品です。30ページほどの物語の中に三島由紀夫のエッセンスが凝縮されています。

金閣寺三島由紀夫と日本文学

三島由紀夫『金閣寺』あらすじと感想~「金閣寺を焼かねばならぬ」。ある青年僧の破滅と内面の渦

「金閣寺を焼かねばならぬ」

なぜ青年僧はそう思わねばならなかったのか。それを幼少期からその決行まで我々は見ていくことになります。

そしてこの作品を読んでいてふと思ったのは、『金閣寺』はドストエフスキーの『罪と罰』と対になる作品かもしれないということでした。

私は『罪と罰』をかつて「ドストエフスキーの黒魔術」と呼びました。ドストエフスキーの作品は私たちに異様な感化力を以て襲いかかってきます。

そしてまさに三島由紀夫の『金閣寺』もそのような作品だと確信しました。この文体。この熱量・・・!恐るべき作品です。これから三島由紀夫の作品を読んでいくのが楽しみになりました。

いや~ものすごい作品でした。

ディストピア・SF小説から考える現代社会

おすすめSF・ディストピア小説16作品一覧~SF・ディストピアから考える現代社会

SF小説はその面白さは言うまでもありませんが、現在を生きる私たちに大きな問いを投げかけます。

楽しんで読むもよし。

今の世界をじっくり考えながら読むもよし。

色んな楽しみ方ができるのがSF小説のいいところだと思います。

この記事ではそんな私のおすすめ小説15作品をご紹介します。