光の画家フェルメールと科学革命

光の画家フェルメールと科学革命

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

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宮下規久朗『フェルメールの光とラ・トゥールの炎―「闇」の西洋絵画史』~ダ・ヴィンチからフェルメールへと続く光と闇の探究とは

窓から差し込む美しい光を描いたフェルメール。それに対し闇を照らすろうそくの火を描いたラ・トゥール。

この2人の対比はそれだけでも興味深いですよね。

そしてさらに興味深いのはこうした「光と闇」の探究があのレオナルド・ダ・ヴィンチに遡り、そこからカラヴァッジョの独特な光線による描写が生まれてきます。

こうしたフェルメールへと繋がっていく光の探究を流れをわかりやすく知れるおすすめの作品です

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岡部昌幸『レンブラントとフェルメール』~オランダ絵画の二大巨匠を比べて学べるおすすめ作品!

フェルメールに関してはこれまで様々な作品を読んできたのでその生涯や特徴については知ってはいましたが、意外とレンブラントに関してはあまり手が伸びなかったというのが正直なところです。

そんな中でフェルメールと比べながらレンブラントの生涯や作品をわかりやすく語ってくれるこの本はとてもありがたいものとなりました。

オランダ絵画を代表する2人についておおまかな概要を知れるこの作品は多くの方にとってもかなり参考になると思います。オランダ絵画入門としても格好の作品かもしれません

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朽木ゆり子、前橋重二『フェルメール巡礼』~所蔵博物館を訪れるのに便利なおすすめガイドブック!

この本で最もありがたいのはそれぞれのフェルメール作品が所蔵されている美術館の地図や外観、そして館内の雰囲気まで知れるところにあります。

そして一枚一枚の絵に対しても、わかりやすい解説があるので、この本一冊があれば旅行の際に非常に重宝すると思います。

これを読んでいると実際に現地でオリジナルの絵画を観たくなってきます。

実は私もすでに観に行く気満々になっています。

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朽木ゆり子『フェルメール全点踏破の旅』~世界のフェルメール作品を訪ねたジャーナリストの魅力的な旅行記

この本はジャーナリストによる旅行記ということで、現地の様子やフェルメール絵画のポイントが非常に読みやすくまとめられています。フェルメールの専門家ではないからこその率直な見解を聞くことができるのもありがたい点です。

旅行記としても素晴らしい作品ですし、フェルメール入門書としてもおすすめしたい作品です。とても面白い1冊でした!

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『[新装版]赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼』~画家で芥川賞作家の著者が語るフェルメールの魅力とは

著者の赤瀬川原平さんは画家でありながら芥川賞受賞作家という異色の経歴の持ち主です。そんな著者が語るフェルメール評が今作となります。

この本の中で一番印象に残った絵画紹介は何と言っても『デルフトの眺望』です。私がフェルメールにはまるきっかけとなったのがこの絵なのですが、なんと、赤瀬川さんもこの絵がフェルメールとの最初の出会いだったそうです。この本についての語りが本当に素晴らしかったのでこの記事では紹介していきます。

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M・スチュアート『宮廷人と異端者 ライプニッツとスピノザ、そして近代における神』~正反対の2人の生涯と思想を知れるおすすめ伝記!

前回、前々回の記事とスピノザについて見てきました。そして今回はいよいよスピノザとはいかなる人物だったのかをより詳しく知れる本を紹介します。

M・スチュアートの『宮廷人と異端者 ライプニッツとスピノザ、そして近代における神』はスピノザの生涯や思想を知るのにまさにうってつけな作品です。

この本の特徴は何と言ってもスピノザとライプニッツという、同時代の二大巨頭の生涯を1冊で知ることができる点にあります。ものすごく面白い作品です!

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國分功一郎『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』~オランダの哲学者スピノザのおすすめ入門書

この作品ではスピノザとはどんな人物だったのか、彼の思想はどこが革新的で何が従来の思想と異なっていたのかというのがとてもわかりやすく解説されます。

この作品を読んだことでフェルメールやレーウェンフックについてもより深く考えることができたと思います。彼らが皆1632年生まれで、しかもごく近いところで研究を続けていたというのは非常に興味深いものがあります。レンズを通して交差する三人の人生、思想。これは歴史の奇跡だと私は思います。実に面白い!

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ジャン=クレ・マルタン『フェルメールとスピノザ〈永遠〉の公式』~同じ年にオランダで生まれた2人の接点とは

この本はオランダの画家フェルメールと哲学者スピノザの驚くべき関係に迫った作品です。

この本を読んで驚いたことに、なんとフェルメールとスピノザは1632年という同じ年にオランダに生まれていたのでした。

しかもスピノザは哲学者でありながらレンズ磨きで収入を得ていたと事実も語られていました。レンズ磨きといえば顕微鏡で有名なオランダのレーウェンフックが有名です。

つまりフェルメール、レーウェンフック、スピノザという同い年トリオは「レンズ」という同じ道具を通して繋がっているのです。

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F・ステッドマン『フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く』~写真機の先祖カメラ・オブスクラとは何かを知るのにおすすめ!

今作『フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く』ではかなり詳しくカメラ・オブスクラについて知ることができます。図や写真も多数掲載されていますし、画家がこの機械をどのように使っていたかというのもわかりやすく説かれます。これはとてもありがたいことでした。

フェルメールが用いたこの光学機器についてより知りたい方にはぜひおすすめしたい作品となっています。